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【音楽雑記#66】神聖かまってちゃん

「自分が志や信念を持って行動すると、道が拓けてきて、同じような志を持つ人が集まってくる」というのはよく聞いたもので、現実もそうなっているから面白い。週末、10年来の旧友と集まってアートと酒を嗜んだが、当時の気持ちを思い出しつつ、今のこと、そして未来のことを喧々諤々話すことが出来た。今風にいうとエモい夜だった、というところだろうか。

そういえば、とあるベンチャー企業の社長に「どうやって、こんな優秀な仲間を創業期に集めんだんですか!?」と伺ったことがあったが「加藤さん、そんなのこの指止まれ、に決まってるじゃないですか」と言われ「それで集まるのか・・・?」とその時は腹落ちしなかったが、昨日の飲み会を経て確信に変わった。

同じ会社に同じタイミングで就職し、部署も経験も上司も全て違ったはずなのに、同じようなタイミングで同じような違和感を抱えて、自分なりの仮説を持ち新天地に飛び込み、右往左往しながらもバリューを出し、世の中に貢献している。でも、前職に恨みつらみや、カルチャー、待遇不満で辞めたわけではない。なんなら、今でも愛社精神と、ちょっと人間らしい「みんなどうしているのかな?」という思いやりの感情を持ちながら、新しい環境で前に進んでいる。それはやっぱり「志」を同じくして進んでいきたい、というシンプルな感情に収斂することが多いのかなと思った。

いずれにしても、同じ地元出身だったり、同じ学校出身とは、また違った感覚を共有出来るコミュニティは非常に珍しく、大事にしていきたいものだ。

▼思い出

時はそんな愉快な良い友に出会えた2011年。ちょうど10年前だ。就職活動も終え、入社に向けた準備と、卒業に向けた準備と、学生でしか出来ない経験を積むのに必死だった記憶しかないが、ちょっとした閉塞感を抱えていた。「これから40年よろしくな!」なんて言う同僚もいて、いや流石にそんなわけ無いやろ今の時代・・・と思いつつも、つまり自分でなにか行動を取らない限り、ずっとその船に乗り続け旅路を続けるわけだ。そんな人生を自分は望んでいるのだろうか?いくら自己分析のようなもので内省を深めたところで、そんな問いの答えは出せるわけもなく、ただ、とりあえず何かを変えたかったのだ。

そんなときに神聖かまってちゃんに出会った。突出した演奏技術があるわけでもなく、ビジュアルを武器にできるわけでもない。エモーショナルな尖った演出でファンを惹き付け、楽曲をインターネットで無料で全て公開している。MVも手作りで、今で言うYoutuberだが、当時は非常に新しかった。まだ、ちょっと地上波のほうが力があり、ネットはサブカル感が漂っていたが、サブカル界隈ではヒーロー扱いを受けていたと思う。なんとなく、そのスタンスに惹かれ、のめり込んでいった。

▼今、ライブで1番聞きたい曲

「配属希望はあるか?」そんな人事からのヒアリングの場で、特に深くも考えず「大阪に行きたいです」と口走っていたのは、この曲の影響があった。大きな夢も志もない。ただ、自分を違った環境に置いてみたかった。でも、いきなり海外に行けるわけでもないし、そもそも英語が話せない。けど、このままの視点では小さく終わってしまう。それでもいいんだけど、良くない気もする。ちょうど良い選択が当時の自分にとっては「西へ行くこと」だった。

今思い返すと、なんとも適当な進路選択だったが、サイコロで決めるより、楽曲で決めたほうが自分らしくて、納得感がある。

昨日、友人も帰りがけに「とにかく、自分の意志で選んでるから、辛いことも多いけど、納得感しか無い」と言っていた。これからも、自分の気持ちには正直に過ごしていきたいな。

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