【ライブレポ】BUMP OF CHICKEN HOMESICKEISEI 2024 大阪day2
3/7(木)気温は11℃
日が延びてくるのに伴って前の週から徐々に暖かくなってきて、このまま春になるのかななどと思っていたのを嘲笑うかのごとく前日から急に寒くなり、東京では翌日はまさかの雪予報。しっかりコートが必要な気候である。嘘やん…。
昨年10月22日に突如として発表された、2008年に敢行されたorbital periodのアルバムツアーである「HOMESICK」の名を冠する本ツアー。2008年はメンバー全員が28歳になり、公転周期を迎えることから企画されたが、今回はバンド活動28周年を記念してメンバー発信で企画したツアーとのこと。
なんかもうずっとお祝いしている気がするのは気のせいでしょうか…?(笑)
過去のツアータイトルを冠するということで、リスナーの間ではセットリストの話題で持ちきり。当時のセットリストの再現で懐かしい曲が聴けるのか、前ツアー「be there」の後半の日程から解禁された「窓の中から」や、前ツアー終了後に発表された「Sleep Walking Orchestra」などの新曲を聴けるのかとさまざまな期待を抱えて日々を過ごし、バンド結成日2/11にツアーが始まると、参加者が皆、口を揃えて「ヤバい」「覚悟した方がいい」などと言ってさらに期待を煽る。
「ROCKIN'ON JAPAN」の 2024年2月号のインタビューでの、今回のツアーはいわゆるリバイバルツアーっていうのとは全然違ってバンドとしてのorbital periodのツアーってことでいいのかなという質問に対して「内容についてはあまり触れたくない」「そこについては乞うご期待」って回答していたのに、ツアー前日にbe thereアプリ内の特設ページで「リバイバルツアー」って我慢できずに名言しちゃう藤原基央かわいい(笑)
そんな感じで始まる前から若干感情溢れ気味な本ツアー、グッズもブックレット「星の鳥」を意識した、久しぶりに王様がフューチャーされたものが用意されており、PF以来のガチャガチャも登場。
物販は相変わらず事前抽選制だが、今回からまさかの落選が導入された。
物販列に並ぶ権利すら与えられないとは、本当に恐ろしいバンドである…。
私は前回のホームシック衛星は不参加なのだが、前ツアー参戦歴のあるリスナーにとっては今回のリバイバルツアーは堪らないだろうなと思う。
話した人の中にも、昔はBUMP聴いていて、今回orbital periodのリバイバルツアーだから参加しようと思ったと仰る方を何人かお見受けして、BUMPの間口の広さを改めて感じた。
本日の会場は大阪城ホール。席はチャマ側スタンド席6列目。
さすがキャパ16,000人規模だけあって近い。
PIXMOBのバンド、btでは バリバリのマジックテープだったが今回はツイストバンドを彷彿とさせるリボンへと変更となった。
このリボンタイプ、見た目はかわいいのだが安定性に欠け、ライブ中に腕振ってたら飛んでいったという報告が散見される。私は先述のbtツアーのバリバリベルトを持参し、開演前にリボンからマジックテープへ交換した。簡単に交換できるし、ライブ中に余計なことに気を取られるのは癪なので、可能であれば席に着いたらバンド交換するのがおすすめ。
開演前のアナウンスが古臭い無線放送っぽく、聞き取りにくい。また、btまでは実施されていたP I X MO Bに関する説明映像がなく、公演中もP I X M O Bの点灯は心なしか控えめであった。
おそらくこれら全てリバイバルを意識しての演出であろう、芸が細かい!愛!
