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作曲家・音楽関連の名前のバラ3-5

(冒頭画像 'Sweet Juliet' Wikimedia Commons)

近代音楽 5

セルゲイ・ラフマニノフ
Sergei Rachmaninoff

1873 - 1943 ロシア 〜 アメリカ

(表記はRachmaninovとも)

作風は20世紀初頭にしては保守的で、後期ロマン派と言える。幅広い手を要する重厚なピアノ作品のほか、交響曲などの管弦楽作品も多く作曲した。ロシア革命後はロシアを離れてヨーロッパ周遊ののちアメリカを拠点とし、コンサートピアニストとして活動したが作曲活動は衰退した。

Rachmaninoff - Symphony No. 2
ラフマニノフ - 交響曲第2番

Rachmaninoff - Piano Concerto No. 2
ラフマニノフ - ピアノ協奏曲第2番

Rachmaninoff - Rhapsody on a Theme of Paganini
ラフマニノフ - パガニーニの主題による狂詩曲

パガニーニの「カプリース第24番」に基づく作品。
16:25 - 第18変奏 が特に有名。原曲のメロディを反行形で上下逆さまにしたメロディをもとに、特に甘美な曲想に仕上げている。

Rachmaninoff - Prelude Op. 3-2 ("The Bells")
ラフマニノフ - プレリュード(前奏曲)作品3-2 (『鐘』)

Rachmaninoff - Vocalise
ラフマニノフ - ヴォカリーズ

歌詞はなく、アー音のみで歌う。

Rosa 'M-Rachmaninov'
バラ 'M-ラフマニノフ'

(画像 はなどんや)

作出:有限会社メルヘンローズ(日本)大分県
作出年:不明
咲き方:スプレー咲き
色:ピンク
香り:強香(ダマスク)

切り花用。

セルゲイ・プロコフィエフ
Sergei Prokofiev

1891 - 1953 ロシア帝国〜ソビエト連邦(現ロシア)
ロシア革命の直後アメリカに亡命するが、世界恐慌により西側諸国での演奏機会が減り、心変わりしてソ連に帰国し、体制に迎合した音楽を作曲した。

Prokofiev - Symphony No. 1 "Classic Symphony"
プロコフィエフ - 交響曲第1番『古典交響曲』

古典的な形式を装いつつ、ところどころ大胆な書法によって書かれている。作曲家自身は「もしハイドンが20世紀に生きていたらこのような交響曲を書いただろう」とコメントしている。

Prokofiev - Symphony No. 5
プロコフィエフ - 交響曲第5番

ナチス・ドイツのソ連侵攻に際して祖国愛を込めて作曲した。

Prokofiev - Piano Sonata No. 6 (War Sonata No 1)
プロコフィエフ - ピアノソナタ 第6番(戦争ソナタ 第1番)

Prokofiev - Piano Concerto No. 3
プロコフィエフ - ピアノ協奏曲第3番

Prokofiev - Romeo and Juliet
プロコフィエフ - ロミオとジュリエット

シェイクスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」に基づく音楽作品は数多いが、その中で最も上演機会の多いのがプロコフィエフのバレエ音楽である。
26:08 - 『タイボルトの死』 は、抜粋してもよく演奏される。
なお、シェイクスピアはイギリス人で英語表記のため「ロミオとジュリエット Romeo and Juliet」と読まれるが、物語の舞台はヴェローナ公国(現イタリア)のため、イタリア語で「ロメオとジュリエッタ Romeo e Giulietta」と表記される場合も少なからずありうる。フランス語のジュリエット Juliette 表記もある。

Rosa 'Romeo' (Easlea)
バラ 'ロメオ' (イースレア作出)

(画像 HelpMeFind)

作出:Walter Easlea (イギリス)
作出年:1919年
系統:クライミング (HelpMeFind), ハイブリッドウィクラナ (roses.shoutwiki)
色:ダークレッド
花弁:スモールダブル(17-25枚)

Rosa 'Romeo' (McGredy)
バラ 'ロメオ' (マクグレディ作出)

(画像 HelpMeFind)

