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届けるのはモノではなく

昨今のコロナの情勢によって物資の輸送や人の移動というのは困難を極めている。

結局、物が輸送される際にも必ず人の手がかかるので、

人から人へ感染するウィルスというのは物資輸送にも影響を与える。

人のみならず「物資」の移動も難しい時代なんだ。

だから、僕が行っているシューズ支援活動は例年より難しい。

カンボジアのサッカーチームへ

ウガンダのサッカーチームへ

ラオス、自身の所属チームへ

ラオスは遠征にきたモンゴル代表へ

事前に計画をして、交渉をして輸送経路を確保する必要がある。

日本国内からの輸送時間なども考慮し、輸送費用を抑えることには何より注力している。

結局、物を届けてもその輸送費が高いならば

そのお金を現地に送金して現地調達するべきだと僕は思うからだ。

先進国からすると物資支援かもしれないけれど、本質を考えると矛盾していると思う。

例えばボールを10個送って欲しいと言われた。

輸送費は6万円だった。

その送り先はカンボジアだったけれど、安価なボールであれば2,000円で購入可能だ。

するとボールは30個届く。

一人でも多くの子どもたちにボールを届けることができるのだけれど、前者の選択をされているところも少なくない。

そこにはその人の想いや考えがあるのだろうから否定はしないけれど、その想いがあるならばよりよくする策があるのではないかと僕は思っている。

僕がこうした活動を続けていきたいと思ったのはモンゴル女子代表チームに携わったことが大きい。

発展途上国であり、女子スポーツということで2つの困難がかけ合わさった状況にも関わらず

彼女たちは必死に、真摯にトレーニングに取り組んでいた。

僕はその姿に感銘を受けた。

その努力が実るか実らないかというのが環境によって左右されてしまうのも理解をした。

だから、ほんの少しでもその環境を改善させることができないだろうかと思った。

人工芝の硬いピッチで適していないシューズを履いてトレーニングを続けていたことによって膝を壊している選手が多かった。

だから僕は人工芝に適したシューズの支援をした。

頑張ってもすべてが報われるわけではない。

だけど、頑張っている人が報われてほしい。
僕にできることといえばその努力を正しい努力へと導くことだった。

適したシューズでとことん夢中になっているサッカーに励んでもらうことだ。

こんな活動をしたときにモンゴル国内ではこう言われた。

「なんで男子じゃなくて、女子に支援するんだ。男子にした方がいいだろう。」

頑張っている人を応援するのに性別も国籍も関係ない。

そうじゃないだろうか?

そして目の前で励んでいる彼女たちはより難しい限られた環境の中でも励んでいる。

しかも、支援などが届きにくい。

それから毎年のように自分にできる範囲でシューズを購入して届けたりもした。

頑張れる時間も限られている。

いま頑張っていることはいま頑張ってほしい。

だからいまを応援したい。

そして、それを未来につなげて、未来をさらに良くしていくのはその国に住む彼ら、彼女たちだ。

僕ではない。

「何で女子へ支援するんだ?」と言っていた男子代表選手たちも

努力によってワールドカップアジア2次予選で日本代表と対戦するまで成長した。

だから、僕は彼らに支援をした。
応援を募って、仲間を集めて支援を実現した。

僕にとって、国籍も性別も関係ない。

頑張っている人が報われてほしい。
全てが報われるわけではないからこそ、応援をしたい。

その努力が身を結ぶ成功体験が、途上国の未来を変えると思う。

体験が言葉となり、それが思考を変える。

自らの意思で変化を望まなければ何も変わらない。

だけど、それを望み、行動に移せば何かが起こると信じている。

そんなイノベーションのきっかけ、ほんの少しかもしれないけれど自分が力になれることがあるのならばそれは僕の幸せだ。

そんなモンゴル男子代表を率いていたのが、今年からラオス代表監督へと就任したマイケルさんだ。

運命を感じずにはいられない。

「おい、タクヤ。何かここで成し遂げろ。」

そう言われているように感じるんだ。


そして、僕の活動は物を届けているのだけれど、そこには想いが乗っかっている。

だから僕は想いを届けていると思っているし、そうでなければならないと思っている。

どんな想いかというと、

「ここから先はお前の手で、足で、未来を切り開いていってほしい。これは、その応援だ。」

支援のゴールは支援をしなくて良くなること。

彼らの努力を成功へと近づけるためのブーストだ!

そして、今日ようやくモンゴルの女子選手の元に僕が送ったシューズが届いたようだ。

いまはそんな彼女たちの喜ぶ姿を楽しみに待っているところだ。

そのシューズを僕の手からモンゴルへと運んでくれたのは、「女子じゃなくて男子に支援をするべきだ」と言っていた男子選手たちだ。

小さなことかもしれない。

でも、僕はそれが嬉しかったんだ。

いつも僕の活動を応援し、共に取り組んでくださっているすべての方々に感謝です。

ありがとうございます。

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