コロナ禍での接客

新型コロナウィルスは世界中の人々の生活や働き方に影響を与えました。航空業界も大きな変化が求められ、お客さまに安心して空港や飛行機をご利用して頂けるよう、各社工夫を凝らしています。

この記事では、私の職場でのコロナに対する具体的な取り組みや困り事についてと、解決策や個人的に意識している事などを綴ります。

カウンター業務の変化


お客さまと直接接するカウンターは一時、接触感染防止の為、モニター付きの電話にて無人対応を行っておりました。しかしながら、どうしても有人での対応が必要な場面もある事、旅客の増加などで、現在はできる限りカウンターは有人となりました。接触感染防止策の中にはちょっとした弊害が生まれる事があります。

コロナ対策による弊害

・業務中はマスク着用
・カウンターに透明シールドを設置

①声が通らない
マスク+透明シールドでお客さまとの間に遮蔽物ができ、お互いの声が聞き取り辛くなりました。こちらの声が通らない分には、お腹から声を出せば済むのですが、お客さまのお声が聞こえ辛い時があります。

②表情が伝わらない
マスクで顔の半分以上覆っている為、笑顔が伝わりにくいです。いつも以上に声色を明るく、目元の印象で表情を伝えなければなりません。
また、接客業においては笑顔以上に、「申し訳ない表情」が必要な場面が多々あります。お客さまのご希望に添えない場合、ご期待に応えられない場合、表情の伴わない言葉だけの謝罪ではご納得頂けないからです。


③読唇術を使って頂けない
空港はさまざまなお客様がご利用なさいます。中には耳が不自由な方もおられ、その中には手話や読唇術でコミュニケーションをはかる方もおられます。私たちが口を覆ってしまっている以上、読唇術は使って頂けません。

※読唇術→耳は聞こえない、聞こえにくいが相手の唇の動きを見て、何を話しているのかを理解する方法。

解決策

①声が通らない
→聞き取れた単語や状況から逆質問
「〇〇についてでしょうか?」など、何となく的を得ていそうな質問を投げかけます。これは、単純にお客さまの質問の意図が汲み取りづらい時に行うスキルでもあります。

例1:
お客さま→「、、、はどこですか?」
(お手元には搭乗券)
私→「搭乗口でしょうか?」
お客さま→「はい、ここの空港は初めてで、、、」
例2:
お客さま→「、、、はどこですか?」
(大きなスーツケースをお持ち)
私→「お荷物のお預けをご希望でしょうか?」
お客さま→「いいえ、電車に乗りたいんです。駅はどこですか?」
私→「失礼いたしました。駅は、、、でございます。」

例2のように、こちらの逆質問が間違えであっても、お客さまは再度質問をして下さいますので、正確なご案内が可能です。


②表情が伝わらない
→眉毛を見せる
眉毛で表情を伝える事は、マスクの有無に関わらず、重要です。ただし、肝心な眉毛が前髪で隠れていれば、せっかく眉毛を動かしていても効果は薄れてしまいます。

今の私の前髪は、眉毛が隠れる位の長さですが、仕事の時はコテで巻いて長さを調整し、眉毛を出すようにしています。

③読唇術を使って頂けない
→よく聞かれる内容を一覧にしたラミネートを用意。これは、コロナになる前からあったらいいのになぁ、、、とは思ってはいました。笑

以前までは全ての対応で筆談を行っておりましたが、これは、指差し確認でお互いの意図が伝わるので楽でスピーディーに対応ができます。


まとめ

コロナ禍で今まで通りの接客では十分なご案内が難しくなりました。ただ、ベースとして今まで通りの接客を行う事。+α今まで以上により丁寧に、注意深くお客さまのご様子に気を配り、お声に耳を傾ける。そんなちょっとした工夫で、解決が出来るのだなと感じています。コロナが収束する頃には、こうした工夫が継続され、今まで以上に質の高い接客を実現したいです。

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