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掌編小説

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記事一覧

【小説】諾々

 4月も後半になってきたからか、あんなに寒くて嫌だった夜風が、むしろ気持ち良く感じてくる…

たま
1年前
2

【小説】2ヶ月前のチケット

 会場に近づくと、『チケット譲ってください』と書かれたプレートを掲げる人たちが増えてきた…

たま
1年前
4

【小説】病室

「もう別にいいのに、お見舞いなんて」  千歳さんが、ベッドの横に吊るしてあるリモコンを操…

たま
2年前
2

【小説】AIスピーカー

「サミー、おかえり」  リビングに小さな光が灯り、2秒ほどの間が空いてから無機質な声が部屋…

たま
2年前
1

【小説】ピノキオみたいな

「ごめん、待った?」  肩上の長さで揃えられた髪を揺らしながら、春香が僕の元へ小走りでや…

たま
2年前
8

【小説】よしゆき村

 そう遠くない昔、三陸のとある山麓に、よしゆき村と呼ばれる村があった。  正式な村名は他…

たま
2年前
2

【小説】28歳

 目が覚めると、見知らぬ部屋の見知らぬ布団に包まっていた。  起きあがろうとすると、「起きたよ」「まじ?」「なんか言ってる?」「てか一気に老けたよね」といった複数の声が聞こえる。  あたりを見渡すと、若い女性が20人ほど、私に好奇の目を向けていた。その女性達は年齢はバラバラで、一番小さい子はハイハイをしている幼児だった。  その奇妙な状況に一気に目が覚め、立ち上がり布団を剥ごうと少し捲ると、布団の中で自分が服を着ていないことに気付き、慌てて布団に包まる。  「え、裸?」「マ

【小説】黒い桜

 春になると僕のベッドからは、病院の入り口のところに咲いている桜を見ることができる。この…

たま
2年前
3

【小説】明晰夢

 傘に当たる雨音が、どんどん大きくなってくる。  耳を塞ぎたくなるほどに煩いけれど、傘と…

たま
2年前
2

【小説】直子

 学校へ向かう電車に乗りながら、スマートフォンを操作しLINEの友達リストを一通り確認する。…

たま
2年前
3

【小説】ポリメリアン

「あ、ポリメリアンだ。かわいー」  見慣れた道を歩きながら、ちぎれんばかりに尻尾を振るポ…

たま
2年前
6

【小説】役作り

 ギュシューッと大袈裟な音を立てながら、電車が止まる。  こんなご時世もあってか、この駅…

たま
2年前
2

【小説】第六感

 それは火曜日の朝。  いつもより早く目覚めてしまい、頭を目覚めさせるためにコーヒーを胃…

たま
2年前
5

【小説】傷心旅行?

 「希ちゃん、明日以降の業務の引き継ぎ資料送っておいたから、目通しておいてね」  隣の席に座る希が、驚いたような表情を見せる。  「あ、ひとみさん、明日お休みでしたっけ?」  「そ。明日から1週間休み」  「そうなんですねー。旅行ですか?」  「うん。北海道にね」  「へーいいですね。彼氏さんとですか?」  「や、1人。別れたんだよね、この前」  『彼氏』という、自分から発した言葉にふと懐かしさを感じる。  この前と答えたが、恋人であった俊介と別れたのは今から3ヶ月も前の