スタンダードはどこにある?
どうもー
新シーズン開幕ッ!!
…はまだ2週間先ですが、いよいよ京都ハンナリーズの16回目の開幕が迫ってきました!
そしてこのタイミングで、第100回天皇杯の2次ラウンドが小松会場で開催されました。
そう、今シーズンは異例でした。公開されたプレシーズンはここまでなし(まあこれはいつもですが)。唯一の機会として待ちに待っていた公開練習が台風のせいで中止になり、10月5日の開幕戦がもう目の前だというのに、新生・京都ハンナリーズ、誰もが見たことねぇ…!という異常事態。
みんな心待ちにしていたのは、やはり新加入の選手たちがなんぼのもんや、というところ。
昨シーズンは、またも苦渋を舐めた1年になりました。やはりテコ入れとして選手の入れ替わりがあり、去る選手がいる一方で、京都を選んで来てくれる選手もいます。
そんな選手たちを見る機会が、ようやくこの小松の地でやってきたということでした。
まあ行けるよね?小松。そんなに遠くないし金沢とかと違って行ったこともないし!ということでテンション上がります!
そして天皇杯といえば、カテゴリの違う色んなチームがひとつの会場で朝から晩まで見られるというバスケオタク垂涎のイベント!しかも1枚のチケットですべての試合が見られます!
これは行くしかない!とわくわくに支配された石川県小松市でのレポートです!
トーナメント初日の対戦相手は、金沢武士団(サムライズ)。今回小松会場の主催チームであり、つまりホームチーム。B3チームとはいえハンナリーズは天皇杯ではありますが「アウェイ」での戦いとなります。
公式戦で戦うのは、両チームがbjリーグに所属していた2015年以来でしょうか。知る人ぞ知る、サムライズ創設の初めての公式戦の対戦相手は京都ハンナリーズだったんですね。なので自分も当時金沢に乗り込んだ記憶があります。金沢には他にもインターハイを見に来たこともある好きな場所のひとつ。
能登半島を中心に被害のあった震災で、サムライズは試合、練習も困難になり、チーム存続も不安になるような状態でしたが、こちらもまた新たな陣容でシーズンを迎えられるようで、安心しました
初日の結果は、91-69で勝利!!サムライズの高確率なスリーポイントに手を焼きましたが、B1のプライドでしっかり勝ち切りました。
続く今日の名古屋ドルフィンズ戦は、69-93で昨シーズン西地区首位のチームに攻守で圧倒され敗れました。
いずれのゲームも「新しい」ハンナリーズであり、「これから」の印象を残すものでした。
やはり特筆すべきは、新加入選手。
金沢戦で、その実力の片鱗を見せたのは、秋田から移籍の古川孝敏選手。スリー3/5、2ポイントが4/5の17得点、多彩なオフェンススキルを見せつけました。
ベテランとして加入したとはいえ若手に負けるつもりはないとの宣言通り、しっかり数字を残しました。また安定した数字のみならず、その内容、状況に応じたシュートセレクション、オープンスリーの確実性、スリーだけでないあらゆるエリアでのシュート力と元日本代表の肩書きは伊達ではない。
また愛称のフルゴリ、ゴリラよろしく、その声のデカさでコート内ではしっかり指示を出し、ベンチからでもコートのメンバーにハドルを促したり、ベテランらしい存在感も示しました。ゴリラなのにシュートフォームも美しい…!
