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閉館中の図書館のなかでは...

こんにちは。八王子図書館の職員です。

八王子キャンパスは入試に伴い、2月前半は入構禁止期間となっていました。大きな荷物を持ってきつい坂道をのぼり、何時間もかけて入試を受けた受験生のみなさん、教室監督や誘導・設営業務で入試をサポートしてくれた学生のみなさん、本当におつかれさまでした。

この期間は利用する学生さんがいないので、図書館も閉館。スタッフもお休み…かと思いきや、閉館中だからこそできるお仕事もあるのです。
今回は、みなさんに図書館を快適に使ってもらうためのメンテナンスの様子を少しご紹介します。

入館ゲートの入替え

八王子図書館の入退館には学生証をタッチしてゲートを通る必要があります。これによって登録されている利用者以外の入館を制限したり、入館者数の統計をとったり、館内にいる人の人数を把握したりすることができるのです。

図書館の運営上重要な役割を担うこのゲートですが、2020年に退館ゲートが入れ替わったことを覚えている学生さんもいるのではないでしょうか。それまでは手で押すタイプのゲートでしたが、新しくなってからは退館時にも学生証のタッチが必要になりましたよね。

入館ゲートについては、現在の八王子図書館が竣工した2007年から今年で丸16年を迎え、さすがにもう限界といった感じで色々と不具合が生じてきていました。一日中心電図のような「ピッ…ピッ…」という音が鳴り響くなど、利用中の学生さんにもご迷惑をお掛けしてしまいました。

そういったこともあり、この閉館中の期間を利用して、ついに入館ゲートも新しいものに交換することに!

工事中の様子。古いゲートが取り外されています。
入替前の入館ゲート
新しいゲート

16年間お世話になった入館ゲートにお別れです。よく頑張ってくれました。
新しいゲートは退館ゲートと同じタイプになり、統一感が出てすっきりしました。大きさも少し小さくなったため、ゲート前の空間が広くなったように感じます。

いつもはただ通り過ぎるだけのゲートですが、次回来館する際は、この新しくなった入館ゲートにも注目してみてください!

資料を倉庫に預入れ

八王子図書館には現在約21万5千冊もの蔵書があり、それに加えて何千もの雑誌、視聴覚資料を所蔵しています。美大図書館として必要な資料があれば、みなさんに利用していただくためにどんどん購入していきます。
しかし、図書館のスペースも有限…みなさんが直接資料を見て利用できる1、2階の開架スペースの他に、地下の書庫もあるのですが、それでも全ての資料を収納することは難しくなっていきます。この問題を「狭隘化(きょうあいか)」と言ったりします。

(地下にある「集密書庫」については↓の記事も併せてご覧ください!)

図書館に納まりきらない資料は外部倉庫に預け入れて対応します。
すでに紀要や休廃刊した洋雑誌などで外部倉庫に移したものもあるのですが、この狭隘化問題にさらに対応するため、この閉館中にも資料を預け入れることになりました。
外部倉庫に預けるということは、みなさんが直接資料を見て借りるということができなくなる、また取寄せに少し時間が掛かるということになりますから、どの資料を預けるかは慎重に検討します。

今回は約3,000冊の図書を倉庫に移送することになりました。
大掛かりな図書の引越し、実際の引越し業者さんが対応してくださっています。

すごい数の段ボールです

ちなみに、外部倉庫にある資料をOPACで検索すると、以下のように所在が「外部倉庫」と表示されます。

このように表示されている資料を閲覧したい場合は、カウンターで申請してください。資料はだいたい2、3日で図書館に到着します。

みなさんが直接手に取って資料を探すことができるスペース以外にも、図書館の資料が保管されている場所はたくさんあるのです。
ぜひOPACを活用して必要な資料を検索し、どこにあるかわからない場合はお気軽にスタッフにお尋ねくださいね。

蔵書点検

2月の閉館中のメインはなんといっても蔵書点検です。
蔵書点検とは、その名の通り蔵書を点検することで、全ての資料がきちんと揃っているかどうかチェックしていきます。
言うのは簡単ですが、先に書いたように八王子図書館の蔵書は約21万5千冊。これを全部チェックするわけなので、何日もかかる作業です。

と言っても、本を一点一点目で見て確認するわけではありません。ハンディリーダーで資料を読み取り、データと照合するのです。

一冊ずつ読んでいきます
ガンハンドルのタイプもあります

すばやい作業のためには、いつもは便利なブックエンドも邪魔になることが多いので、書架の上に全て出しておくような工夫もしています。
そのため蔵書点検中は⇩のような光景に。

機器を使ってもかなり手の掛かる作業であることは間違いありません。
データを修正する必要があるもの、装備を変更する必要があるものなど、腰を据えて点検し、整理します。なかには紛失したと思われていたけれど、この蔵書点検で発見された資料も。

資料の点検をしたら、書架整理もしていきます。
図書館にある本には、一冊一冊、その本がどこにあるのかを示す請求記号という記号が与えられています。そしてこの記号の順番に並べることで、膨大な蔵書の中から、目当ての本を探し出すことができるようになっているのです。
しかし利用する人がいれば、その順番が少しずつ乱れてしまうのは仕方がありません。書架にある資料の並び順をチェックして、元の位置に戻す作業を書架整理と言います。

背の低い書架が多く、かがみながらの作業が続きます

この書架整理は開館中も随時行っていますが、時間を掛けてじっくりチェックするというのは閉館中だからこそできることです。
資料が全然違う場所にあると行方不明になってしまいますから、とても大事な作業だということがわかっていただけると思います。

蔵書点検は上野毛図書館でも行うため、2月20日、21日は閉館とさせていただいています。
両館とも書架をしっかり整えて、みなさんのご利用をお待ちしています。

おわりに

3週間にわたって閉館していた八王子図書館も、2月20日から短縮開館となっています。ゲートが新しくなり、書架が整理され、さらに快適に利用できるようになった図書館へぜひ足を運んでいただければと思います。

長期貸出期間中ですので、今本を借りると春休み中ゆっくり読むことができますよ!

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