作出:Samuel Darragh McGredy IV (ニュージーランド)
作出年:1984年
登録名:MACtual
系統:ハイブリッドティー
色:ダークレッド
香り:中香
花弁:40枚

Rosa 'Romeo' (Barni)
バラ 'ロメオ' (バルニ作出)

(画像 HelpMeFind)

作出:Vittorio Barni (イタリア)
作出年:2000年
系統:フロリバンダ

Rosa 'Juliet' (Easlea)
バラ 'ジュリエット' (イースレア作出)

(画像 HelpMeFind)

作出: Walter Easlea(イギリス)
作出年:1910年
系統:ハイブリッドパーペチュアル


Rosa 'Juliet' (Austin)
バラ 'ジュリエット' (オースチン作出)

(画像 HelpMeFind)

作出:David Austin (イギリス)
作出年:1999年
登録名:AUSjameson
系統:シュラブ
色:アプリコット
香り:微香(ティー)
花弁:90-92枚
花形:ラージ
咲き方:カップ咲き
Wedding and Event Roses に分類される。切り花用。

Rosa 'Juliette' (Miellez)
バラ 'ジュリエット' (ミエレス作出)

(画像 HelpMeFind)

作出: Louis Xavier Joseph Miellez(フランス)
作出年:1828年以前
系統:ガリカ/プロヴァン
色:カーマインピンク
香り:微香

Rosa 'Juliette' (Vibert)
バラ 'ジュリエット' (ヴィベール作出)

(画像 HelpMeFind)

作出:Jean-Pierre Vibert II (フランス)
作出年:2001年
系統:ハイブリッドウィクラナ
色:ピンクとホワイトのストライプ
香り:微香

Rosa 'Giulietta'
バラ 'ジュリエッタ'

(画像 はなどんや)

作出: Bartolomeo Embriaco (イタリア)
作出年:2015年
系統:ミニアチュア
日本での入手難易度:2(普通)

Rosa 'Sweet Juliet'
バラ 'スイート ジュリエット'

(画像 David Austin)

作出:David Austin (イギリス)
作出年:1989年
系統:シュラブ
色:アプリコット
香り:強香
バラ大図鑑 p. 387

ドミトリィ・ショスタコーヴィチ
Dmitrii Shostakovich

1906 - 1975 ロシア帝国 〜 ソビエト連邦(現ロシア)

ソビエト連邦の産んだ輝かしい音楽家として、政府の手厚いバックアップを受けてピアノ演奏と作曲活動に邁進し、ソ連代表ピアニストとしてショパンコンクール第1回にも出場した。交響曲第1番ではジャズの影響を受け、第2番、第3番では共産主義体制を絶賛するが、オペラ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」で反道徳・反体制的な姿勢に目をつけられ、ジダーノフ批判で冷遇を受ける。そのため交響曲第4番を撤回し(25年後のスターリン死後にようやく初演された)、交響曲第5番では苦悩から勝利へと至る大衆受けのわかりやすい作品を書き、自らの地位を回復した。その後も対ナチス・ドイツ戦争の最中に交響曲第7番、第8番を書き、さらに戦後はスターリン礼賛の映画「ベルリン陥落」の音楽や、カンタータ「森の歌」で中央体制への忠誠を表す。晩年は自身の頭文字であるД Ш (D SCH)を音名にしたD, Es, C, H(レ、ミ♭、ド、シ)を「署名」として用い、最後の交響曲第15番ではドデカフォニーへの接近も図った。

Shostakovich - Symphony No. 2 "Ode to the Revolution of October"
ショスタコーヴィチ - 交響曲第2番『十月革命に捧ぐ』

共産主義への讃歌で、最後は合唱が「レーニン、我らの偉大な指導者レーニン!」と叫んで終わる。

Rosa 'Leniniana'
バラ 'レーニニアーナ'
(レーニン信奉者)

(画像 HelpMeFind)

作出: Zinaida Konstantinovna Klimenko / Vera Nikolaevna Klimenko (ソビエト連邦/ウクライナ)
作出年:1965年
系統:ハイブリッドティー
色:赤
香り:中香
花弁:43-45枚

