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ちょこっと夢のはじっこを齧ってみる

2023年8月3日。

世の中的には相当遅ればせながら、コロナワクチンを打ってきた。
しがない非常勤講師で身過ぎ世過ぎしている私でも、仕事に障りが出ない夏休みはワクチン日和である。
いま時分にワクチン接種しているのは、お年寄りか持病を持ちの中年くらいで、接種予約センターも病院ものんびりしたものである。

私が行く小さな町医者では、看護婦さんが商店街のうちわでダイソンの冷房の風をさらにかき回しながら、集うご老人の常連さんたちと四方山話をしていた。

「あなた、ワクチン接種した今日くらい、お夕飯は総菜でも買ってやっつけちゃいなさいよ」
「そうですねぇ。石井さんところで弁当を買おうと思っていまして・・・」
なんてことを話して弁当を買って帰ってきて、気が付いたら2日が経っていた。

家の中がまるで違う場所のように見えて、会社で仕事中の夫にショートメールをしたら、副反応がまだあるんだろうから薬飲んで寝ておけ、と返ってきた。
リビングに行くと、ダイニングテーブルの椅子の上で、愛猫①②が動物の本能を完全に取っ払って爆睡していた。

なんだか妙だ。
まるで異次元空間にいるみたいだ。
そういえば、ここ数年既視感のある風景の夢を時折見るのだが、その時と似た感覚がする。
しかも今日にいたっては、目覚めてなお夢の中にいるみたいだ。

そうだ。
ちょうどよい機会だから書き留めておこう。
私はむかしむかし、モノを書いて飯を食う人になりたいと思っていた時代があった。
それに、昨日は何とかムーンという凄い名月だったらしく、新しいことを始めるのには良い時期なのだと、誰かが言っていた気がする。

あれ、どうやって撮ったのか、昨日の満月の写真があるではないか。

ふーむ、まずは麦茶を飲もう。
何かの景品でもらった全然オシャレじゃないコップに麦茶を注いで、富士屋ホテルのチョコレート味のクッキーの端を齧る。
ミニミニロールケーキを切って焼いたみたいに、普通の生地のなかをチョコレート生地がぐるぐるぐると渦を巻いているクッキーで、指先につまんで眺めていると、なんだか眩暈がしてきそうだ。
咄嗟に思う、今この瞬間、夢なら醒めないで!現実ならどこかに飛ばさないで!

書き留めなければ!

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そんなわけで、夫と猫①②と東京の真ん中あたりでひっそり暮らし、時々夢の世界にワープしているらしいおばちゃんですが、夢を齧るつもりで、ここに諸々書いてみたいと思います。
よろしくお願いします。

三原 たゑ

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