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【冬休み特集】昔読んだ本でプロダクトマネジメントに効いている書籍5選

こんにちは、久保 拓也(@takuya__kubo)です。
みなさま、もう冬休みに入っていらっしゃいますか?

僕は今日が最終出社で、一部の経営メンバーと「だらだら事業計画を話す会」をしていました。笑 日々が怒涛に過ぎていく分、取り留めもなく話すよもやま時間の希少性が増しますね。

本日が2020年最後の投稿。冬休みということで、本のお薦めをば!
昔(と言ってもここ数年)読んだ本の中で、「あの本、今のプロダクトマネジメントに生きているな」という書籍を紹介したいと思います。

良かったらぜひ読んでみてください。

「システム思考」と言えばこの書籍:世界はシステムで動く+成長の限界

1冊目はこちら。
システム思考について著した非常に読みやすい本となっています。

読書歴辿ると、この本は2017年1月に当時リクルートで営業していた時に読んでいました。

<どうプロダクトマネジメントに効いているか>
プロダクトマネジメントだけでなくビジネス全般に言える話ですが、何か一つのモジュールを変えた時に、その影響はモジュール単体にとどまらず、(経営・プロダクトの)システム全体に影響を及ぼします。

何かの意思決定を下すときに、それはどのように相互作用するのかを俯瞰して見る力が必要ですし、それを身に着けられるのが「システム思考」です。

最近、あの時システム思考にどっぷり浸かって、(そして無駄に)仕事で使おうとしていた自分によく感謝します笑
「なんか俯瞰したいわ」という人は是非使ってみてください。

<書籍の背景>
システム思考と言えば、「学習する組織」であり、その著者のピーター・M・センゲ氏が有名ですね。

日本だとなかなか表に出てこない印象なのですが、この「学習する組織」の手前で、MIT教授のジェイ・フォレスター氏が「システム・ダイナミクス」を提唱しており、それをピーター・M・センゲ氏が分かりやすく世に広めていったという流れがあります。
(もちろんその手前にもアイディアがあり、いくつかの系譜を経ています)

では、学習する組織ではなく、何故あえてこの書籍なのかというと、そのジェイ・フォレスター氏に直接師事したドネラ・H・メドウズ氏が書いた書籍だからです。

このドネラ・H・メドウズ氏は、「世界がもし100人の村だったら」の起草になるコンセプトレポートを書いたりと、ちょっと難解なものを親しみやすく砕くことに長けた方なのだと思ってます。

そういった意味で、少しとっつきにくい印象のある「システム思考」を身近に感じられるいい本ではないかと。


また、余裕があったら是非「成長の限界」も読んでほしいのですが、1970年にジェイ・フォレスター氏がこのシステムダイナミクスを使って、地球全体の構造をモデリングしたものを書き上げています。(今から50年前って!すごすぎません?笑)

その後、デニス・メドウズ氏、ドネラ・メドウズ氏が、これをより発展させローマクラブで採択されたものが、「成長の限界」になります。

書籍の真ん中あたりのページに「世界モデル」があるのですが、地球全体をモデル化していることもありその細かさに圧巻されます。
これを眺めるだけでも価値があると思うので是非。

複雑なものでも考え抜けばモデル化、システム化できるんだと勇気をもらえます。

競争をなくすという新機軸:ブルーオーシャン戦略

2冊目はこちら。
大学時代に読んで「まじか⁉」と驚いたのを覚えています。

ポーターやらコトラーやらをよく読んでいたところから、「競争をなくす」という考え方が斬新で、非常に感動したという。
そこから何かにつけてこの本は読むようにしています。

<どうプロダクトマネジメントに効いているか>
「イノベーションを通じ、(競争のない)新たな市場を生み出す」という観点はスタートアップ企業の根本であり、ほぼ1プロダクトで事業を行っているため、プロダクトマネジメントにもそのまま言えることです。

また、リソーセスも限られている中なので、書籍の中で書かれている「『減らす』『取り除く』ことによる低コスト化と、『増やす』『付け加える』ことによる顧客にとっての高付加価値は両立」は非常に重要な考え方だと思います。