「星の鳥」の、宇宙船の交信音声のようなS Eが流れ開演。
btのときのような順番に入場する形式ではなく、みんなで一緒にわちゃっと入場してきた。
オープニングのみならず、公演中全編通してなのだが、バックライトが強めで、ほとんど後光のような形でシルエット(すら見えなくなる場面も多かった)を浮かべるような演出が多かったのだが、今回のキービジュアルを意識しての演出でしょうか。
正直見にくいしやめてほしいとか思ったのは内緒。
星の鳥が大空を飛び、やがて王様のお墓である大地に築いた星の鳥へと辿り着く映像演出が終わると、orbital periodの曲順そのまま、1曲目「メーデー」へ
今回のステージには珍しく舞台装置として鉄塔のようなオブジェ(大阪公演なので、通天閣みたいなどと思った)があり、そこに掠れた赤色灯で「BUMP OF CHICKEN」の文字が浮かび上がる。また天井からサークル状の鉄格子にライトがついたオブジェが吊るされていて、見ようによっては宇宙ステーションのよう。
ステージにオブジェが設置されているの、すごく珍しいと思ったのだが、過去ツアーではよくあるステージ構成だったのでしょうか?
「こんばんは、BUMP OF CHICKENです!会いたかったぞ大阪!!!」
このタイミングだったか、別の曲中だったか「会いたかたぞ大阪!俺だけか?俺だけじゃねえよな、お前らもだろ?ようやく会えたな!」的なことも言っていたような気がするんだけど、記憶が曖昧…。
2曲目「才悩人応援歌」
btツアーの時と同様、がなり立てるような歌い方。前日は喉の調子が良くなかったとのタレコミがあったが本日は絶好調で、がなり立て後の歌唱も綺麗に歌い上げていた。
SJから、公演によってはちょいちょい、後の歌唱に影響を及ぼしてリスナーから不満の声が上がるハイリスクハイリターンな演出だけれど、私は感情をぶつけられた気がして大好きな演出なので、今後も失敗を恐れず果敢に続けてほしいと思う。
最後の「ラララ」はリスナーに歌わせようと、煽ってくる。
ちょっとヤダもう、もっちゃんたら〜。btで一皮剥けたもんだからって、初っ端から欲しがりすぎじゃないですか〜?(笑)
こちらもリバイバルを意識してか、それとも我々聴く側にバイアスが掛かっているだけかは定かではないが、本公演、全体通して歌い方が粗野というか、猛々しいというか、トガってる藤原基央な歌い方という印象を受けた。一方で、28年バンドを続けてきたことで、音楽を通じて人と繋がることができることを知ってリスナーを信頼し切った、欲しがり基央マインドも内包されていて、16年間の間に成熟した、円熟味を感じることができる。
3曲目「ラフメイカー」
私的「これ聴くまでは絶対死ねない曲」のうちの一曲。まさか聴けるなんて思わなかった。
btの「プレゼント」に続いて順調に死へと誘われています。ありがとうございます(?)
タイミングは失念してしまったが、曲終わりの呼びかけに対して藤くんチャマヒデちゃんは無反応だったのに、ヒロが「はーい」って応えてたのが珍しいなと思って記憶に残っている。
ラフメイカー終わりに明転し初めのMCでチャマが話し始める。
「 HOMESICKEISEIツアーに来てくれてありがとう!このツアーは2008年にやったツアーのリバイバルってことでやらせてもらってるんですけど、前回のホームシック衛星来てくれたよって人手挙げてー!−―あぁ、意外と…結構居るね。ありがとうございます。その人たちは懐かしい気持ちで、今回初めての人は新鮮な気持ちで、それぞれ楽しんでいってください!さて、ヒロなんか話しておくことある?」
「そうですね、まずは僕達みんなに会えたのがすごく嬉しいです。嬉しいんですけど、今日はね、6日目なんですよ。そして6日目っていうのは、今日しかありません!だから、あの…」と、急に何故か自信を失って言い淀むヒロ。
「6日目?」と頭にハテナが浮かぶ客席のDay2参加者達
「そうだな、ツアー通して今日が6日目だからな、お前は何も間違ったこと言ってねえよ」と、ヒロくん検定1級の藤くんがすかさずフォローする。
「だから、今日しかないんで、そういうつもりで、みんな楽しもう!」と藤くんのフォローを受けてヒロがなんとか締める。
が、ヒロの発言後、ちょっとメンバー同士で顔を見合わせ、微妙な間が開く。
「このヒロの後だとさ、何言えば良いか分かんなくて、すっごいやりにくいんだよ(笑)いつものことなんだけどさ」とチャマが独特なヒロくん節にM Cの繋ぎに困惑していると、またしてもヒロくんの守護者藤原基央が「ヒロが言ったみたいに今日のライブは今日しかできないものだから、この2時間くらい君たちが僕達のためにくれた時間を、一音一音最後まで真心込めて演奏するので楽しんでいってください」とフォローする。
その藤くんの発言を受けてチャマが「緊張してて楽しめない人がいると困るから声出す練習しまーす。みんな、準備できてますか?イェー?」「声出す準備できてんのか!?イェー?」「楽しむ準備できてますか⁉︎イェー⁉︎」と煽って会場を盛り上げ、そのまま次の曲へと突入する。
4曲目「アルエ」
ヒデちゃんのドラム前に集まってメンバーが客席に背を向けて顔を見合わせた状態のセッションから、藤くんが振り返り歌い始める演出。
だったのだが、藤くんちょっと入り遅れた…?気のせいかな?
