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急成長の組織を支えるオンボーディングの仕組みを徹底解説!従業員体験はこうして設計する。

こんにちは!株式会社COMPASS 取締役の常盤です。COMPASSは「新しい学びの環境を創り出す」をミッションに掲げ、小中学生に対してAI型教材Qubena (キュビナ)を提供している会社です。

現在COMPASSは採用活動へとても力を入れているのですが、有り難いことに続々と新しい仲間の参画が決まっており、着実に組織が拡大してきています。ただ、採用はあくまでスタートに過ぎません。大事なことは、新しいメンバーを丁寧に迎え入れ、戦力となって活躍して頂くことです。この記事では、並行して何人ものメンバーが入社するなかで、いかにして手厚く、その上で効率よく、COMPASSがオンボーディングを行っているかご紹介できればと思います。

※オンボーディングを受けたメンバーのインタビュー記事です。ぜひ合わせてご覧ください。

オンボーディングプログラムの概要

COMPASSではオンボーディングを新たに採用した人材を職場に配置し、組織の一員として定着させ、戦力化させるまでの一連の受け入れプロセスと定義しています。この「組織の一員」と「戦力化」がオンボーディングにおけるキーワードで、この状態を達成する為に関係者が一丸となって取り組んでいきます。

オンボーディングプログラムのマニュアル資料の一部

受け入れる体制は、上長、バディ、人事の3者です。

上長は新メンバーが能力を十分に発揮できる状態を目指して、特に業務面の支援をしていきます。必要な業務知識の伝達や情報源の用意、また日々の活動に対して適切にフィードバックを行い、新メンバーを支えていきます。

バディは新メンバーが周囲に対して萎縮しない状態を目指して、会社のルールや「わざわざ上司の手を止めてまで質問するのもなあ」と感じてしまうような細かなことまで、新メンバーの1番手のサポートをしていきます。懇親会の開催などを行い、他部署との接点作りを行うのもバディの大事な役割です。

人事はオンボーディングプログラム全体の進行管理をします。その上で、定期的に新メンバーとコミュニケーションを取って労務状況を把握し、必要に応じて関係各所と連携をしながら臨機応変にサポートをしていきます。

では、これからこのメンバーで具体的にどのように受け入れを行っていくか説明をしていきます。


入社前の準備

良い仕事をするには良い準備が必要です。オンボーディングに対してもしっかりと入社前から準備を行っていきます。COMPASSでは月に2回、中途メンバーを迎え入れる日を固定で設定しています。これによって、入社者も同期入社のメンバーが生まれて、緩やかに横の連携に繋がるのと、受け入れ側の準備も効率化することができます。

PCや各種デバイス、アカウントの準備

まずメンバーの入社日に合わせて、各種のデバイスやアカウントを手配していきます。COMPASSはフルリモートで働く会社ということもあり、アカウントの種類は多くなる傾向があります。

PCやモニターはメンバーの希望通りのものを用意しています。そのため、入社者に対してヒアリング用のフォームを用意しており、入社が確定したタイミングで回答をお願いしています。特に希望がなければ、設定している標準機を貸与しますが、標準機でもメモリは16GB以上と業務を進める上で苦に感じないスペックを担保するようにしています。

入社者に記入してもらうGoogleフォーム

各種デバイス、アカウントは、上長にチェックリストの記入を依頼します。業務内容によって必要なものが異なるので、漏れなく手配する為にも部署ごとに準備物を固定するのではなく、人毎に記入を行うようにしています。

上長が記入するチェックリスト


オンボーディングバディの決定

人事よりオンボーディングのバディ候補を検討し、入社者の上長とバディの候補の上長に提案します。バディは入社者とは異なる部署から選ぶのですが、この人選がオンボーディングはもちろんのこと組織の活性化にも大きく影響するので、人事の腕の見せどころです。入社者とバディ候補者の経歴や性格面、業務上のシナジー効果、組織としての接点の持ち方などを考慮して決定します。直近の例では、マーケティング職の入社者に対してデザイン部のバディ、教育R&D職の入社者に対してシステム開発部のバディの組み合わせがありました。

