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904,走馬灯

 かぼちゃの味噌汁をつくっている。途切れていた生活がまた始まった感じがしてうれしい。3日後や4日後くらいのごく近未来まで、生活が進んでいくことが保障されている感じと言おうか。かぼちゃが余っていて、豆腐も余っていて、明日までのグループ制作がある。毎日食堂に行って、誰かと話をする。見たい映画がある。その乗り切らねばならない時間が、1週間の単位で押し寄せてくる感覚。

 洗濯機が電子音を発した。洗われた服たちを袋に移動させるとき、けさずぶ濡れになったズボンのことを思い出した。足までカバーできる雨合羽をぼくはまだ持っていない。学校に着いたとき、合羽のそでを自転車のハンドルに通して、タオルで足を拭きながら教室に向かった。授業中はタオルを足の間に挟んでいた。

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