「She can get all , She can love all」の最後を「We can get all」へ歌詞変え
5曲目「ハンマーソングと痛みの塔」
小さな痛みで満たした箱を、周囲の慰めの声など届かぬほどに積み上げていく。そうして積み上げたてっぺんであぐらをかいて強がっていたのが、そんなあんたと話したいと、ハンマーソングを歌う人によって積み上げた塔を下ろされていくことを歌った曲。
これって最近のBUMP OF CHICKENと我々リスナーの関係そのものじゃないですか?
若かりし、強がって尖っていたBUMP OF CHICKENが、この歳になってようやく、どうやら自分達はリスナーに愛されてるみたいだぞ、自分達が歌ったらちゃんと受け止めて、返してくれるぞってことに気づいて、気づいたらもうリスナーへの愛が溢れて心の扉フルオープンで求めてくる。
16年の時を経てかつての自分達が歌った曲が、熟成された自分達を歌った歌に昇華された。ちょっと、物凄い瞬間に立ち会っているのではないかという気持ちになる。
それと、「ラフ・メイカー」と「ハンマーソングと痛みの塔」って、鉄パイプとハンマーの違いはあれど同じことを歌った曲だったんだと、このレポを書いていて初めて気づいた。
流石は普遍的なことを歌い続けるバンド、信用できる。
6曲目「ひとりごと」の後に続く7曲目「花の名」では、今となってはお馴染みのハンドマイク藤原タイム。
歌詞変え激しすぎて原型を留めてなく、誰かが言ったように藤くん原曲覚えていないまであり得る(あり得ない)。
ライブのクセ強歌詞変え変曲バージョン聴き慣れすぎて、久しぶりにアルバムのプレーンな花の名聴くと物足りないと感じるくらいにはこっちも中毒になっているので、いまさら素直な花の名をライブで披露されても困るんですけどね。
8曲目「飴玉の唄」の演奏を終えるとステージが明転し、メンバーが一列に並んで出っ張りへと移動してくる。
btでも見られた光景だが、チャマがスタッフから楽器を受け取る際、手を合わせてお辞儀をしているシーンを度々見かける。復帰の際に宣言した、真摯に音楽と向き合うという姿勢が垣間見える様子に、つい演奏と演奏の合間は彼の姿を追ってしまうのは私だけではないだろう。
9曲目「東京讃歌」
完全に油断していた!そう、ハーモニカです!!
あの伝説の、藤くんのハーモニカ演奏に立ち会うことができて、もう感無量です!!もっとハーモニカパート増量してくれてもよかった!おかわり欲しい!サンキューリバイバル!!