バディを相談しているSlack


歓迎メッセージの準備

COMPASSはフルリモートで働いている会社です。選考時でも一度も対面せずにそのまま入社となるため、少しでも暖かみを感じて欲しいと、入社後にオンボーディングの関係者からそれぞれメッセージをお渡しするようにしています。ここはひと手間かける場所を捉え、一人ひとりにドキュメントを準備しています。

カスタマーサクセスのメンバーに送った実際のメッセージ


入社後の支援

オンボーディング期間は通常3ヶ月間としています。入社後は様々なオンボーディングのイベントがありますが、1ヶ月ごとに進捗確認とフィードバックをする機会を設け、継続的に改善ができる体制を取りながら進行をしていきます。

オンボーディングの大枠の流れ

ここから各種のオンボーディングのイベントについて紹介します。

キックオフ

入社日の午後にオンボーディングのキックオフを行います。参加者の都合でどうしても予定が合わない場合は入社日当日が難しいこともありますが、基本的には入社日直後の日程で行うようにします。

キックオフではオンボーディングプログラムの紹介に始まり、前述の歓迎メッセージをお渡ししたり、お互いに自己紹介をしたりと、なるべく和やかな雰囲気になるよう心がけます。COMPASSにはintro-mapと呼ばれる自己紹介用のスライド集があり、カジュアルな話題も含めて、メンバーが思い思いの自己紹介を繰り広げます。

常盤のintro-map

社長1on1

これは正直いつまで続けられるか不明瞭なところはあるのですが、2022年6月時点のオンボーディングプログラムでは、月に1度の社長との1on1を設けています。組織が大きくなるにつれて、メンバーは社長と2人で話す場所はどんどん減ってしまうと思うので、会社の方針から経営陣への要望まで、ざっくばらんに何でも話せる機会になればと考えています。また、社長にとっても現場のメンバーの動きが大枠でも把握ができる場として重宝しているようです。

上長1on1

上長との1on1は、オンボーディング期間に関わらず、最低でも隔週で実施することになっているのですが、オンボーディング期間は特に注力する期間として1on1が実施されます。いち早く戦力として活躍してもらえるように業務面で支援をしつつ、メンバーに対して何を期待しているのか?現状は期待に対してどういうギャップがあるのか?を丁寧にフィードバックしていきます。

また、必要な業務知識を効率よく習得するため、部ごとにNotionに情報が整備されています。フルリモートの働き方は既存メンバーが常に側にいてサポートすることは難しいため、個々に資料を読み進めておき、そこで生まれた疑問点を1on1で解消するというやり方はよく行われています。

プロダクトマネジメント部のオンボーディング資料
教科ごとにこうした資料が存在する

バディ1on1

バディのサポート範囲は多岐に渡り、「1番手の聞き役としてサポートする」というコンセプトもあり、毎日15分のように小刻みにコミュニケーションの機会を設定するバディが多いです。そこで日々体験する疑問点を解消したり、雑談をして息抜きの場を作ったりと、業務面とは異なる視点でサポートをします。バディが他のメンバーに声をかけてちょっとした交流が偶発的に行われることもあります。

バディが部横断の人間関係の接点に

取締役と意見交換をする会

取締役の1人ずつがそれぞれテーマを持って入社者と意見交換をする場を設定しています。

例えば、社長であれば「MVVについて社長が語る会」として、創業の経緯から過去のMVVの変遷、そして今のMVVにかける想いについて話します。その上で、入社者の今後の展望や、会社と個人のミッション・ビジョンで重なる点について意見交換します。

副社長であれば「中期経営計画、年間目標、事業戦略について副社長が語る会」として、中期経営計画 → 年間目標と策定に至る背景を話し、さらに戦略を実行する上での課題感や、教育市場や競合他社がどのように動いているかを説明します。その上で、入社者との質疑や、入社者が属する部署の活動の狙いなどについて掘り下げていきます。

プロダクト管轄の取締役であれば「COMPASSが提供したいLearning Experienceついて語る会」として、教育市場の中でも具体的に学習指導要領や教育方法(自由進度学習など)等について取締役が説明します。その中でCOMPASSがどのようなLearning Experienceを提供したいと考え、現在のプロダクトを開発しているか、今後どのようにプロダクトを伸ばしていくかを話し、入社者と意見交換します。

