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フィガ郎の結婚 !?



ポスターの絵に惹かれてよく見ると、「フィガロの結婚」である。
作品としては好きで、曲はよく聴くし何度か観る機会があった。でも、テーマが女性の尊厳を踏みにじるものなので、手放しに観たいと思えない(詳しくは後述する)

よくよく見ると、登場人物の名前が

フィガ郎キャスト1

「スザン女」!?

「フィガ郎」!??

フィガ郎キャスト2

「走り男」!???

なんだこれは!?

演出は野田秀樹氏。

ますます気になる。

これはオペラなのか演劇なのか?

結局その両方だった。

オペラというと、やはり音楽がメインとなり、演技や演出はそれに続くもの、というイメージがあるので、その両方が十分堪能できる作品である。

時代設定は黒船来航の時代の日本。
西洋人と東洋人のキャストと、イタリア語と日本語が
うまい具合に融合している。
というか、この両方だからこそ面白くなる。

衣装や大道具のジャポニズムも、蝶々夫人のような(観たことないけど)
勘違いなデザインとは一線を画した絶妙なエキゾチックさ。

もう、「フィガロの結婚」はこの演出がデフォルトでいいのではないか?
出演者もこちらの方が楽しいのではないか? (大変な重労働だとは思う)

芝居好きの方やオペラ初挑戦の方にもおススメです。


冒頭、”女性の尊厳を踏みにじるテーマ”と書いたのは、元々見て見ないフリをしていたこのテーマ。多くは語りたくないが、モーツァルトを扱った映画
「プラハのモーツァルト」
が「フィガロの結婚」と横暴な男爵をリンクさせた内容で、なんとも後味の悪い作品で、ややPTSD気味である。


「フィガロの結婚」のオリジナルは明るく大団円に終わるが、(野田秀樹版は、ひとひねりある)実際には女性に拒否権がないのが当たり前だった時代を
忘れてはならない。


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