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「ラファエル・ローゼンダール:ジェネロシティ 寛容さの美学」

18.04.30(Mon.)
「ラファエル・ローゼンダール:ジェネロシティ 寛容さの美学」
@十和田市現代美術館

インターネット空間を発想と表現の場とするアーティストであるラファエル・ローゼンダール。
その誰もがアクセスでき、楽しむことができるという寛容性generosityに主眼を置いていることが良くわかる作品たち。
没入的なインスタレーションや体験型の作品は、分かりやすく入り込みやすい一方で、どこか懐かしさがある。

良かったのは<Abstract Browsing>という作品。Google Chromeの拡張機能を作成し、ウェブサイトをビジュアル化、それをタペストリーにしたもの。
普段慣れ親しんだウェブページが、カラフルな、しかし全く異なる表現に変わりつつも、どことなく元々の構造が見えてくるのが面白い。
そしてファミコンがバグった時のイメージに似ている笑

※添付画像はFacebookページを自分でやってみたやつ
https://chrome.google.com/…/nmkbjeagaobhphiipgigbjhligebkfcg

一番はこの展覧会のタイトルである、ジェネロシティという表現。
建築・都市系の人だと、リチャード・フロリダの『クリエイティブ資本論』に出てくる<寛容性Tolerance>が馴染み深いと思いますが、寛容性にはGenerosityという別の表現があるというのを初めて知れた。
調べてみると、Toleranceには(我慢して)寛容するというニュアンスがあって、一方でGenerosityは本質的な寛容さである。個人的にはGenerosityの方が徳が高いからこれからはその方向性でいきたい。

彼の思想が、Generosityという言葉に端的に示されていると分かる展覧会でした。
ちなみに彼のウェブサイトで展覧会にある作品が遊べます。
https://www.newrafael.com/


1991年神奈川県横浜市生まれ.建築家.ウミネコアーキ代表/ wataridori./つばめ舎建築設計パートナー/SIT赤堀忍研卒業→SIT西沢大良研修了