手紙を書くのが好きになった話


この記事はdesigning plus 9 アドベントカレンダー企画の15日目の記事です。
こんにちは。DP920代のtamです。現在カナダのビクトリアというところで留学中の大学3年生です。昨年のアドベントカレンダー企画以来久々noteを開き、トロントの空港でぽちぽちと文章を綴っております。

本題: 手紙をかくということ

さて、今回のnoteで取り上げたいのは手紙の醍醐味(主に国際郵便)について。というのも私自身がカナダに来てから改めて「手紙を送る」という行為について楽しさや素敵なところを見出したからというのが大きい。実際カナダに来てから家族や友人と手紙のやりとりをすることが増えた。国際郵便も実は1通あたり2CADくらい(200円台)で出来てしまうため、意外とお手軽なのだ。今回は私のこのささやかな楽しみを皆様にシェアしたく、文章を書き進めよう。

醍醐味1: 素材選び

まずはここから。誰に送るのか決めてかかるもよし、漠然と何か送りたいなあとふんわり考えるもよし。イベントごとのたびに大切な人にカードを送る習慣があるカナダでは、観光地だけでなくドラッグストアやスーパー、小売店なんかにも膨大な種類・目的別のポストカードがずらり。デザインもピンからキリまで本当に多岐にわたる。この山のようなポストカードをわくわくしながらセレクトするのがまた面白い。単純にデザインが素敵で衝動買いすることもあるしこれは誰かに合いそうだな、とピンときたものを手に取ることもある。
メッセージを書く段階にもどんな色のどんなペンで書くかでモチベーションや文字のかたちも変わってくる。細身のペン、太いボールペン、はたまたカラーペン。内容を考えるのも大事なのはもちろんだが、何でどう書くのがいいのかあれこれ思案するのが楽しい。
いざ投函する段階になっても素材選びは続く。そう、切手選び。カナダだと最近はエリザベス女王の追悼切手が販売されているのを郵便局で見かけた。実際受け取ってみてわかることなのだが、貼ってある切手のイラストやデザイン、そこに書かれている外国語の文字、さらには消印まで国ごとにまるで違うので、切手周りを見るだけでも異国の地に思いを馳せることができるのだ。

醍醐味2: 宛名書き

これはなかなか大変な作業。インターネットなどで色々調べながら間違えないように書かねばならないのだが、ちょっとでも間違えたら届かないかもしれない、という不安が頭をよぎってしまう(特に留学初期)。とはいえ各国の住所表記システムの違いや郵便物の形態によって記入場所が違うことなど、初めて学ぶことが多く、なかなか探究心をくすぐられる。例えば日本だと郵便番号は全部数字だが、カナダだとアルファベットと数字が入り混じった物になっていたり。あるいは日本は地域(〇〇市〇〇など)中心の住所表記だが、カナダは道(Street, Road, Avenueなど)中心だったり(余談ですが京都もそうですね)。送る国が変わるごとに調べ直しになるが、その度新鮮な経験を味わわせていただいている。

醍醐味3: 時間差を楽しむ

当たり前だが、国際郵便は時間がかかる。しかも海外の郵便局は日本のものよりかなり大雑把(筆者所見)なところも多いので、予定日数より大幅にズレることが多い。特に最近はコロナの影響でその傾向はさらに顕著になっている。だがそこがまた楽しい。だいたい2、3週間はみておいた方がいいが、手紙のどこかに書かれている日付を便りに海をこえ、色んな手続きに揉まれてやってきたことをちょっと想像してみる。と同時に、その手紙が書かれたであろう数週間前に送り主がハガキを買ったり、ペンで記入したりしていたんだなあ、あれからどう変わったかなあなんて思ってみたり。
最近は色んな形態のSNSが浸透しているおかげで、世界中どこにいても時間差なく直ぐに情報を共有できる。けれどもそんな世の中だからこそ、数週間じっくり時間をかけて、色んな人の手に渡りながら海をこえ山を越えながら、伝えたい情報もあるのではないだろうか。逆に同時性と遅延性を平行させながら、相手からの手紙送ったよ!のメッセージをもらってから手紙が届くまでソワソワ楽しみに待つ時間もまた至福である。今まであまり見ることのなかったポストをちょくちょく開けては何かが入ってないか期待する生活も悪くない。

いまはクリスマスシーズン真っ只中で町中の郵便局で長蛇の列がしばしば出現する。さらに今はちょうど留学生が帰る時期でもあり、別れの手紙が行き交う季節だ。こういった節目の時も、そうでないときも、日常の中に誰かに手紙を送る時間を作ってみると新しい発見が楽しめたりするかもしれない。


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