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【キャラ語り】 ゼルダ姫を助けるってなんなんだ?

どうも、ゼルダ生活を満喫している、流-ながる-です。
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』、2023年5月12日の発売から1ヶ月以上が過ぎましたね。今のプレイ時間は80時間を超えたあたりで、前作の『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の続編であることをじわじわと実感しているところです。

まだまだクリアまでの道のりは長く、ハイラルの人々との出会いやコミュニケーションを楽しみ、前作からいたキャラクターたちと会えば「よっ! 久しぶり!」と喜び、今作から登場したキャラクターたちには興味津々に話しかけています。

広大なハイラルを冒険して探索する楽しみを前作の2017年以来楽しんでいるわけですが、続編である『ティアーズ オブ ザ キングダム』をプレイしていると前作を思い返すことも多くあります。

ゼルダ姫について考えたいと思った理由

それで今、振り返りたいのがゼルダ姫です。なんといってもシリーズ名は『ゼルダの伝説』、タイトルロールであり、再び登場したゼルダ姫は愛着があって大好きなキャラクターの1人です。しかしあまりじっくり彼女について考えたことがなく、せっかく続編で再登場をしてくれたわけですから、自分なりにゼルダ姫について整理してからクリアまでの道のりを歩みたいと考えました。

ゼルダ姫について考えるにあたって、以下の作品について話題に挙げています。いわゆるネタバレになりますので、気をつけてくださいね。

『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』
『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(DLCの内容も含む)

メインは『ブレス オブ ザ ワイルド』のゼルダ姫についてになります。

自分のこれぞゼルダ姫はトワイライトプリンセスのゼルダ姫である

すべてのゼルダ姫登場作品をプレイしたわけではないですが、これぞゼルダ姫と自分の中の基準となっているのは、『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』のゼルダ姫です。

大人であり国の統治者としての自負があり、その立ち姿はほうっとため息をつきそうになるほどに美しい。凛と聡明そうな瞳をしていて、自然と漂う気高さに見合う神の力を宿している。さらに誰かのために自らを捧げることに一切躊躇いもない、善良な人物であるという認識です。

ゼルダ姫は神の力を持つにふさわしい高尚な心を持った人物で、魔に対抗するのに絶対的な切り札となりますので、魔の者(悪役)からすれば大きな脅威となり、作品によっては真っ先に無効化を狙われるといった印象です。

それゆえに『トワイライトプリンセス』のゼルダ姫もあまり登場シーンは多くありません。要所で勇者・リンクをその神秘的な力で助けてくれます。その存在感は圧倒的で滅多に会えないからこその魅力がありますね。

このゼルダ姫はまさにレベル100のゼルダ姫です。すでに完成されていて、それがその神々しさの源といった感じです。

『ブレス オブ ザ ワイルド』のゼルダ姫に面食らった話

ここからブレワイのゼルダ姫について考えていきますが、初めの印象はそれまでのゼルダ姫とさほど変わりませんでした。

初めて得た情報が厄災ガノンを100年封印し続けているといったものだったからですね。それを初めて聞いた時、「やっぱゼルダ姫ハンパないな!!」と驚きました。魔の力を抑え込む力を持ってこそゼルダ姫なのですから当然のように受け入れました。

しかしこの後、メインチャレンジの【ウツシエの記憶】で本格的にゼルダ姫に出会います。なんとレベル1のゼルダ姫でした

「この人がゼルダ姫?」

どこか隙があって、不安な表情ばかり、自信なさげで危うげなゼルダ姫がそこにはいました。
意外性どころではない衝撃を受けて、それはもう興味が膨れ上がり、【ウツシエの記憶】チャレンジにのめりこみました。もっとゼルダ姫を知りたいと思ったのです。

ブレワイはプレイヤーがレベル1のゼルダ姫からレベル100のゼルダ姫になる過程を見る話ということなんだなと考えています。これまでのゼルダ姫は神のような存在でした。それが人になった。それと同時に今までのゼルダ姫がどうしてあの神のような力を扱えていたか、というアンサーを見せてくれたような気がしました。

さて、ここからは個人の解釈の話になります。ブレワイのゼルダ姫を”義務”というキーワードで自分なりに考えてみました。

人は義務に悩み、生きている

ゼルダ姫の悩み

【ウツシエの記憶】に見るゼルダ姫の悩みは代々の姫が持っていた神聖な力を得られないことでした。結果を見ると土壇場でゼルダ姫はその力を覚醒したのですが、そのきっかけは「リンクを助け"たい"」と強く本心から思ったからだと自分は思っています。