一方で翌日の名古屋戦は2得点と不発。まだチームメイトが彼にどういうプレーをさせたらいいのか探っているようなところもあり、今後に期待したいところです。
その名古屋戦で真価を見せたのは川嶋勇人選手。
かつてのスティール王の実力は本物。見ている人に、4スティールのスタッツ以上のインパクトを残しました。誰も予想しないタイミングでの飛び出し、相手選手の隙を鋭く突くその「読み」は、先日のトークショーでも水野幹太選手が語っていたところ。スティールからフリーランニングで得点し、苦しい時間帯のチームを救いました。
オフェンス面でもまたクロックが残り少ないタイミングで思い切りの良いシュートを決めるなど、昨シーズンの課題であったオフェンスの停滞を解決してくれる予感をさせました。
そして両日で期待通りの活躍をしたのがアンジェロ・カロイアロ選手。1日目は21得点7リバウンド7アシスト、2日目は13得点3リバウンド3アシストとオールラウンドな働き。何より目を引くのはプレーのクレバーさ。自分で行くのか味方を使うのか、活かすのか、その見極めが素晴らしく、攻守でチーム力を底上げしてくれています。
新加入とは思えないコンビネーションプレーも早くも作れておりさらなるケミストリーが楽しみ。
他の新加入選手に言及すると、緊急加入であることを考えるとまずまずかな?というジョーダン・ヒース選手のリムプロテクターの片鱗はまだ見せていないという印象。こちらもこれから。
特別指定選手の岡部雅大(まさひろ)選手はアップで見せるダンクはインパクト大!
金沢戦では早速プレータイムもあり公式戦デビューしました。先日のトークショーでは人前で話すのは得意ではなく緊張していたと初々しいところを見せていましたが、短い時間ながらプレーは堂々、選手入場の先頭で誰もついて来ないやつ〜、の新人イジリも慣れっこになってきた様子からもメンタルは大器の予感。ゴール裏から「まさひろ〜!」「シュート打て〜!」と保護者を量産していましたね。
新加入選手が存在感を示す一方で、昨シーズンからの既存選手はCJを除くといまいち持ち味を出せなかったかも。
(CJは名古屋戦21得点、14リバウンド、2ブロックとさすが大黒柱の活躍。そらベンチでのお茶会も盛り上がるわ)
核になるのは引き続き岡田。スコアするのも他の選手を活かすのも彼からはじまる。やはりチームの命運を握っていることは変わりません。
昨シーズンPGを任されることで個人としてもさらなく飛躍を目指しましたがその道はまだ途上。エースのプライドに相手チームから最大の警戒をぶつけられるとオフェンスに手詰まりが生じるのが課題ではありましたが、個人的には多才多芸の川嶋がサポートすることで安定感が増した印象があります。どちらもハンドラーになることでドルフィンズクラスのプレッシャーディフェンスを受けても持ち堪えることができたとわかったことは収穫でした。
個人的には岡田、川嶋のツーガードをベースにするのがいいのかなと思います。
そんな内容でした!天皇杯は配信もあったので同意いただける方もいらっしゃるでしょうか?
現場からは以上です、と言いたいところですが、「新加入」というところでは、今シーズンは選手以上にベンチスタッフの入れ替わりがありました。見慣れない方が試合前の準備を行っており、あ、そういえば…となってホームページで名前を改めて調べるなどしてました。
みなさんプロらしくきびきびと仕事をされてましたが、そこはやはりどんな仕事も「人対人」。今までと比べると選手とのコミュニケーションもあまりないような、少しぎこちないような印象もありました。
開幕すればいつものアリーナ、いつものホームゲーム、選手たちは予習済み、となるでしょうが、そんな選手たちが帰ってくるベンチに、ブースターはもしかしたらまだ馴染んでない感じを受けるかもしれません。
そうであれば、ブースターも「共に」良いホームを作っていかないといけないですね。
まだまだハンナリーズはこれから。
(スタッフさんも要チェック!)
ハンナリーズの話はこれくらいでこのブログの主題である、旅日記に話を移しましょう!あらためて、今回の天皇杯の開催地は小松。石川県。北陸地方。
北陸地方に行くためには、「サンダーバード」ですね!始発に乗り込みました!
なぜなら第1試合は10時から開始するから。学生バスケかよ。でもそれもまた楽しからずや。
北陸新幹線で不便になったよねーとかいうのも行かなきゃわからない。いろいろ調べてチケットレスなら簡単乗り換え。スマートEXは使えない、敦賀駅の乗り換え8分?とか、初めては案外楽しいもの。ちょっとしたトラブルも旅のスパイスなんですよ、知ってました?
