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自分用の備忘録として、映画・小説などの感想を書いていこうと思います。

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滅私

あらすじ  物を捨てよ、心も捨てよ。ミニマリストの男が直面するSDGs時代の悲喜劇。必要最低限の物だけで暮らすライターの男。物だけでなく人間関係にも淡泊で、同志が集うサイトの運営と投資で生計を立て、裕福ではないが自由でスマートな生活を手に入れた。  だがある日、その人生に影が差す。自分の昔の所業を知る人物が現れたのだ。過去は物ほど簡単には捨てられないのか。更新される煩悩の現在を鋭く描く。 感想  必要最低限のものだけで暮らす生活のメリット・デメリットをまざまざと見せつけ

    • 何度でもオールライトと歌え

      あらすじ  ミュージシャンでありながら、3.11以降、『THE FUTURE TIMES』の編集長として、何度も現場に入ったゴッチが、初めて単行本として、原発、政治を綴った話題必至の一冊。 感想  ASIAN KUNG-FU GENERATION のボーカル&ギターであるゴッチこと後藤正文のエッセイ。  3.11の少し後に書かれているものがほとんどだからか、原発や政治に対して深く踏み込んだ内容が多いけれど、そのどれもが今の政治の現状に当てはまる内容で少し悲しくなった。も

      • 改良

        あらすじ  女になりたいのではない、「私」でありたい  ゆるやかな絶望を生きる男が唯一求めたのは、  美しくなることだった  メイクやコーディネイト、女性らしい仕草の研究……。  美しくなるために日々努力する大学生の私は、コールセンターのバイトで稼いだ金を、美容とデリヘルに費やしていた。  やがて私は他人に自分の女装した姿を見て欲しいと思うようになる。  美しさを他人に認められたい――唯一抱いたその望みが、性をめぐる理不尽な暴力とともに、絶望の頂へと私を導いてゆく。 感

        • ブラックボックス

          あらすじ  ずっと遠くに行きたかった。  今も行きたいと思っている。  自分の中の怒りの暴発を、なぜ止められないのだろう。  自衛隊を辞め、いまは自転車メッセンジャーの仕事に就いているサクマは、都内を今日もひた走る。  昼間走る街並みやそこかしこにあるであろう倉庫やオフィス、夜の生活の営み、どれもこれもが明け透けに見えているようで見えない。張りぼての向こう側に広がっているかもしれない実相に触れることはできない。 感想  本作で描かれている主人公と同世代であるので、日々感

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        記事

          THE GUILTY/ギルティ

          あらすじ  緊急通報指令室のオペレーターであるアスガー・ホルム(ヤコブ・セーダーグレン)は、ある事件をきっかけに警察官としての一線を退き、交通事故による緊急搬送を遠隔手配するなど、些細な事件に応対する日々が続いていた。そんなある日、一本の通報を受ける。それは今まさに誘拐されているという女性自身からの通報だった。彼に与えられた事件解決の手段は”電話”だけ。車の発車音、女性の怯える声、犯人の息遣い・・・。微かに聞こえる音だけを手がかりに、“見えない”事件を解決することはできるの

          THE GUILTY/ギルティ

          掟上今日子の推薦文

          あらすじ  二億円の絵が一夜にして二百万円に急落。鑑定人は、忘却探偵・掟上今日子。しかし、絵がすり替えられた形跡もなければ、今日子さんには記憶もない。  美術館警備員・守の依頼を受けて看破した真相は、さらなるアートな難事件を巻き起こす! 彼女と過ごす時間はいつだって最初で最後。  「忘却探偵シリーズ」第2巻。 感想  忘却探偵シリーズ2作目。  短編モノであった前作と違い、各章で区切られているものの全体を通して同じテーマで描かれる長編作品。芸術の世界を描いており、天才の

          掟上今日子の推薦文

          アテナ

          あらすじ  フランス都市部の郊外の貧困住宅地区アテナに住む移民の兄弟の末っ子イディールがある日、何者かに殺害される。犯人は警察官ではないかと考えられていた。  これを受け、イディールの兄カリム率いる移民のギャングたちが警察署の前で抗議活動をする。ところがカリムたちは抗議だけに収まらず、そのまま警察署を襲撃し、武器を奪って逃走する。これを機に至るところで暴動が起き、警察はアテナを包囲することに。  カリムの兄で軍人のアブデルは弟の死に悲しみつつも武力行使には反対だった。なんと

          アテナ

          アナザーラウンド

          あらすじ  冴えない高校教師4人は、ノルウェー人哲学者の「血中アルコール濃度を一定の度合い保つと仕事の効率が良くなり創造力がみなぎる」という理論を証明するため実験をすることに。朝から酒を飲み続け常に酔った状態を保つと、授業も楽しくなり、生き生きとする。だが、すべての行動には結果が伴うのだった― 感想  実在の哲学者が唱える「人間は0.05%血中アルコール濃度が足りない状態で生まれてきている」という嘘みたいな理論から生まれた物語。  『イエスマン』的なちょっとおバカ系な物