「〜したい」という本心がキーだと思ったのです。そうなるとゼルダ姫は「ハイラルの民を助け"たい"」と思わなかったのか、という感想も生まれることでしょうが、もう少し彼女のことを考えてみたいと思います。

ゼルダ姫はずっと義務で生きていた

ゼルダ姫の人生を振り返ります。ゼルダ姫がまだ子どもだった頃に厄災ガノンの復活が予言されます。この頃、すでに母という一番の師匠を亡くしていたゼルダ姫は力の覚醒について何も方法がわからない状態で「力を覚醒”しなければならない”」状態に置かれました。

そこからずっと彼女は「〜しなければならない」で生きています。

義務が何よりも先で心が伴わない葛藤というものは、プレイヤーの誰もが経験するであろうことかと思います。そうした人らしい悩みがあるがゆえに彼女に共感しやすいのだと思います。心が伴わない義務の例としてひとつ挙げられると思うのが【英傑の服】です。

DLCの話になりますが、英傑たちの衣装はゼルダ姫が仕立てたものです。英傑の任命の際に英傑たちには授けられました。この頃のゼルダ姫はリンクに対して強いコンプレックスを抱いている時期で、リンクの【英傑の服】に着目すると、リンクのことを大切に思い仕立てたとは言い難いものとなっています。ただ、王から仕立てるように言われ、やらないといけないから、仕立てたものです。

これについて対になっているなと思ったのは、ミファーが作り上げた、ゾーラの鎧です。これはゾーラの王女が将来婿になる男性に贈るというものです。そんな説明がなくとも、ミファーがリンクを想い、作り上げた愛情の品であることは強く実感するものとなっています。自分はその想いにじんときて長くゾーラの鎧を着てプレイしていました。

ミファーの作り上げたゾーラの鎧はまさしくリンクの身を案じる心を込められたものです。心が先にきています。ミファーの持つ神秘的な癒しの力も、彼女の強い思い、民を慈しむ心から生まれたものだと思われます。ミファーの父であるドレファン王はミファーの心を優先しているといった印象で、彼女の心を尊重してリンクへの想いを見守っていたなと思い出しました。ミファーには彼女の心を優先してくれる環境があった。

ゼルダ姫に強く影響している「〜しなければならない」は彼女の心を不自由にさせているように思えました。それは彼女の母が亡くなった時の様子からも考えさせられます。彼女が母が亡くなった葬儀の時も毅然として涙を見せずにいたという点です。
泣くというのは心を表わしていると思っています。心を見せる行動を彼女は抑制し、王国の姫として「毅然と”していなければならない”」という思い込みが強くあったのでは、と感じました。母を恋しく思い、泣くことは心を育むのに必要だったのかもなんて思います。

王国の姫だから「厄災を封じ込める力を”得なければならない”」という義務が先行する環境にずっといたと思わせられます。すべては予言がはじまりですね。

時には義務に押し潰されて逃げるように王宮の外へ行き、遺物の研究をしていました。それでも「〜しなければならない」という義務、人々からのプレッシャーから逃げてはいけないと、真面目に向き合っていたように感じます。

【ウツシエの記憶】はゼルダ姫が「〜しなければならない」から「〜したい」に至るまでのストーリーでもあるということですね。心から「〜したい」という強い思いが神秘的な力の源であったというふうに自分は解釈しました。

歴代のゼルダ姫もきっと心からハイラルを守りたいと思っていたのでしょう。

心がやっと追いついたゼルダ姫

人は義務を心から「〜したい」と思うことができるだろうか、それはなかなかに難しいことと思います。「〜しなくちゃ」で生きている面が強いなとゼルダ姫から考えさせられました。

ゼルダ姫は「〜しなければならない」という言葉を口癖に悩み続けていましたが、最後の最後に「〜したい」という本心を見せるようになり、ラストシーンでは”何がしたいのか”を明確にしてくれました。

最新作のゼルダ姫はそのラストで語ってくれた”したいこと”を心の赴くままに実行していて、それをゲームの中で知ることもありました。『ティアーズ オブ ザ キングダム』をこれからもプレイする中で、ひとつの軸として【彼女は何をしたいのか】という点を頭の片隅において、ゼルダ姫のしたいことの助けになりたいと思うようになりましたね。

はじめに【ウツシエの記憶】で出会ったゼルダ姫はレベル1でした。そして完結時には多くを経験し学びレベル100になっていた。そうなったことで、これまでのゼルダ姫に近くなったのかもしれません。ゼルダ姫がゼルダ姫となるまでの経過を見ることをができたというのが、愛着に繋がっているような気がします。

そんなゼルダ姫までの道のりはまだまだ続きます。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。


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