「勉強なんて何の役に立つの? 」に答える
高校の教科書に載っていた小説の場面を
時々思い出しては気にしていた。
“しむや”という少年か青年かが、老婆と一緒に
岩場のような足場の悪いところを渡っている。
老婆は足元がおぼつかず、しむやは焦りと苛立ちを感じている…
というようなシーン。
“しむや”という名前には無や耶だかが当てられていて、
今でこそ珍しくもない当て字だが、当時としては幻想的な印象だった。
抜粋だったので、どうしてそのような状況なのか、
その後どうなったのか分からないまま単元を終えてしまった。
今思うと、出典がわかるその時に原作を探して読めばよかったのだが、
当時はそこまでしようとは思わなかったのだ。
脳裏をよぎると、読書家の同級生や友人に聞いてみたりもしたが、
誰も覚えていない。
私の妄想 ?
にしては、あまりにも鮮明すぎるし…
たまたま同級生のSNSグループで、昔の教科書の話になり、
「覚えてない?」と聞いたら、
1人が当時の教科書をネットで探し出してくれ、
その索引から見当をつけて検索して、やっと辿り着けた!
島尾敏雄氏の「いなかぶり」だった。
https://gbvx257.blog.fc2.com/blog-entry-1822.html
“しむや”は”思無邪”。
あ〜、スッキリしたー❤︎
そもそも、やはり教科書に掲載されていた三好達治の「甃のうへ」
「をみなごしめやかにかたらひ歩み」
の一節を、ある友人が
「みんなでガハガハ笑いながら語らい歩んでいる」
とネタにしたのが発端。
「学校の勉強なんて、なんの役に立つの? 」
なんてうそぶいていたりしたけれど、
こうして忘れた頃にネタとなるではないか。
「をとめら賑やかに語ら」えてよかった、
と締めくくったことであるよ。
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