斉藤 倫 著 『ポエトリー・ドッグス』
以前,ポリタスTVの『石井千湖の沈思読考 #8』(※この回は現在は有料会員でないと見れません)で石井千湖さんが紹介されていて知った本です。
先日用事があって梅田に行ったのですが,結局手持ち無沙汰で帰ることになってしまうということがありました。せっかく梅田まで出たのだから,何かして帰ろうと思った際に,本屋さんで本を買おうということを思い立ちました。ポリタスTVを毎日見ている(というか聞いている?)私としては,石井千湖さんが本を紹介するこの企画は開始当初から結構好きだったんですね。自分が普段手に取るような本ではまったくないものがおすすめされるので。
それで,石井千湖さんが紹介している本を買おうと思って紀伊國屋書店に行きました。そして,本棚を見ながら,自分の記憶と照らし合わせていたときに目に止まったのがこの本でした。この本が紹介されているのを聞いたときから,どんな本なのだろうとすごく気になっていて,書名や書影も含めて記憶に残っていました。
買って読んでみたら,すごく面白かったです。
犬がバーのマスター
つきだしが「詩」
というユニークな設定なのですが,これが絶妙にありそうな感じがしてしまうんですよね。描写の仕方がうまいのか,バーの様子が目に浮かぶというか。こんなバーがあったら行ってみたいなと。そんな物語の中で,酔っ払った主人公と一緒に様々な詩を読み,よくわからなかったり,よくわかったり,あるいは自分の感じたものと主人公の感じたものとのギャップや共通点を味わったりしながら,しだいにその主人公と自分を重ね合わせていくような,そんな気持ちになりました。
私は詩に関してはまったくの素人といいますか,ほとんど知りませんでした。そんな人でも,主人公と一緒だから気軽に詩を読める,そんな感覚もありました。くすっと笑える部分もありますし,マスターのうんちくも面白いです。ただ,帯に書いてある「詩といまを生きる本」という言葉からもわかるように,心の栄養になるような,そんな本でもありました。
おそらくですが,犬が好きな方や犬を飼っている方だとこの本を何倍も楽しめるんじゃないかなと思います。
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