不意打ちすぎて感情昂まり過ぎた。
演奏が終わり出っ張りMCパート
「今更だけどメンバー紹介しまーす。僕がベース担当直井由文です」と冒頭チャマが口を開くとすかさず藤くんが「チャマー!」と、会場を煽る。
声援に応えたチャマが続けて「ボーカルギター藤原〜」と紹介すると、例の片足を上げた「パァ」ってポーズでちょける藤くん。さらに「ギター、ヒロこと増川弘明!」とヒロを指差し紹介すると、ヒロと、なぜか藤くんまで一緒に、同じように片足上げて「パァ」のポーズで声援を受ける。最後に「ドラムス、升秀夫」と紹介し、「四人でBUMP OF CHICKENです、千葉県佐倉市から来ました。よろしくお願いします」というチャマの挨拶に合わせて藤くんが胸に手を当てて、執事のように格式高いお辞儀をする。
サラッとした、なんでもない流れだが、S Jから藤くんがMCを務めていたのが、aa以前のようにチャマがメインでMCを担当していることに、少し目頭が熱くなる。
メンバー紹介が終わり、チャマがヒロに「どうよ、大阪城ホールは」と話を振るのに対し「え?大阪城?」とボケボケの返事をかますヒロ。
「城ホール!!この会場はどうですかって聞いてるの!」
「なんで大阪城のこと聞かれてんのかなって、びっくりした。いや、ここからも見えるから」
「そうだけど」とメンバーも呆れた様子で笑っている。
「ええっと、今日は16年前にここでやったのと同じ日で、3月7日…あれ、7日じゃない、6日?違う?あれ?」と、何故か一人で勝手に混乱し始めるヒロくん。おそらく会場中のリスナーが全員「大丈夫、合ってるよ、頑張れ」って応援していたはず。
「と、とにかくおんなじ日なんです」よくわかんなくなったヒロに対して「16年前と同じ日付ってことをコイツは言いたいんです」と藤くんがフォローする。そしてその脇でベースを弾き、BGMを奏でるチャマ。
最近ヒロパート中にBGM奏でるそれブームですね。
「そう!そうやって自動翻訳して!」とのヒロの提案に藤くんが「あぁ、俺が翻訳するのね。お前の発言を、隣で」と応えるが「違う」と即否定する。
「みんなが!」
「え?俺じゃなくて、お客さんが?」
「そう、みんながそれぞれ自動翻訳…翻訳じゃないか。えっと、なんだ…解釈?」
要は「察しろ」と言いたいのだが、適切な言葉が見当たらず一人で混乱するヒロ。
正直どっちでもいいよと思いながら視線をヒロから外すと、ヒデちゃんのドラム横あたりでチャマが爆笑している(笑)
「16年前と同じ日にライブできて嬉しいってこと?」
「そうなんだけど…えっと、だから、この会場、大阪城ホールは僕らにとっても思い入れのある会場で、何度もこの会場でライブやらせてもらっていて…16年前の今日以外にも良いライブをした日が沢山あって…」話しながら段々と雲行きが怪しくなってきたところで「もうやめようかこの話」と、ギブアップ宣言(笑)
「おう、俺もその方がいいと思うよ。お前が話せば話すほど、今日の有り難みが薄まっていくから」と、ヒロの英断を讃える藤くん。再び後ろに視線を移すとチャマとヒデちゃんが苦笑いしている。
気を取り直して話を続けるヒロ。頑張れ〜という会場の声無き声援がヒロを見守る。
「えっと、僕昨日お弁当箱の話したんですよ。蓋のついたお弁当箱みたいだなって。でも、お弁当箱って蓋付いてるなって」「うん、俺も昨日聞きながらそう思ってたよ」と藤くん。
「この会場がこう、丸くって、形がね(曲げわっぱみたい)、そう思ったんだけど。スタッフの人と話してたら「僕はこの会場宇宙船みたいだなって思うんですよねって」って言っていて。あぁ!なるほど、それだ!って、お弁当箱なんかじゃなかったです」
ぽんって手を打つ仕草をするヒロくん。「それだ!」じゃないんだよ(笑)
「こんだけ(演出で)宇宙を背負って演奏してきたのにそういう発想には至らなかったんだな(笑)」
「あ、本当だ(笑)うん、至らなかったね、全然」と自信満々に言うと唐突にヒデちゃんへ向き直って「ヒデちゃんもさ、お弁当のおかずで言うと…う、梅干しじゃん(笑)」と急にヒデちゃん弄りへシフト。
「それはそうだな、位置的にな、中心だからな」と藤くんの同意に対して「位置的なのもそうだけど、精神的にもヒデちゃんは中心にいるから」と自説を補足し「ヒデちゃんはどう思ってんのよ」とヒデちゃんへ話を振る。
毎ツアー恒例の、当地で食べた物の話をしないだと…!?