Shostakovich - Lady Macbeth in Mtsensk
ショスタコーヴィチ - ムツェンスク郡のマクベス夫人

シェイクスピアの戯曲「マクベス」(ヴェルディがオペラ化している)とは関係がないが、冷酷な女性の譬えとしてタイトルに用いている。
カテリーナは下男のセルゲイにレイプされるが、逆に性の悦びに目覚めて愛し合うようになり、咎めた舅に毒入りスープを飲ませて殺す。さらに夫も殺すが警察に見つかりシベリアに流される。シベリアでカテリーナはセルゲイに捨てられ、真冬の湖に身を投げて死ぬ。
不道徳な台本と前衛的な音楽が問題とされ、ジダーノフ批判の対象となり、ショスタコーヴィチは芸術活動の制限はおろか粛清の危機に晒された。

Rosa 'Lady Macbeth'
バラ 'レディー マクベス'

作出:Louis-Joseph-Ghislain Parmentier (ベルギー)
作出年:1840年
系統:ガリカ/プロヴァン

Shostakovich - Symphony No. 5
ショスタコーヴィチ - 交響曲第5番

ショスタコーヴィチの交響曲の中で最も演奏頻度の高い作品。悲劇的に終わる第4番を撤回し、勝利的に終わるこの第5番は共産主義の栄光を讃える作品だと絶賛されたが、「証言」によると陰で体制批判のメッセージが込められているとされる。

Shostakovich - Symphony No. 7 "Leningrad"
ショスタコーヴィチ - 交響曲第7番『レニングラード』

第1楽章中盤には、同じメロディを繰り返しながらオーケストレーションが段々と大きくなっていくラヴェルの『ボレロ』を彷彿とする部分があるが、これは迫り来るドイツ軍の侵攻を表したものとされる。

Rosa 'Saint Petersburg Testimonial'
バラ 'セント ピータースバーグ テスティモニアル'
(ザンクトペテルスブルクの証人)

(画像 HelpMeFind)

作出:Alain Meilland (フランス)
作出年:2000年
登録名:MEIsponge
系統:フロリバンダ、グランディフローラ
別名:Jubilé Prince de Monaco ジュビレ プランス ドゥ モナコ
バラ大図鑑 p. 212
日本での入手難易度:1(容易)

レニングラードは元々ペテルスブルクと言い、ソ連崩壊後に街の名はザンクトペテルスブルクと改名された。
日本では 'ジュビレ プランス ドゥ モナコ' の名で販売されている。ほとんどはPrinceのみ英語読みでプリンスと誤記しているが、プンスが正しい。またPrincesse プランセス と勘違いし、さらに英語読みのプリンセスで二重誤記していることも少なからずある。 'Princesse de Monaco' 'プランセス ドゥ モナコ' とは別品種である。花姿は似ているが色が若干薄いピンクで、ハイブリッドティーである。

(film) ПАДЕНИЕ БЕРЛИНА (music: Dmitry Shostakovich)
(映画) ベルリン陥落
(音楽:ドミトリィ・ショスタコーヴィチ)

スターリン礼賛の映画。ソビエト赤軍はドイツの首都ベルリンを攻め落とし、ヒトラーは毒を飲んで自殺する。ラストシーンでは歓喜のスターリン讃歌が歌われる中、スターリンがベルリンの飛行場に降り立って対ナチス・ドイツ戦争の勝利を宣言する。映画の主人公で赤軍兵士のアリョーシャは、ドイツ軍にさらわれた恋人ナターシャと再会し、スターリンの前で忠誠を誓う。

Shostakovich - Forest Song
ショスタコーヴィチ - 森の歌

スターリンとソビエト連邦共産党を絶賛する内容のオラトリオ。旧ソ連崩壊後の西側諸国のプロパガンダによってショスタコーヴィチが嫌々ながら作曲した「ことにされている」が、共産主義の永遠の勝利を讃える輝かしい凱歌であることは間違いない。