このようにマクロな視点から少しずつブレイクダウンし、各取締役が話すことで、会社に対する理解を深めてもらいます。

懇親会ランチ

オンボーディング期間は様々な懇親会が行われます。主な観点としては上長が業務上必要な接点作りの為に関係者を集めた懇親会を設定します。一方、バディは横・斜めの接点作りの為に部横断にメンバーを集めた懇親会を行います。会社としてもリモートワークでの人間関係作りはとても大事にしたいと考え、入社者に対しての懇親会には1回1,000円(1人あたり月10回まで)の補助をしています。

Gatherのバーチャルオフィス上で行われる懇親会ランチ


定期人事面談

さて、ここまで多くの取り組みを紹介してきましたが、そうした取り組みの結果、会社に慣れてきているか、業務面のキャッチアップは進んでいるか、人間関係で困っていないか、労働時間の過多になっていないか…等々、人事が毎月聞き取りを行います。ここで思わぬ課題が顕在化することもあり、非常に良い機会となっています。

発見された課題は上長やバディにフィードバックするとともに、オンボーディングプログラムそのものを改善し、よりより従業員体験が提供できるように磨きをかけていきます。

定期人事面談の実際の議事


オンボーディング進捗確認会

上述の定期人事面談が人事⇔入社者のコミュニケーションであるのに対して、オンボーディング進捗確認会は人事⇔上長⇔バディとのコミュニケーションです。3者からの支援状況を確認、入社者が課題に感じていることを共有し、翌月にどの点により注力して支援をするべきか議論をします。

人事、上長、バディと異なる観点で支援をしているからこそ、様々な課題を検討することができ、オンボーディングを成功させる上でとても重要なイベントです。

オンボーディング進捗確認会の実際の議事

クロージング

上述の内容を3ヶ月間繰り返していき、最後にクロージングの会があってオンボーディングは終了となります。この会では固定のアジェンダはなく、上司とバディからオンボーディング期間を通じての感想と今後のエールの言葉を頂きます。また、入社者からもオンボーディング期間を通じての感想、そしてこれからの目標や意気込みの言葉を頂きます。

クロージングの実際の議事


プログラムの標準化と進行管理

…ここまで読んで頂いた方、長文のnoteにお付き合い頂きありがとうございます。実はこの長文でも紹介しきれていないオンボーディングの取り組みが他にもあったりします。このボリューム感だからこそ、複数の入社者が一気に参画する時期は、漏れなく全タスクを行うのはなかなか大変です。そこで、オンボーディングを手厚く行うのと同じレベルで、オンボーディングを標準化することにも力を入れています。

使用しているツールはGoogleスプレッドシートとAsanaです。Asanaには CSV インポート機能 が付いており、スプレッドシートからCSVでダウンロードをしてAsanaでプロジェクト化します。スプレッドシートを利用しているのは、オンボーディングは契約形態によって行うことが変わるので、次のようにタスクの出し分けを管理するためです。

スプレッドシートで契約形態ごとにオンボーディングタスクを管理している

また、画像からもわかるように、Notesに具体的な手順を記載しています。こうすることで、タスクが属人化することなく、複数メンバーで担当を分担することが可能です。また、Asanaでプロジェクト化するので、進捗管理もチケットで見える化しながら行うことができるので、作業漏れのリスクも最小化できていると思います。

上記のスプレッドシートをAsanaプロジェクトに変換して進行


まとめ

以上、急成長の組織を支えるオンボーディングの仕組みを徹底解説!従業員体験はこうして設計する、でした。オンボーディングは非常に力を入れているところで、紹介をするのにかなりの文章量になってしまいました。現在、COMPASSのオンボーディングは一定上手く機能しているという自己評価なのですが、ここに慢心することなく、日々現場からのフィードバックを基に改善のサイクルを回していくつもりです。また新たな取り組みが形になればその時はnoteで紹介させてください。

最後にお決まりのものを。COMPASSでは引き続き採用活動を積極的に行っています。もしご興味があればご連絡を頂けると嬉しいです!!

応募する前にまずは話だけでもという人はカジュアル面談をぜひどうぞ!

COMPASSのことをまずはもっと知りたいという人は公式noteをぜひご覧ください!

特にこの入社エントリーはCOMPASSの雰囲気がよくわかるのでお薦めです!

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