見出し画像

[東大院試 過去問]東京大学大学院 工学系研究科 電気系工学専攻 対策 (情報工学)

本記事では東京大学大学院 工学系研究科 電気系工学専攻の院試について対策と過去問解答例について紹介します。

筆者は外部から受験し2023年に本専攻に合格しています。その経験から合格のために必要な対策をご紹介します。

電気系工学専攻の概要

まずは、工学系研究科の募集要項電気系工学専攻の募集要項を確認しましょう。
本専攻の入試手法は2020年以降大きく変更されました。ここでは2020年以降の筆記試験について説明します。
入試での選考は、書類による予備選抜本選抜の筆記・口述試験に分かれています。予備選抜ではTOEFLのスコア、学部時代の成績表、修士課程での研究計画書を提出します。応募者が多数の場合はここで人数が絞られます。

筆記試験

筆記試験では電気電子工学と情報工学の基本的知識を問う問題が出題されます。試験時間は150分で、日本語または英語で回答します。具体的に、受験者は以下の6つの出題範囲から2問を選択解答します。
出題範囲: 電磁気学, 電気回路, 情報工学I, 情報工学II, 固定物性, 制御・電気エネルギー工学

試験形態


2023年は, 試験は全ての過程においてオンラインで行われました。今後もこの形態が続く可能性はあります。

入試の難易度

皆さんが気になっているのは合格するためにどのくらいの点数を取らないといけないのかだと思います。電気系専攻の倍率は1.5-2倍であることが多いです。東京大学大学院では修士過程以上の学生のみ受け付ける研究室が多く、全体として外部の学生を入れやすい形になっています。加えて情報系は別の入り口として情報理工学系研究科や情報学環などがあり外部の学生はこちらを受験することが多く、工学系研究科に志願者が集中しずらいことも低い倍率にとどまっている理由になっています。

ボーダーライン

では、実際どのくらいのスコアを取れば合格するのかについても簡単に触れておきます。注意することは合格のボーダーラインと第1志望の合格ラインは異なることです。大学院入試は基本的にその学科の研究室を希望順に選択します。合格した際には指定された担当教員が持つ研究室に配属することになります。志望順位が高い研究室が非常に人気な場合、第1希望ではなくそれより優先度が低い研究室に配属が決定することも大いにあるため注意が必要です。
ここからは体感なので参考程度に理解してくれるとありがたいです。
合格ライン: TOEFL70点前後, 筆記6割
第1希望合格ライン: TOEFL75点, 筆記8割

電気系専攻ではTOEFL、筆記試験、面接の点数配分が公開されていないためどれくらいの比重で割り振られているかは分かりません。しかし筆記試験が合否に大きく影響するのは間違いないでしょう。ここの対策に時間を割くのが賢明であると思います。

情報工学の具体的対策

ここからは6つの出題範囲の中で、情報工学I, 情報工学IIについて出題範囲や対策を説明します。

情報工学Iの出題範囲

情報理論
・情報源と通信路
・相互情報量とエントロピー,通信容量
・情報源符号化
・通信路符号化
信号処理
・フーリエ変換
・標本化定理
・z 変換とディジタルフィルタ
・変調・復調

情報工学IIの出題範囲

論理回路
・ブール代数
・組み合わせ回路
・順序回路
アルゴリズム・プログラミング
・探索・整列(ソート)
・データ構造
・プログラム制御構造

さらに、過去出題された分野としては以下の表のようにまとめられます。

過去出題された分野の内容


2020年以前に比べて範囲が限定的になり、難易度易化、問題量減少が傾向にあります。対策が楽になる反面、ミスの少ない高得点が必要になります。
問題のレベルはそれぞれの分野の基本的内容を理解し、ある程度の演習を積めば十分に完答できるものです。教科書や学部時代の授業を振り返り基礎を固めましょう。
実際に勉強する際は教科書を用意して学習することをお勧めします。授業スライドなどでは内容が不十分であったり演習問題で実践練習をすることができないからです。私が実際に使用した教科書は以下のものです。

  • 情報理論: 『情報理論 改訂2版』(今井 秀樹  著)

  • 信号処理: 『信号解析入門 (電子・情報基礎シリーズ)』(越川 常治  著)

  • 論理回路: 『論理回路入門』(坂井 修一  著)

  • アルゴリズム・プログラミング: 『データ構造とアルゴリズム』(五十嵐 著)

情報工学 過去問解答例

上記の内容で電気系専攻の傾向・対策が理解できたのではないでしょうか。ここからは、実際に受験する方に向けて過去問解答例を紹介します。
大学院入試では基本的に大学側から解答例が公開されることはなく大手予備校が回答を作成することもないため、自力で解答を考える必要があります。外部から受験する方は一緒に勉強する友達がいないことが多く、参考になる情報が少なく困るケースがよくあります。そんな方の勉強の一助になるために私が以前に作成した過去問解答例を掲載します。
掲載されている解答例は2021,2022年度の情報工学I, IIです。2023年度の解答例も公開され次第追加する予定です。

この解答は筆者が受験勉強の際に実際に作成したものです。以下の免責事項を必ずお読みいただいてから購入をお願いいたします。

免責事項


できる限り正確に保つように努めていますが、本記事掲載内容の正確性・完全性・信頼性・最新性は保証されません。欠陥や不備などが原因で発生した損失や損害について一切責任を負いかねます。

2
本記事の内容は、全て本チャンネル運営側に帰属しています。無断転載、無断複製、無断改変、再配布など、運営側に不利益が生じる行為を固く禁じます。


ここから先は

186字 / 2ファイル

¥ 2,000

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?