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【サラエボ】アウトテイク集

サラエボ旅行から、前回の記事で語り尽くせなかった細かい話題の詰め合わせをお送りする。


空港から市街地へ

サラエボ空港は旧市街から西に8kmほど離れている。トラムは空港までは来ていないが、幸い空港-バシチャルシヤ間のバスが存在する。停留所はターミナルを出て真っ直ぐ、駐車場を越えた先である。時刻表の看板が立っているのでわかりやすいだろう。運行者はCentrotrans。

1時間半おきぐらい

片道の料金は5KM(通貨については後述)。現金のみの支払いだ。空港のATM等で現金を入手して、コーヒーでも飲んで細かく崩しておくとスムーズだろう。なお私が乗った時は検札が入ったので、支払い時にもらえるレシートともチケットともつかない紙切れはしっかり持っておこう。

空港はきれいだが、暇はあまり潰せない

生憎、あまり本数がない。飛行機の到着の時間にマッチせず、かといってタクシーに乗るリスクも負いたくない場合はプライベートトランスファーを予約しておくのが間違いないだろう。私が幾度か使っているWelcome Pickupsもサラエボで営業している(帰りに空港まで利用したが、大変スムーズだった。少し渋滞に捕まり、所要時間30分)。

サラエボ事件

サラエボ事件は世界史でも学ぶ有名な事件だ。ハプスブルク皇太子夫妻がこの町で暗殺されたことを引き金に、第一次世界大戦が始まった。

現場となったラテン橋付近には、記念碑が設置されている。暗殺者プリンツィプが立っていた場所には足跡が掘られており、彼が見た光景に思いを馳せることができる。

事件現場。橋の上ではないので注意

特にサラエボ事件に関心がある向きには、Sarajevo VRXをおすすめしたい。ビルの一室にある目立たない施設だが、VRで再現された現場を体験することができる。みんなもプリンツィプに撃たれてみよう。

ボスニアの通貨

ボスニアの通貨は一風変わっており、「兌換マルク」という。略称はKMあるいはBAM。内戦の後、1998年に導入された。

英ポンドなどに比べると、デザインは素朴

名前の通り、当時のドイツマルクと等価でペッグされた通貨であった。そのドイツマルクが1ユーロ=約1.96マルクで固定されたので、ボスニア兌換マルクも同じレートで固定されている。あるサラエボの博物館で現金払いをしたところ、お釣りの6KMの代わりに3EURを渡された。レートはぴったり1:2ではないので、厳密にはやや損をしている。ただユーロのほうが使い道はあるから、その分の流動性プレミアム(?)ということにしておこう。

「マルク」が導入されたことには、統一間もないドイツのEC/EUにおける影響力の強さを感じさせる。しかし、ドイツやECの拙速なボスニア独立承認など不用意な介入が内戦を悪化させた点も指摘されている。それを踏まえると、内戦で苦しめられた人々が、今日でも「マルク」を使っていることに一抹のもやもやもある。なおユーゴスラビア時代の通貨はディナールであり、セルビアは今でもディナールを用いている。

何はともあれ、レンテンマルクにライヒスマルク、東西マルクと激動のドイツ史を潜り抜けてきたマルクは、ユーロに葬られたかと思いきや、まさかのボスニアで生き延びている。

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