          アナザーラウンド

          Phantom

          あらすじ  外資系食料品メーカーの事務職として働く元地下アイドルの華美は、生活費を切り詰め株に投資することで、給与収入と同じ配当を生む分身(システム)の構築を目論んでいる。  恋人の直幸は「使わないお金は死んでいる」と華美を笑うが、とある人物率いるオンラインコミュニティ活動にのめり込んでゆく。 そのアップデートされた物々交換の世界は、マネーゲームに明け暮れる現代の金融システムを乗り越えゆくのだ、と。  やがて会員たちと集団生活を始めた直幸を取り戻すべく、華美は《分身》の力を

          グラスホッパー

          あらすじ  復讐を横取りされた。嘘?」元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。  どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。  鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの若者・蝉も「押し屋」を追い始める。  それぞれの思惑のもとに――「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。  走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説! 感想  何度も読んでいる作品だけど、オーディオブ

          グラスホッパー

          ブレット・トレイン

          あらすじ  とにかく運の悪い殺し屋レディバグ。彼は依頼人のマリアからブリーフケースを盗むだけの簡単な仕事を請け負い、東京発・京都行の超高速列車・ゆかり号に乗り込む。 感想  まず、原作者である伊坂幸太郎の大ファンであり刊行された本は全て読んでいて、本作の原作小説であるマリアビートルも何回も読み返しているので、この映画を見るために読み返してはないけれど大体は原作の流れを把握した上で見に行った。  その上で、最高に楽しむ事ができた。  予告を見た時点では、誰がどう見たって

          ブレット・トレイン

          サマーゴースト

          あらすじ  ネットで知り合った高校生の友也、あおい、涼。彼らは、それぞれ家族や友人、将来について悩みを抱えていた。そんなある時、3人は夏にだけ現れると噂されていた若い女性の幽霊「サマーゴースト」に会おうと思い立つ。 感想  乙一の別名義『安達寛高』で脚本を担当した映画作品の、ノベライズ作品とのこと。映画は見ていないけれど、青春群青劇としてとても映像映えする内容だとは思うので、いずれ見てみようと思う。  本作のざっくりとした内容でいうと、自殺を考えている高校生3人が『死

          サマーゴースト

          石子と羽男-そんなコトで訴えます?-

          あらすじ  東大卒のパラリーガル「石子」こと石田硝子と、高卒の弁護士「羽男」こと羽根岡佳男が凸凹コンビを組み、ふたりの元にやってくる人々が抱える身近なトラブルに挑みながら、お互いのコンプレックスに向き合い成長していく姿をコミカルに描くリーガルエンタテインメント。 感想  今クールで一番毎週楽しみにしていたドラマ。  未成年のスマホゲームへの多額の課金や、電動キックボードによる事故など、現代ならではの事件を題材に、社会問題に深く踏み込んだ内容でありながらもコミカルで、ふら

          石子と羽男-そんなコトで訴えます?-

          レッド・ノーティス

          あらすじ  「レッド・ノーティス」とは、インターポール(国際刑事警察機構)が世界の最重要指名手配犯を逮捕するためにのみ発令する、特別な国際手配書のこと。重大犯罪者を追うFBIのトップ捜査官ジョン・ハートリーは、大規模な美術品泥棒計画を仕かける世界最高の詐欺師ノーラン・ブースと凄腕の大泥棒ビショップと出会い、とある理由から彼らと手を組むことになる。  立場が全く異なる3人は、それぞれの目的のために前代未聞の強盗計画に挑むことになるが……。 感想  たまに無性に見たくなる、

          レッド・ノーティス

          すべてがFになる

          あらすじ  孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。 彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。  偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人に挑む。 感想  随分昔に読んだ記憶があるけれど、ちゃんと読んでおいてこのトリックを覚えてないわけがないので、多分途中で読むのをやめたのだと思う。ということで、殆ど初めて読む作品。  森博嗣のデビュー作

          すべてがFになる

          真夏の方程式

          あらすじ  夏休みを玻璃ヶ浦にある伯母一家経営の旅館で過ごすことになった少年・恭平。一方、仕事で訪れた湯川も、その宿に宿泊することになった。  翌朝、もう1人の宿泊客が死体で見つかった。その客は元刑事で、かつて玻璃ヶ浦に縁のある男を逮捕したことがあったという。  これは事故か、殺人か。湯川が気づいてしまった真相とは——。 感想  随分前に読んだ記憶があるけど、ガリレオシリーズを一通り読むために再読。  他のガリレオシリーズ作品とは雰囲気が大きく異なる作品。これまでの作品

          真夏の方程式