話を振られたヒデちゃん、いつもどおりオフマイク地声で「そりゃぁもう最高よ」と言って立ち上がりピース
「この辺の人しか聞こえなかったと思うけど、今コイツは地声で、そりゃもう最高よって言いました。聞こえた?その辺の人たちも聞こえてる?」と、客席に向かってヒデちゃんの声の通り具合を確認する。
「ヒデちゃんはなかなかこっち出て来れないので、四人でこっちに出てきているうちにもう一曲演奏してもいいですか?」
10曲目「真っ赤な空を見ただろうか」
イントロのリフをヒロが繰り返し、藤くんの歌が入るのを待っていたのだが、藤くんが中々歌い出さない。そのままヒロを焦らすので、ヒロが「おい!」みたいな感じで、リフを続けながらもめっちゃ笑いながら藤くんに文句言うのだが、そんなヒロに対して藤くんは、歌い出すか、やっぱやめようかみたいな感じで、aaで見せたのとは別の形でフェイントかけていて完全に二人のセカイに入り込んでた。
16,000人の前で何イチャついてるんですかおじさん(笑)
手の甲をこちらに向けてピースしながら「二人が」、手の腹を向けて人差し指で1を作って「一つだったなら」と、パフォーマンス。
演奏が終わり、客席から拍手が起きると「拍手嬉しいぜ、ありがとう。そのまま、次は手拍子ください」と言って、パンパパパン、パンパパパンと手を叩く。それに倣ってメンバーも手を叩いて手拍子を煽り、リスナーがそれに続く。
少しの間会場に手拍子の音だけが響く。拍だけ聞いているとなんだか盆踊りのような感覚になり、be there徳島のように踊り出すんじゃないかとワクワクした。
リズムが安定したことを確認すると満足したように頷き楽器を奏で始める。
11曲目「かさぶたぶたぶ」
なるほどー!!そうなるのね!リスナーの手拍子にメンバーの奏でる音色が乗ることで印象は一変。盆踊りとかふざけたこと思ってマジごめん。そういえばかさぶたぶたぶってパンパパパンって音入ってましたね。
bt徳島での手拍子のMCを思い出しながら、これが基央の歌いやすい拍なのね、分かったよ!よっしゃ、いっちょここは任せとけ!と、意気込んで手を叩く。裏拍だのなんだの言われても理解できないのでメンバーがお手本見せてくれるのはすごく助かる!…のだが、リズム感のない私は油断すると段々ズレていってしまうため、周囲をチラチラ見ながら気合い入れてパンパンする羽目になった。曲に集中できないのが悲しい…。
メンバーが冒頭に手拍子求めても、曲が始まると再度メンバーが煽らない限り段々手拍子がなくなってしまうことが多いが、この日は途中で手拍子が立ち消えることもなく、継続して手拍子を行なっており、さすがは大阪恐れ入る。
演奏が終わるとメインステージへと戻り、後半戦へとギアを上げ、勢いをつける12曲目「望遠のマーチ」
ここまでリバイバルを意識した、orbital period以前の曲で組まれてきたセトリにorbital period以後の曲が入ってきたことで、過去から未来への飛躍、BUMP OF CHICKENというバンドの進化を強く印象付けられる。
その羽ばたきに、望遠のマーチほどふさわしい曲があるだろうか。
aa同様「失うものはないとか かっこいいこと言えたらいいよな」とオラついた歌唱、リスナーを煽り声を出させる。
間奏中で想いの丈をぶち撒ける藤くん
大阪に来てよかった!最高の夜だ!俺だけか、そう思ってんのは?そんなことねえよな?君はどうだ?俺たち、おんなじように思ってるよな!?
