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#ほろ酔い文学
セキオ・イシカワの時代 溺れる者は藁をも掴む
* 本編は、上記エントリーの続編です。
入学した普通科の公立高校は旧制中学の名残がかなりあり、重要文化財のような木造校舎の上階が一年の教室となる。正門に面する車寄せのある中央エントランスはまるで「日本の一番長い日」に出てくるような荘厳な佇まいだった。
担任はその後「ヨシコ」と呼ばれることになった現国の中年女性教師で、家庭が本業で教師はパートタイムじゃないかと思ったくらいで、遅刻魔で頻繁に
セキオ・イシカワの時代
ケンヤは覚えているかな。
高一の夏休みの最後に部活の仲間でキャンプに行ったことを。
夏休みもあと二三日で終わるというタイミングで、弓道部のショウメイから電話があった。部活の仲間でキャンプへ行こうと。
このタイミングでキャンプとかおかしくない?と思ったけど、別に断わる理由もないし、夏休みの終わりに遊びに行ってはいけないという決まりもない。
夏休みの部活は締め括りの地獄イベント「道場千本雑巾が