すべてをリッチな機能にすることはそもそも難しい上、優先順位を設けないとそのプロダクトの中での強弱がつかず、「誰のため」「何のため」なのか分からないということがUI上もあり得るからです。

「戦略キャンバス」と「4つのアクション」は概念的ですがフレームワークとしても分かりやすいので、是非参考にしていただけたら

イノベーションといえばこの人:ジョブ理論

3冊目はこちら!
こちらも2017年ほどに読みました。

商品を作る・売るということをしていると、ついついビルドトラップにはまりがちですが、そのメカニズムにシンプルな問いを投げかけているのが印象でした。

こちらの書籍はプロダクトマネジメントを長らくやっていらっしゃる方も参考になる書籍に挙げられているので、外れはないかと思います。

<どうプロダクトマネジメントに効いているか>
「顧客はどんな「ジョブ」を片付けたいのか?」本書のこの問いが僕はすべてだと思っています。

本書では、「ジョブ」を「ある特定のシチュエーションで人(顧客)が成し遂げたい進歩」と定義し、「ジョブ」を進める手段として商品やサービスが存在し、それらを利用することを「雇用する」と呼びます。

・特定のシチュエーションにある顧客
・その人が成し遂げたい進歩
・そこに選ばれるためのプロダクトの要件

本書の中で、これらは一般的なマーケティングリサーチでは、その答えが見つけられず「観察」と「それを基にしたインタビュー」で明らかになった事例が書かれています。

ユーザーは必ずしも答えを知らず、断片的なリサーチではその実態をつかむことが出来ない。
状況を踏まえたコンテクストを基にユーザーの実像を掴むことで良いプロダクトが作れるという「UXデザイン」に繋がっていく書籍だと思っています。

サービスECには欠かせない:真実の瞬間

4冊目はこちら。
以前「UXデザイン」の話をした際に引用させていただいた書籍です。

営業時代、「顧客の競争優位性が発揮される瞬間」を求めてひた走っていた際に、恩師からお勧めされた本です。非常に懐かしい。

<どうプロダクトマネジメントに効いているか>
この書籍では「真実の瞬間」を、「お客様は、その企業に接する瞬間(ほんの短い時間)で、その企業のサービス全体に対する良し悪しを評価してしまう」と記載しています。

この「真実の瞬間」はいずれの業界のいずれの企業にもあるものです。

プロダクトだけではなく、CSや広告、LP、様々なものとの接点で「真実の瞬間」はあり、それらをどう創造していくかは「UXデザイン」そのものです。

オフィスの中に留まっていては答えが生まれず、「ユーザーと接点のある現場が第一」というのは、プロダクトマネジメントにも非常に役立つなと思っています。

「観察」から始め、検証&マネジメントしていく:OODA MANAGEMENT

最後の書籍はこちら!
営業マネジャー時代、行き詰っていた時に読んだ本です。

計画を立て、行動するというPDCAより、「観察」から始め状況に合わせて打ち手を考えていく形の方が、変化が激しいマーケットにはハマるのだと学んだ1冊でした。
(実際、コロナ禍でもこの考え方に基づき、市場と顧客に対応したところ、少しずつ先手を打てたように思えます)

<どうプロダクトマネジメントに効いているか>
リーンスタートアップの考え方にも応用されているものになりますが、MVP構築までもそうですし、リリース後の改善や打ち手を考案する際には着実に役立つと思います。

OODAは、観察(Observe)- 情勢への適応(Orient)- 意思決定(Decide)- 行動(Act)のループになっており、このループを回すごとにその現場解像度や精度が上がっていく形になります。

従来のPDCAだと計画を微細にしたのちに行動に移す形ですが、このOODAループは粗い仮説や方針を基に、検証指標だけは決めループを回すごとに精度を上げていく考え方になります。

短いスプリントで次々に新しいものをリリースしていく、改善していくという中では必須のフレームワークではないでしょうか。

組織マネジメントも使うことが可能ですので、こちらもよかったら読んでみてください!

本日の書籍紹介は以上です!
冬休み特集となりましたが、何か参考になるものがあれば幸いです。

本年は皆様お世話になりました!
来年はより一層激動な一年になる予感ですが、楽しんでまいりたいと思います。

みなさまも良いお年をお迎えくださいませ!

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