演奏が終わり明転すると藤くんが喋り出す
「今のが、感情に振り回されすぎた男の姿です。完全に一拍飛ばしちゃった!ごめん!なんとか戻って来れてよかった、安心した」と、勢い付きすぎて空回りしたことを自白する藤くん。
「そこ格好良かったよ!」とヒロがフォローする。
「えーっと、体調悪い人いない?」と、藤くんとチャマが手を挙げながら、リスナーの体調チェックを行う。
「体調悪い人は無理しないで手挙げて。座って、休んで落ち着きそうならそうしてください。別に君がどんな風に聴いてくれたって問題ないし、文句言うやつなんかないから。だって俺と、君は、一対一で、俺は君に向かって歌ってるんだから、他の奴なんて関係ない。そうだろ?でも、体調悪いって、自分からは言い出せない人も居るかもしれないから。周りから見て、この人大丈夫かな、無理してそうだな、体調悪そうだなって人がいたら、声掛けてあげてください。約束な!」と、遅ればせながら毎度おなじみの注意アナウンス。
「あー、これは別に感情に振り回されたことの照れ隠しで言ってるわけじゃなくて、いつもの業務連絡だから!…いや、照れ隠しもある。半分くらいはそれもある(笑)」と白状する
気を取り直して13曲目は「ray」
チャマが片足を曲げて靴を見せるパフォーマンス。
チャマヒロ揃ってぴょんぴょん跳びながらクルクル回って演奏。
銀テが、いつもの長いピロピロではなく紙吹雪で、ライブ後にTwitterに上げられた写真を見るとメンバーのサインなどは無い、ただの白と銀の紙吹雪だった模様。リスナー同士のくだらない争いが無くなって平和だけど寂しい気持ちもある。
出っ張りまで出てきてヒロのソロでチャマがステージ降りて柵に寄りかかってヒロのソロを眺める。
最後の藤くんのソロ前にヒロがスタンドマイクを倒してしまうアクシデントがあったが、ヒロチャマパートの演奏が終わった途端、チャマが腕を大きく振りながら駆け寄ってヒロのスタンドマイクを直し、片膝立ちをして「ジャーン」みたいなポーズ。
マイクを直し終えるといつものようにステージに胡座をかいて座り、頬杖つきながら藤くんのソロを眺める。
15曲目「プレゼント」
まさかbtに引き続き聴けるとは思わなかった!!藤くんの優しい歌声にうっとり。
割とプレーンで素直な演奏なので、せっかくだから情緒マシマシ癖強めのゴリゴリのアレンジ効かせたライブバージョンも聴いてみたい欲張りの動物
16曲目「fire sign」
間奏部分でチャマ→ヒロ→藤くん→ヒデちゃんのソロパートが!!かっこいい!!
ヒデちゃんのドラムパートはみんな少しずつ様子見ながら音入れていたので完全なソロではなかったが、曲として用意されてるもの以外で明確にソロセッションはこれまでなかったので、不意打ちでとても良いです。
3人が出っ張り出てきて演奏し、リスナーにラララを求めるときにチャマが自分のスタンドマイクを客席に向けていたのだが、再び3人でコーラスに入るときに、マイクを客席に向けたままの状態で、回り込んでこちらにお尻向けてコーラスするもんだから藤くんと向かい合う形で歌う形になり、藤くんめっちゃ笑ってしまって、やりにくそうだった。
やめたげてよ(笑)
暗転し「星の鳥」が流れ出すとモニターに映像が映し出される。やがてモニター分割で、いくつもの衛星や惑星の映像が映し出され、カウント表示される。
17曲目「カルマ」
やっぱりorbital periodと言ったらカルマは外せないですよね!!
28年のキャリアを迎えたBUMPが「数えた足跡など 気づけば数字でしかない」と言い放つ重み!
「僕らは出会うだろう 同じ悲鳴の旗を目印にして 忘れないで いつだって呼んでるから」の説得力!!
