見出し画像

三日坊主のススメ

日記を書いたことがない
いや、正確にはあるのだけれど、いずれ三日坊主で終わってしまう
与えられた仕事は緻密にこなすし、自分で決めた課題はやり遂げるし、人より忍耐強い僕ではあるが、義務感に覆われたマメな仕事が苦手である

なので師について学ぶとき、課題を与えられることが苦手で、いつも次は何をやらなきゃいけないのかとビクビクしていた

そんなある時、恩師がこう宣った

『三日坊主をどんどんおやりなさい
何にでも手を出して、3日頑張ってみて、楽しくなきゃすぐやめていいんですよ
そのうちに必ず得るものがありますから
そういうものに出会うまで、好奇心を大事にして、三日坊主をおやりなさい』

気の向かないことは1日たりとて続きそうにない僕に関しては論外であるが、それを聞いてなんだかとても楽しくなった
今まで与えられたことを完遂したり、深く追求しなければいけないと感じていたことが、全て興味の対象として捉えられた

全てのことが、『やってみたら楽しいかも』と思えて、実際子供の時には引っ込み事案だった僕も、人前で話すことが嫌でなくなった

結婚も、あれこれ考えずさっと決めることができて、しかもその恩師に仲人をやってもらった

たった一つの言葉で私の人生を豊かにしてくれた恩師には、70を超えてなお漫画や語学に手を出していて驚かされるばかりだった
そういう意味では大きな親しみのある哲学者の背中をずっと後ろから見てきた

そんな恩師に遥かに及ばないが、せめて僕は子供に人生の楽しさを伝えることができているだろうか

そう考えると、まだまだ子供たちのためにやり残したことに気づいたり世の中への興味が広がってきて、今日も楽しい人生を送らせてもらっているのだった

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?