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<新>科学(医学、薬学、心理学)から見た経済:「できない理由を探すよりできる方法を考えろ」は正しいか?(2021年1月3日号)

(1)ビジネス研修や常識のウソ

①報連相(ほうれんそう)の誤解

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私はある企業で主に管理職を対象とした研修の講師の経験があります。

何で門外漢の私が講師なったのか?と思う人もいるでしょう。

ここには少し面白い経緯があったので、まず紹介しておきます。

私が最初、管理職研修を受講者として受けたのは当時、某社のシニアマネージャーをしている時でした。

その時の研修講師が(私にとっては)可笑しな事を講演し始めたのです。

部下に「報連相(報告・連絡・相談)をする」を徹底する教育を図る方法(要旨)でした。

以前に、報連相の生みの親の山種証券(現、SMBCフレンド証券株式会社、2014年他界)社長の山崎富治氏の著書で当時ベストセラーの「ほうれんそうが会社を強くする」(引用1)を読んでいた私はかなり違和感がありました。

そこで以下の山崎氏の真意を主張し、当時の研修講師を質問攻めにして、研修講師の面目を潰してしまう結果になり、講師の引きうけてがいなくなり、仕方なく自分が講師を行う羽目になってしまいました。

提唱者の山崎氏の著書では、管理職が「イヤな情報、喜ばしくないデータ」を遠ざけず、問題点を積極的に改善していくことで、生え抜きでない社員や末端社員であっても容易に報告・連絡・相談が行える風通しの良い職場環境をつくるための手段として報連相を勧めているのであって、部下の努力目標ではなかったのです。

ググればすぐに分りますが、未だにこの誤解を前提に教育や自己啓発を訴えっている情報は多いようで、これを批判する意見は少ないようです。(引用2~4)。

②「できない理由を探すよりできる方法を考えろ」は正論か?

これには2つの考え方があって

「出来る人は出来る方法を考えて、出来ない人はやらない理由を考る」(引用5)

という考え方と

「陸上未経験の人がウサイン・ボルトのようになるための努力とか、30代のおっさんがイチローの様になりたいとかはそもそも無駄」という考え方。即ち、100%無理だとは言えないまでも、出来る理由を探した過程(結果)がほぼほぼ報われないないので意味がないという意見もあります。

これらの意見に対して、研究者の中にも両者の意見があって、前者を支持して、結果的に大発見をした研究者もいれば、無理な理由を排除してトントンとテーマを変えていった中で成功した研究者もいます。

ここで少し論点が変わってしまうかもしれませんが、

出来る人は出来る方法を考えること=あらゆる可能性を考え努力するをする。

と置き換えて話をします。

よく知られているエジソンの名言に、「1%のひらめきと99%の努力」という言葉があります。この言葉は、天才といえども努力が必要な例えとして使われますが、実は誤解で、大変な努力をしてもひらめきがなければ、無駄な努力になるとエジソンはいいたかったのだといわれています。(引用6)

私は次の項の理由により、「努力不要論」を支持します。

(2)努力不要論

努力を糧としてきた人は努力が不要という説は、違和感があるとともに、どういう意味だろうという疑問を湧き起こさせます。

一方で、努力を人一倍しているのに思うような成果をあげられていない人にとっては救いになります。

なぜなら努力をしなければならないという強迫観念で疲弊し、ひどい場合は「うつ病」になる人もいるからです。

もちろん、努力のすべてを否定しているわけでありません。

ただ、日本人は日本社会の構造や欧米人との脳内ホルモンの分泌の違い、努力に対する考え方などから無理な、過剰な努力をしがちであるといわれます。

努力が重要と思いこむと、努力が手段ではなく目的になって必死に努力する人が現れます。

しかし、努力もし過ぎると、努力する自分に喜びを感じる努力の中毒患者になるといいます。

このような状態の場合、「自分はこれだけの正しいこと(努力)をしたんだから何をしても許される」という言い訳を脳が無意識にして、倫理的に悪いことをする傾向が高まるという研究があります。

心理学の法則に「エミール・クーエの法則」があります。

頑張ろうとするほど、その努力とは反対の結果になるという法則で、フランスの心理学者エミール・クーエが見つけた法則です。

1.意志力と想像力(イメージ)が相反すると想像力が例外なく勝つ。

2.意志の力で「努力すればするほど」想像力は強力となり、想像力の強さは意志力の2乗となる。

3.意志力と想像力が一致するときは、意志は負けるどころか倍化される。

1で書かれている法則は、多くの人が過去に経験したことがあると思います。

一般的に頑張って努力をする人は、「努力をしなければ目的・目標は達成できない」と強く考えています。その裏には努力しなかったらどうなるのだろうという心配(想像)が強く働いています。

努力を継続できるモチベーションとなりますが、過剰になるとこれがマイナスに働きます。

強迫観念で無駄な努力を過剰に継続したり、逆に可能性があるのに自分には能力がないのではという想像が働いて早々に努力を諦めたりする可能性が生じます。

これの回避法は

・目的を設定する

・戦略を立てる

・実行する

これで正しい努力を継続して行えます。

潜在意識に成功イメージを強く持つことで克服できて努力を継続できます。(引用6,7)


引用

1.「ほうれんそうが会社を強くする」


2.多分、報・連・相の意味は間違って伝えられてるよ(日系パワハラ)

3. ASCII.jp:あなたの「ほうれんそう」は間違っている

4.「ホウレンソウ」は、人の成長の芽を摘む(東洋経済オンライン・松井忠三・良品計画会長)


参考:無印良品は、仕組みが9割

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5.できない理由を探すよりできる方法を探してみよう【出来ないのか、やらないのか】 Dデザイング

6. 脳科学者中野信子の「努力不要論」と潜在意識【人生を好転させる潜在意識の活用法】(一般社団法人 国際メンタルイノベーション協会)

7.努力したら負け・努力不要論(中野信子)

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