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【雑記】物言わぬゆえの愛

仕事からの帰路、ちょうどそれくらいの時間におじいさんと2匹の犬がお散歩しているシーンによく遭遇する。

おうちは知らないけど、結構見かけるのでたぶんご近所さん。
大型犬と小型犬とおじいさんと、たぶん全員同じくらいの年齢だと思う。

初めて見たときは何年も前で、そのときはスタスタと、
最近はすごーくゆっくり、でもしっかり歩いてる。

こどものとき、初めての私の犬がきた。
その子は大型犬にしては長生きしてくれて、年老いていくごとに不思議と愛らしさが増していくように感じた。
亡くなったのは私が20代前半のとき。

人と違って棺はなく、そのままの姿で炉に入っていく時は人生で一番泣いた。
もしかしたら自分が流産したときよりも泣いたかもしれない。
(当然流産の喪失感は文字に表せないほどだけど、そのときは涙云々というより心がボッキリと折れて感情が止まってしまったので、そのときどうやって生きていたか思い出せないくらい思考停止していた。)

私も30年以上生きているから、身内の死も経験しているけれど
それでも両親現在で兄弟も元気な私にとっては
人生で一番悲しかったのは愛犬の死、であった。

パピーの頃からシニアになるまで
当然一言も人語は話さないから

でも犬の目やシッポはすごく雄弁で、感情はすごくよく伝わってきていた。

もしかしてもうすぐ喋れるんじゃない?って思うくらいには、こちらが言うことを理解していたように思う。

老いて脚も動かなくなってきたときには、きっと身体のあちこち痛かったはず。
どこが痛いとも言えず、それがかわいそうで
それでも短い人生(犬生)を一緒に過ごしてくれたことに感謝が止まらなくて
物言わぬゆえの愛が溢れていた。

冒頭の2匹の犬は、私の犬の老犬期にすごく似ているように見える。
ゆっくりゆったり歩く家族でもないよその犬たちが可愛くて仕方ない。

いつまでも元気でいてほしい。

ゆっくり歩く姿をいつまでも見ていたいなと思う。

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