無事乗車し、ゆっくりとスマホを開いて見ると、義経アリーナが冷房がないことを初めて知る…。いやそれもう非常事態やないか。装備が甘いか?にわかに辛い旅になる気がしてきました(笑)
あっという間に小松に到着。新幹線を使うと京都から2時間は早い。
事前にリサーチしていたレンタサイクルも駆使して雨の降らないうちに義経アリーナへ。最近レンタサイクルが観光地を中心に普及してきてます。アプリを入れておけば、バスがなく徒歩が難しいような場所(駅から遠い体育館とか)に行くには便利ですよ!
電動アシスト自転車をかっ飛ばして到着。
いや今年の異常な暑さが残るタイミングでの冷房なし体育館はハードでしたね。2日目は上手く気温が下がってよかったんですが…
第1試合に和歌山ワンリーズとアースフレンズ東京Z、かき氷をはさんで、第2試合は大阪エヴェッサとアルティーリ千葉、そして次の金沢と京都の試合が終わる頃にはかなり暑さで体力を奪われて第4試合は断念。翌日は2試合を見て計5試合で今年の天皇杯詰め込みバスケ観戦は終了しました。
あ…バスケばかり見てたので観光してなかった…
お昼のラーメンの写真でもどうぞ。
あらためて天皇杯を見て思うのは、勝ってトーナメントの上を目指すというのは当然の前提として、各チームがそれぞれ「基準」を設けているということ。例えばB2アルティーリ千葉は昨シーズンB1への昇格を逃しており、B1チームに勝つということに高いモチベーションがある。なので自ずと目標が定まり、チームもまとまります。
名古屋ドルフィンズは、目標は天皇杯優勝でBリーグの複数タイトル獲得を目指しており、このラウンドでは確実に勝ち上がることを重視しているはず。クラブチーム、実業団、大学、それぞれで違っていて当然で、明確に目標を定める場合もあれば、自然に決まってくる場合もある。
翻って京都ハンナリーズは、「共に、登る。」をスローガンにチームの成長を目指してきたけど、これはどこに基準を持ってくるかで変わってくると思います。西地区最下位という昨シーズンの順位を基準にすればそれ以上の何らかの目標設定になるし、バスケットの高いレベル(水準)に基準を持ってくることでそれをクリアすることを目指すことになるのかもしれない。
天皇杯2試合のファンの評価や満足度もこの基準をどこに置いているかで変わるのかもと思います。昨シーズンをベースにするならこれでよいとなるかもしれないし、地区優勝やCS出場を明確に目標にするなら物足りないということになる。
ここではどちらが良いとかではなく、基準の置きどころを明確にしておくのは、結構大切なんじゃないかと思ったところです。
基準(スタンダード)がどこにあるのか?は、他のことでも同じでかな、と感じました。
自分は天皇杯は、場所とか日程とか環境とかいい加減で雑で無茶苦茶なものと思っていて、とにかく「基準」が低いんですが、年々あらゆる面でレベルが上がってきているBリーグに慣れてしまうと、基準が高く、天皇杯の運営がとんでもないものに見えてしまう。
いや、夏に冷房のない体育館で試合なんて選手側からしてもとんでもないしダメなんですが、そういうもんだと思っていればダメージが少ないというか、たとえば日頃より過酷な環境でプレーしている下のカテゴリの選手は慣れていたりもするわけで。
繰り返しますが基準が高いのが良くて低いのがダメだというのではなく、物事を見るのにどこに基準を置いているのかはっきりしておくことが大事だということ。その上で基準を変える(高くする、低くする)こともあわせて必要です。
震災の影響で体育館が確保できなかった、という理由があれば仕方ないな、となるはずだし、金沢武士団が災害復興を重要視して戦っていると知ったら対戦もまた違った意味になるはず。
サムライズは復興特別試合を先日行っていましたが、今回の天皇杯小松会場はそういう雰囲気はあまりなく、冷房云々より、その点で私は少しがっかりしました。ちょうど試合日に能登北部が豪雨災害に見舞われ大変なことになっていたことにも心を痛めるところです。
さて、ただ長いだけでまとまらない当ブログの悪癖がでてしまいましたね!スタンダードを引き上げて、チームと共に、今シーズンも登りたいと思います。
それではまた!
(あっ、会場にライゾウいなかったのも残念だったなー)
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