改めてBUMPが歌う内容の普遍性を思い知らされる。
「最後の曲です、今日はどうもありがとう」と言って演奏される本編最後の18曲目「voyager +flyby」
さすがリバイバル、この先のライブでまず聴くことはできないであろう、こんな曲まで聴けるなんて素敵すぎる。個人的には三つ星カルテットもライブでぜひ聴きたいので、今後も定期的にリバイバルツアー開催してホシイトネガウ。
どのタイミングか失念したが、出っ張りから戻るチャマヒロに対して、花道の途中で両手をグーにして突き出し、グータッチを求める藤くん。二人が笑いながら「えー?」と照れくさそうな仕草をするも藤くんはそのままの状態でグータッチ待機(笑)無事二人に同時にグータッチしてもらえてご満悦。良かったね
メンバーが一旦はけてから再入場までのインターバルが結構短くて、え、もう!?って感じだった。時間押していたのかな?
メンバーが再入場してくると、ヒデちゃんがステージ真ん中あたりでヒロ側のスタンド席へお辞儀をして挨拶。それを見ていた藤くんが、横着するなと、ヒデちゃんをステージの端まで連れていって一緒にお辞儀して挨拶させる(笑)
小走りで戻ってくるヒデちゃんをステージ真ん中辺りで、腕組みをした仁王立ちのヒロが出迎えるが、それを避けてなのかなんなのか、チャマ側のスタンドには挨拶してくれずに、そのままドラムへと戻っていく。
おい!!なんということだ!その素敵な笑顔をこちら側にも見せておくれよ!!ヒロ責任もってその梅干しをこっちに連れてきて!!
メンバーがスタッフから楽器を受け取り、準備が整うと楽器を鳴らし、藤くんが歌い始める。が、知らないイントロ、聴いたことない歌詞、それもワンフレーズとかではなく、ド頭にまぁまぁしっかり歌う。
え、なにこの曲!?知らない、え、新曲!?と挙動不審になるリスナー(私)を尻目に高らかに歌い上げたかと思ったら、聴き馴染みのあるメロディーが続いた。
En.1「リトルブレイバー」
めっちゃ知ってる曲だったー!!
「忘れないでね、君が振り上げたその腕を、君が歌ったその声を、今日一緒に歌ったこの曲を」的な感じの歌詞を歌っていたように思うんだけど、衝撃すぎて正直ちゃんと覚えてないし、リズムに関しては完全に忘れた。早くライブ音源出してほしい。マジで、ボーナストラックで是非頼む!隠しで収録してくれ!!
「もう一曲付き合ってくれる?」という藤くんの言葉に対して客席から「もっとやってー」「最初から全部やってー」「終わらないでー」と、毎度おなじみの野次が飛ぶ。
「え、最初から?そんなの俺が一番やりたいと思ってるよ!君たちよりも、この会場の誰よりも、俺が、俺たち四人の方が、もう寂しいって思ってるに決まってる、わかってるでしょ!?」と急にメンヘラ発動する藤原基央。
「この曲に今日やった全部の曲と同じだけの気持ち込めるからそれで許してね」
En.2「Butterfly」
ラストM C
その第一声が「ねえ、次いつ会える?」
え、なに急に。もうヤダ基央ったら、こんな16000人の前で、大胆なんだから。そんなの、お前が会いたいって言えば深夜だろうがどこでも会いに行ってやるからいつでもLINEして来いよ!それか、布団用意しておくからいつでもウチ来てくれてもいいよ!なんて、馬鹿な返事が一瞬で頭を駆け巡る
知らねえってんだよな、そんなのこっちが聞きたいってんだよな(笑)
必ずまた会いにくるから、生きててくれよ。君たちにまだ聞かせてない、新しい曲だっていくつかできてるんだ。えっと(指折り数えて)いくつだ…?とにかくたくさんあるんだ、やれないけど。大人の事情で!今日はまだ聞かせられないけど!!