ベラ・バルトーク
Béla Bartók

1881 - 1945 オーストリア=ハンガリー帝国 〜 アメリカ

ハンガリーをはじめとする東欧の民族音楽を採集した。また黄金比とフィボナッチ数を作曲に応用したほか、減七和音を半音重ねることにより得られる8音音階(オクタトニック)を好んで用いた。これはラヴェルも多用しているほか、メシアンによって移調の限られた旋法第2番(MTL2)と定義されている。
晩年は戦禍を避けてアメリカに移住したが、そこで白血病になり、貧困の中で生死を彷徨っていた。そこへ指揮者セルゲイ・クーセヴィツキーから新作委嘱の名目で多額の支援を受け、1ヶ月余りで「管弦楽のための協奏曲」を書き上げた。続けて「ピアノ協奏曲第3番」「ヴィオラ協奏曲」を書き始め、作曲する気力を取り戻したかに見えたが、病には勝てず、それらは未完成のまま没した。

Bartók - The Miraculous Mandarin (Suite)
バルトーク - 中国の不思議な役人(組曲)

Rosa 'Mandarin'
バラ 'マンダリン'

作出:W. Kordes & Sons (ドイツ)
作出年:2003年
系統:フロリバンダ/ミニアトゥーラ

Bartók - String Quartet No. 3
バルトーク - 弦楽四重奏曲第3番

Bartók - Music for Strings, Percussion and Celesta
バルトーク - 弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽

第1楽章のフーガは、12半音階を均等に扱ういわゆる無調音楽で、テーマが五度圏の円を左右両回りで巡る緻密な構成で書かれ、20世紀前半の近代音楽の中でも特に傑作とされる。

Bartók - Concerto for Orchestra
バルトーク - 管弦楽のための協奏曲

全5楽章。第4楽章「中断された間奏曲 Intermezzo interrotto」の中間部では、ショスタコーヴィチ「交響曲第7番」第1楽章中間部のメロディが諧謔的に引用される。

Bartók - Piano Concerto No. 3
バルトーク - ピアノ協奏曲第3番

スケッチは全曲通して出来上がっていたが、オーケストレーションがあと17小節のみ残してバルトークは死去した。友人の作曲家ティボール・シェルイが残りわずかの補筆を担当したが、スケッチにはオーケストレーションに何の楽器を使うかということは明確に指定されており、シェルイは全てバルトークの意図に従って完成させた。

ベンジャミン・ブリテン
Benjamin Britten

1913 - 1976 イギリス

戦後に至るまで作曲家・指揮者として活動したが、前衛とは全く無縁で保守的な作風を維持した。

Britten - Peter Grimes
ブリテン - ピーター・グライムズ

Britten - War Requiem
ブリテン - 戦争レクイエム

Britten - The Young Person’s Guide to the Orchestra
ブリテン - 青少年のための管弦楽入門

主題はバロック時代のイギリスの作曲家ヘンリー・パーセルの劇音楽「アブラザール」に基づく。

Britten - Simple Symphony
ブリテン - シンプル・シンフォニー

学生のアマチュア弦楽オーケストラのために書かれた作品で、演奏しやすさを考慮して書かれている。

Rosa 'Benjamin Britten'
バラ 'ベンジャミン ブリテン'

(画像 HelpMeFind)

作出:David C. H. Austin (イギリス)
作出年:1992年
登録名:AUSencart
系統:シュラブ
色:オレンジレッド
香り:強香
日本での入手難易度:1(容易)

フリッツ・クライスラー
Fritz Kreisler

1875 - 1962 オーストリア=ハンガリー帝国 〜 アメリカ

オーストリア出身だがアメリカに居を構え、ヴァイオリニストとして成功した。ナチス政権発足後は二度とヨーロッパに帰ることはなかった。作曲はブルックナーに師事している。

Kreisler - Liebesfreud
クライスラー - 愛の喜び

Kreisler - Liebesleid
クライスラー - 愛の悲しみ

Kreisler - Preludium and Allegro on the style of Gaetano Pugnani
クライスラー - ガエタノ・プニャーニの様式によるプレリュードとアレグロ


Rosa 'Chrysler Imperial'
バラ 'クライスラー インペリアル'

(画像 HelpMeFind)

作出:Walter E. Lammerts (アメリカ)
作出年:1952年
系統:ハイブリッドティー
色:ダークレッド
香り:強香

'パパメイアン' をはじめとする多くの名花の交配親である。


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