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尾を引いているだけの飛行機雲が

かすかに水の中で強がったレモン果汁が

急かしても誰も渡らない信号の点滅が

帰り道だれかを恋焦がれひとりうたっていた鈴虫が

どこか遠くでで走り去っていった電車が

もうくたびれた青菜が

窓に差し込んだ新しい朝日に起こされた誰かが

世界の孤独を錯覚している

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