この週末、推しが燃えました
推しが燃えた。
彼女のことは6~7年ほど好きで、明るいキャラクター、興味深い言葉遣い、私にはない美的センスに一目ぼれしたのが始まりだった。
YouTubeで楽しそうに活動していた彼女が、有名バラエティー番組に出演が決まったと動画で報告してくれた時、私も嬉しかった。彼女の才能がはやく世にバレてほしいと願っていた。彼女は類稀なる才能の保持者で、それゆえにネットだけではなく、お茶の間、そして世界に羽ばたくべき存在だと信じていたから。
わたしの予想と願い通り、彼女はザ・飛ぶ鳥を落とす勢いでメディアに出演するようになり、もはや毎回出演番組をチェックすることはなくなったのだが、久しぶりに見た番組で、年上の男性司会者からの「好きな人いるの?」というキモイセクハラ気味な質問にも「仲良くないのに教えるわけないじゃん!」と明るく(そしてちょっと小馬鹿にする態度で)彼女が答えていた際、昔から変わらない強気な姿勢に救われたりした。
逆に彼女が番組で滑っていると悲しかった。とくに男性出演者から向けられる彼女への冷たい視線はよく感じていて、それも嫌だった。
私にとって彼女は、女性性を超越した、権力にも動じない憧れの存在だったのだ。
そういえば大学時代、なんのタイミングだったか、当時好きだった人が彼女のことを悪く言った時、「あ、この人無理だ」と距離をおいた。ライン即ブロック&削除。
今思えばめっちゃ顔好きだったし、彼が住んでるエリアも好きだったから連絡先ぐらい残しときゃよかった。でもそのくらい私は彼女のことが好きだったし、彼女のことを嫌いな人が「無理」だった。
そんな私にとって「正しい人」だった彼女が、SNS上で失言し、瞬く間に燃え上がってしまった。
彼女が書いた言葉は全然「正しい」とは言えないものだった。
(決して私のことを褒めてほしいわけではないのだが!)私だったら絶対言わない言葉を、彼女は年下の後輩に投げてしまった。
彼女が謝罪表明とラジオのお休み宣言をするまで、なにかの企画かもと思っていた。
なにが彼女にそうさせたのだろう。
仕事が忙しくて心がガサついたのかも。売れていく後輩に焦りや悔しさがあったのかも。
いやそもそも彼女に私の理想とする女性像を投影し、私が勝手に夢を見ていただけなのかも。そうも思います。
私は仕事のグチを汚い言葉とともに吐いてしまう人を知っている。
そういう人はたいてい疲れている。
けどやっぱり「言っていいこと」と「悪いこと」があると思うのですフワちゃん。
推しは完璧じゃない。
推しは私の理想とする人間の具現化ではない。
推しも生きている人間であって、決してマスコットやAIではない。
推しにも人生のアップダウンがあり、人間らしい負の側面がある。
そんなことを考えた事件だった。
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