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何度でもオールライトと歌え

あらすじ

 ミュージシャンでありながら、3.11以降、『THE FUTURE TIMES』の編集長として、何度も現場に入ったゴッチが、初めて単行本として、原発、政治を綴った話題必至の一冊。

感想

 ASIAN KUNG-FU GENERATION のボーカル&ギターであるゴッチこと後藤正文のエッセイ。
 3.11の少し後に書かれているものがほとんどだからか、原発や政治に対して深く踏み込んだ内容が多いけれど、そのどれもが今の政治の現状に当てはまる内容で少し悲しくなった。もちろん感じていたけれど、この10年でこの国の政治や国民のそれに対する興味は前進していないんだと改めて認識させられたから。
 反原発デモについて書かれていた箇所は特に興味深く、デモに参加することに対しての怖さやその場で湧いた苛立ちなどが赤裸々に書かれており、その上で参加することの意義というものを考えさせられた。

 エッセイとしての日常的な記事もポツリポツリと挟まっているのだけど、誰にでも起こり得るようなそこまで突飛でもないような内容を、おかしみのある文体と考えすぎてしまうゴッチならではの思考により、非日常的な内容に昇華させるその手腕に感動しつつもふふっと笑えるような内容でこちらも楽しめた。

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