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サマーフィルムにのって

あらすじ(公式サイトより)

 勝新を敬愛する高校3年生のハダシ。
 キラキラ恋愛映画ばかりの映画部では、撮りたい時代劇を作れずにくすぶっていた。
 そんなある日、彼女の前に現れたのは武士役にぴったりな凛太郎。
 すぐさま個性豊かな仲間を集め出したハダシは、
 「打倒ラブコメ!」を掲げ文化祭でのゲリラ上映を目指すことに。
 青春全てをかけた映画作りの中で、ハダシは凛太郎へほのかな恋心を抱き始めるが、彼には未来からやってきたタイムトラベラーだという秘密があった――。

感想

 そもそも、ロロの演劇が好きなので、ロロの主宰・三浦直之さんが脚本ということで期待値を高く見積もってしまったせいなのか、あまり好きな映画ではなかった。

 キラキラな恋愛映画に興味がなく時代劇を撮りたい主人公が、仲間を集めて自分たちの力だけで映画を撮るというそのプロセスには学生時代にしか感じられない、青春としか言いようのない空気感が詰まっていてとても面白かったのだけど、後半からは特に、この映画の軸が結局のところ恋愛になってしまっているように感じてしまった。
 恋愛映画を敵対視する女性を主人公に置いておいて、恋愛映画にするというのはどうしても矛盾してるんじゃないのかな……と思ってしまい、後半は特に冷めた気持ちで見てしまった。恋愛映画ととるか青春映画ととるかは、人によって分かれるとは思うけど。

 でもやっぱり面白いセリフは沢山あるし、タイムトラベラーという設定をうまく使った展開は面白かったので、恋愛映画に偏見がない人はとても楽しめると思う。

 最後に、物語とは関係ないところだけれど、三浦直之さん流のネーミングセンスがとにかく好きだった。主人公の名前が『ハダシ』、幼馴染の女子高生2人がそれぞれ『ビート板』『ブルーハワイ』、時代劇的なルックスの同級生が『ダディボーイ』——ネーミングだけでそのキャラクタ性を表現してしまうのは、流石だと感じた。

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