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No.387|水運びの寓話

2024年1月26日 たまちゃんの「いつか何ものかになる道」 No.387
当ブログは、30代後半の元ポンコツのサラリーマンが何ものかに変化変容を果たす過程をリアルに発信します。
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「今、楽をしたい!」という気持ちと、「将来、楽をしたい!」という気持ちが心の中で戦った場合、「将来、楽をしたい!」という気持ちが勝つ人ほど、中長期的に見た成果を残しやすいと言えます。

例えば、夜中に「お腹空いたなぁ。何か食べたい・・・けど、食べたら太るなぁ」という場面で、どちらを選ぶのかということです。

今の食欲解消を選ぶのか、将来の体型や身体のことを考えるのか。
悩ましい問題です。

私の場合は、酒を飲んでいると、「あといっぱいだけ飲みたいなぁ。でも、これ以上飲んだら明日がしんどいなぁ」という場面で、あと二杯は飲んでしまいます。

こうした際に翌日に後悔をするわけです。


水汲みの寓話があります。
少し長いですが、紹介させていただきます。

むかしむかしあるところに、ひなびた村があった。そこはたいそう暮らしやすかったが、一つ大きな問題があった。というのも、その村では雨が降らないと水が手に入らなかったのだ。

この問題を解決するために、長老たちは村に毎日水を運んでくる仕事を引き受けてくれる人間を募ることにした。

そして、名乗り出た二人と契約を交わした。契約を勝ち取った二人のうち一人はエドという男だった。

エドは契約が決まるやいなや外に飛び出し、鉄のバケツを二つ買ってきて、一マイル離れた湖に向かって駆け出し、せっせと水を運び始めた。こうして毎日朝から晩まで二つのバケツで水を運び続けたエドのもとには、すぐにお金が舞い込んできた。
エドは運んできた水を、村の人たちが作った大きなタンクに流し込んだ。毎朝エドは村のだれよりも早く起き、必要なだけの水がいつもタンクの中にあるようにしなければならなかった。つらい仕事だったが、お金が入ってくるのがうれしかったし、この契約を勝ち取った二人のうちの一人にもなれたことを喜んでいた。

もう一方のビルは契約を結んだあとしばらく村から姿を消した。

数ヶ月が過ぎてもビルは戻ってこなかった。エドは喜んだ。競争相手がいなくなったからだ。エドは水の代金を独り占めしてほくほく顔だった。

ビルはバケツでエドと競うつもりはなかった。その代わりにビジネスプランを立て、会社を興した。そして、四人の投資家を見つけ、実際に現場で仕事をする社長を雇い、六ヶ月後、建築作業員を引き連れて村に戻ってきた。一年後、ビルの会社は村と湖を結ぶパイプラインを完成させた。

パイプラインの開通を祝う式典の席上で、自分の会社は一週間に七日、二十四時間休みなく水を供給できることを告げた。エドは週末は働かなかったので、水が運ばれてくるのは月曜から金曜までだった。
そのあと、ビルは料金をエドの料金の四分の一にすると発表した。村人は大喜びでビルが作ったパイプラインの蛇口に飛びついた。

ビルとの競争に勝つためにエドはすぐに水の料金を四分の一に下げ、新たに二つのバケツを買った。そして、四つのバケツすべてにふたをつけて水を運び始めた。また、サービスの質を高めるために、二人の息子を雇い、交代で夜や週末も水を運ぶことをした。息子たちが大学に進むために村を出るとき、エドは息子たちこう言った。

「はやく帰って来るんだ。このビジネスはいつかおまえたちのものになるんだから」

でも大学を終えた二人の息子はどういうわけか村には帰ってこなかった。その頃にはエドは人を雇うようになっていたが、それと同時に組合の問題もかかえるようになっていた。組合は賃上げと福利厚生の充実を要求し、さらに、組合員は一度に一つのバケツしか運ばなくていいようにしてほしいと求めてきた。

一方ビルは、もしこの村に水が必要ならば、ほかの村にだって必要としているに違いないと考えた。そして、ビジネスプランを書き直し、世界中に散らばる未開発の村を訪れ、自分が考え出した高速、多量、安価、高品質の水の供給システムを売って歩いた。ビルの儲けはバケツ一杯分につきわずか一セントだったが、毎日の供給量は相当な量に達した。だから、ビルが実際に身体を動かして働かなくても、世界中で何百万人という人が一日にバケツにして何杯もの水を使い、そこから入るお金がすべてビルの銀行口座に流れ込んだ。ビルは村に水を運ぶパイプラインを建設すると同時に、自分のところにお金を流し込むパイプラインを作っていたのだ。

この寓話から読み取れる示唆は結構な数出てくるかと思います。

簡単に言うと、水を手で持ち運んでくるのか、水を運んでくるパイプラインを整備するのか、の違い。
後者については時間やコストの投資が必要です。
短期的に見ると当然水を持ち運んでくる方が良いわけですが、時間軸を長く持ち、パイプラインを整備すると蛇口をひねるだけで水が出るようになり、収益も莫大なものになります。


しかし、パイプラインがイメージできる現代においては当たり前のように感じますが、仮にパイプラインを見たことがない人からすると、びっくりするような行為だと思われます。

自分が見たことも触ったこともないことでも、それを実現するとこんな良いことがあると信じ切り、やりきること。
投資家の人にもビジョンを示し、ついてきてもらうことが必要になりますから。


冒頭に戻りますが、「今、楽をしたい」気持ちが出たとして「将来、楽をしたい」気持ちが戦った時に、「将来、楽をしたい」気持ちが勝つようにするには、ビジョンを具体的に思い描き、自分も他者もそのビジョンを信じることができるかが大事なのではないでしょうか。

「今、楽をしたい」という気持ちに負けそうになったときは、なりたいビジョンや将来の姿の解像度を上げるとよいかもしれません。

ちなみに、私のお酒の話で言うと、翌日に苦労するとか、お酒飲まない方が本読んだりする時間を確保できるといったことを考えることで、何もない日は一人でお酒を飲むのは控えることができています。
何とか、維持したいです。


最後までお読みいただきありがとうございました。
明日も「即断・即決・即実行」「平均ではなく異常をやり続ける」「わからないからすべてやる」「完璧主義より完了主義」「手を動かし続ける」でいきます!

●本日のまとめ

・今、楽をしたい気持ちが出たときは、将来のビジョンを具体的にイメージで思い描くとよい。
・そのイメージが弱かったり、魅力的ではない場合は当然「今、楽をしたい」という気持ちに負けてしまうものである。

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