その曲聞かせろ!と期待からどんどん大きくなる拍手を制して続ける
16年前から続けていることがあって。家やスタジオで、一人で曲を書く。メンバーに聞かせる。四人でレコーディングして、リリースする。その時はどんな風に、どこの誰に届くのかは分からない。だけど、マイクの先に、ギターを弾く時も、この、この辺につけるマイクに向けて、(指を弾くようなジェスチャーをしながら)そこを狙って弾くんだけど、その先にいる君を、君の耳がこの先にあることを感じて、そこに歌が届くことを考えながら歌ってる。そうやって俺が初めは一人で作ってた曲を聴いてくれた人が、ライブで、受け止めた証拠を伝えにきてくれるのが嬉しくて、こうやって繰り返している。今も16年前と同じことやっていると考えたら嬉しくてたまらなくなった。だから感情に振りまされました(笑)
「君に会いに来た」「会えて良かった」「会えて嬉しい」「また会いたい」っていう言葉は、古の頃からいろんな人が、ありとあらゆるバンドが使ってきた、使い古された、手垢のついた、その辺にあるありふれた言葉かもしれない。
でも君たち知らないでしょ、君の存在がどれだけ俺たちを励ましてくれるか、勇気をくれているのかを。
生きてりゃそりゃ辛いことがあるかもしれない。ボロ雑巾みたいになってもう生きるのが嫌だなって思うことがあるかもしれない。それでも必ずまた俺たちこうして、君に会いにくるから。
その時、どんなに君がボロボロでも、ヘロヘロでも、けちょけちょでもいいから、生きてきてくれよ。そして君の目で見てくれ。目の前にいる俺が、俺たちが。君の存在から、どれだけ勇気をもらっているか、けちょけちょの君がどれだけ俺たちに勇気をくれるのかを。
自分のこと嫌いなままでもいい、認められなくてもいい、大っ嫌いな世界だっていいから、会いにきてほしい。そんな君の存在が俺の歌になる。また今日みたいにライブをすることができる。また会おうね。
ありがとう、おやすみ、バイバイ
20時40分頃終演
感情溢れ出るほどのテンションだったにも関わらずダブルアンコールは残念ながらお預け。
アンコールもびっくりするくらいすぐ出てきたので、もしかしたら会場の時間の都合などの事情があったりしたのかもしれない。
自分達の名刺代わりの曲と形容する「天体観測」がまさかセトリ入りしないとは‼︎リバイバルツアー恐れ入りました。
個人的な好みを言えば、せっかくなら望遠のマーチ以降はorbital period以後の曲で固めて、カルマからのflybyで締める流れにするため、「fire sign」が「窓の中から」だったらなぁなどと思ったが、それでは今回のソロセッションが見れなかった可能性が高いので、やはり今回のセトリ構成が最適だったのだろう。
BUMPから離れていたけど久しぶりにライブにきたという方々にとっても、「窓の中から」はあまりに新し過ぎるし、欲しがり基央の最上級は刺激が強すぎて倒れてしまうかもしれない…(笑)
「Sleep Walking Orchestra」も映画「陰陽師0」に提供したまだ見ぬ新曲「邂逅」も控えているのに、既存曲だけでこれだけのライブができるなんて、それぞれの曲の持つ力強さを改めて見せつけられた気分です。
28という数字はBUMPリスナーであれば思い入れのある数字だが、まさかメンバー自身も、これまで大切にしている概念だとは思わなかった(ツアー開幕前日に公開されたbe there アプリ特設ページの激長コメント参照)。
それもただのリバイバルに留まらない、この16年間でBUMPが積み上げてきた、獲得してきたものが遺憾無く発揮されていて、後半戦の新しい曲も組み込まれたセトリ構成まで含めて、BUMP OF CHICKENとしての音楽活動の深化に触れられるようなライブだった。
「天体観測(2022 Rerecording ver.)」ではアレンジなど利かせずに、当時の演奏を忠実に再現していたくせに、ライブとなれば懐かしいだけでは終わらせない、新しい価値を提供してくる。
ライブ冒頭のM Cで宣言した、一音一音真心込めて演奏するから楽しんでいってほしいという、リスナーに対する真摯な態度に嘘偽りのない最高のライブでした。
ぜひこの調子で、またリバイバルツアーをどうかよろしく頼みます!
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