見出し画像

おばんざいと日本酒や活動をするわけ

去年の夏にZINEを作ってもらいました📖
改めて読み返してて、原点だなあと思って、
もう一度読んでた。


おばんざいやと日本酒やへようこそ!
 「おばんざいと日本酒や」——割烹着をばっちり着こなす春那と京香は、様々な拠点で食を楽しむ空間を作り上げるポップアップ・ユニット。季節や地域ごとのおばんざいと日本酒を提供しつつ、食事という体験を広げるようなコラボレーションにも積極的だ。
 二人の出会いは学生が集うとあるイベントだったという。
「おばんざいと日本酒やを始めたきっかけは、春那からの『食のイベント一緒に作らない?』という声かけ。私も何か東京で日本酒の活動したいと心の奥底で思っていたところで、嬉しかった」
 そう語る京香は、「おばんざいと日本酒や」の日本酒担当。ここまでの日本酒フリークは、古今東西なかなか見つけられないはずだ。日本酒を選ぶときは、蔵元さんの想いや酒蔵の背景にあるストーリー、食事とのペアリングなど、新しい日本酒の楽しみ方を伝えられるように意識しているとか。
「私は地元岡山の地酒やお米が大好きで、PR活動もしています。東京ではあまり知られていない地酒をセレクトして、実際に自分が蔵へ行き感じた魅力をお客様に伝えたい。背景を伝えて岡山行ってみたいなと思ってもらえると嬉しいです」
「この土地のオリジナルな食って?」「豊かな食事って?」——食いしん坊哲学にふける春那をインスパイアしてきたのは、旅先で出会った色鮮やかな食材、料理、そしてお酒。
「好奇心で動き回る、ごはんとお酒が好きな私たち。そんな二人が意気投合して始まったのが『おばんざいと日本酒や』なんです」
 春那が作り出すおばんざいは、芳醇なうま味とストーリーがつまった絶品だ。ちょっぴり懐かしい味にもほっこりさせられる。
 割烹着姿でくるくると踊るように空間をつくり、好奇心をくすぐられる食体験を生み出す二人は、まさに一糸乱れぬセッションを奏でているよう。今後の「おばんざいと日本酒や」からも目が離せない!

ーー春那さん、今後の展開は?
「日本各地の食を巡りながら、その土地のご飯とお酒を掛け合わせて、土地と食のセッションを楽しめるような場所作りをしていきたいよね」

「おばんざいと日本酒や」を知るキーワード

#01 食の物語を巡る
 「食にまつわる物語を巡る」というのが、一つめのコンセプト。京都、岡山、瀬戸内、秋田——日本のそれぞれ地域にはその土地らしい多様性があり、オリジナリティに溢れている。毎回異なる地域をテーマにすることで、土地らしい色彩を表現したい。
 「おばんざい」という料理の根本にあるのは、季節や地域性を大切にする精神。毎回季節や土地を感じられる食材を使うよう、工夫をしている。お腹を満たし、同時に食の背景にある物語にも触れられる時間こそ、身体も心も育む豊かな「食べる体験」になる。(春那)

2022/10/18 京都編
 京都の食文化が伝わる場にしたかった日。故郷関西の出汁って関西特有の味なんだなって東京に来てから気がついた。昆布と鰹の出汁を効かせたにゅうめんを。

2022/7/31岡山編
 岡山の地酒だけではなく、食材にもこだわりを。お野菜を地元農家のいぶきさんから、清水白桃を母がお手伝いしている桃農家さんから。備前焼の展示したり、実際に提供で使ったりと岡山な会に。

#02 人の想いが集う場
 食材をつくる人、お酒を醸す人の想いに触れられる場を目指している。ファーマーズマーケットで、八百屋で、魚屋で。生産者と対面し、彼らの信念に触れたときの感覚をお客さんとも共有したい。おばんざいや日本酒を提供するとき、作り手の想いを伝えることで、「食べる」という体験に人間味のある奥行きをもたらしたい。
 「おばんざいと日本酒や」の空間自体も大人の社交場のようで、人と人が繋がる場になっている。領域が違っても、お互いの興味がぶつかり合い、気づいたら意気投合してセッションが生まれ、人生の幅も広がっていく。お客さん同士の繋がりが、食とお酒を通して生まれていく——カウンター越しに、その瞬間を垣間見るのがとても幸せ。(京香)

2022/8/31 瀬戸内編
 瀬戸内の島々と香川、岡山を2人で旅し、瀬戸内の豊かな魚介や地酒だけでなく、柔らかで爽やかな空気の漂う街並みや人々に出会った。実際に足を運んで体験したエピソードとともに、食材やお酒をシェアした。そんな食をそのストーリーを媒介に、遠い地に想いを馳せたり、好奇心の赴くような話が咲く場所となった。

#03 好奇心くすぐられる食体験
 知らない世界に触れるような、好奇心をくすぐられるような食事の楽しさを伝えたい。まだ知らぬ食材や料理を食べること、飲むこと。初めてのペアリングを体験すること。食にとどまらず、新たな世界と食体験の融合も模索している。お花屋さんに季節の花で装飾していただき、一見食卓とは思えないほど花の咲き誇るカウンターでの食事体験を提供したり、調香師さんに作ってもらった香りから嗅覚でイメージを膨らませて食事をする、といったコラボも積極的に行っている。
 食事しに来たら、これまでにない世界に触れて興味が広がり、新たな好奇心が湧き立つ。そんな場を目指したい。(春那)

2022/10/25 食と香”纏”
 香りは、情景や記憶を思い起こさせる。香りから食事の物語を想像しながらごはんを食べると、その食の物語や情景を思い浮かべられるのでは?そんなアイデアから、情景を彷彿させる香りを調香師の方に用意してもらい、食と香りを交わらせる体験を提供しました。

  • 玉木春那
     おばんざい担当。京都生まれ。子どもの頃から食いしん坊。大学時代、食とサステナビリティを軸に勉強しながら、日本各地や世界各地の食を巡ってきた。「食べる」ことから、これからの食の豊かさとおいしさを探求していきたい。
    (好きなもの なすの煮浸し、カウンターのある飲食店、本屋の食コーナー、散歩) 

  • 柴田京香 
     日本酒担当。岡山生まれ。日本酒とトマトをこよなく愛している。20歳の時、地元・岡山県倉敷市の地酒バルでのバイトがきっかけで日本酒の虜に。2023MissSAKE岡山準グランプリとして、岡山の地酒をメインに日本酒の面白さ・奥深さを伝えている。
    (好きなもの 日本酒、トマト、ハロプロ、焼き物、和文化)


text & design & edit  by siroao
thank you!


いただいたサポートは「食」を発信する活動に使わせていただきます^^