ワイン入門の思い出 ③キャンティ

千円前後で軽めのイタリア赤を探していると、目についてくるのがキャンティです。いろいろな生産者がキャンティを造っていて、価格も手頃なものが多かったので、安いキャンティを見つけては買って飲んでいた時期がありました。

安いキャンティはハズレも多いですが、不味くて飲めないというほどのものには当たらなかったと記憶しています。この時期は赤ワインの経験が浅く、そもそも最初からそんなに期待していなかったので、許容範囲が広かったのでしょう。また、美味しいかどうかよりも、ワインの味のバリエーションを知ることに興味があったので、ハズレを掴まされても興味を失うことはありませんでした。

はじめてのキャンティはルフィーノ

最初に飲んだキャンティは、ルフィーノ社のキャンティ・フロレンタインです。価格は千円を切っていました。サントリーが輸入しており、当時はよく見かけたのですが、最近見ないなあと思ったら、終売なんだそうです。画像を貼りたかったのですが、Amazonでは見つけられず。楽天には商品紹介のページが残っていたのですが、画像の転載はやめておくことにします。

それから時間は少し空きましたが、同じ生産者の上級品、キャンティ・クラシコ・リゼルヴァ ドゥカレが2千円で売られているのを発見し、少し奮発して買いました。ワインに対して、少し財布の紐が緩んだ瞬間でした。下に貼った画像は、ドゥカレ・オロというさらにワンランク上のもので、オールドヴィンテージということも相まって高めの価格設定になっているのですが、エチケットのデザインが似ているので画像を貼り付けておきました。

アンティノリ

いろいろ飲んでみたのですが、よくできてるなと思わせてくれたのはやはり有名どころでした。当時飲んだのは、以下の3つです。

1.  サンタクリスティーナ・ロッソ
2.  キャンティ・クラシコ・リゼルヴァ ヴィッラ・アンティノリ
3.  キャンティ・クラシコ ペポリ

その時の私の理解ですが、1 がエントリークラス、2 がその上位銘柄でありキャンティ・クラシコの伝統的なスタイル、3 が果実味豊かなモダンスタイル、という位置付けかと思っていました。この中では、分かりやすく美味しい 3 が好みで、何度かリピートしたり、友人に勧めていたのを覚えています。

現在のアンティノリのラインナップ

エノテカのウェブサイトを見てみると、現在はラインナップが増殖していて、その位置付けも当時の私の理解とは異なるようです。

サンタクリスティーナは、キャンティ・スペリオーレが追加されて、以下の2つに増えました。

A.  サンタクリスティーナ・ロッソ
B.  キャンティ・スペリオーレ サンタクリスティーナ

ヴィッラ・アンティノリは少し複雑です。2 はキャンティ・クラシコ・リゼルヴァを剥奪されて C になり、より高価な D が新しくラインナップに加わっているようです。しかも、国際品種をブレンドしたスーパータスカンであると謳っています。

C.  ヴィッラ・アンティノリ・ロッソ
D.  キャンティ・クラシコ・リゼルヴァ ヴィッラ・アンティノリ

いつの間にかラインナップが増えていたので、自分のために整理してみました。思い出のワインなので、また機会があれば、変化を意識して飲んでみたいと思います。

その他のキャンティ

この時期に飲んだ 他の有名どころのキャンティは、メリー二、リカゾリ、アマあたりです。有名でないものも適当に拾って飲んでいましたが、一度だけ大当たりを引いたことがあります。それが何だったのか、今となっては知る術がないのが残念なところです。

また、藁苞に入ったフィアスコ型のボトルのキャンティを興味本位で買ったことがあります。透明なボトルなのに、店内の明るい場所に長期間置かれていたらしく、盛大に劣化していました。当時は、このキャンティに限らず、保管状態が不適切なことによる劣化は決して珍しくありませんでした。

広大なワインの世界へ

軽めの赤ワインを拾っているうちにキャンティたどり着き、飲み比べをしているうちに、もはや軽めでも重めでも、何でも良くなっていました。この時期の興味対象は完全に赤ワインで、白ワインはほとんど飲まなくなりました。千円前後の価格帯の赤ワインを中心に、興味の赴くまま、いろいろな地域の赤ワインを飲んでいきました。

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