【MTG】ヒストリック初心者がArenaOpenDay2で7-0するまでにやったことメモ
1. はじめに
2021/9/11~13の期間で開催されたArenaOpenの2日目で7-0しました。フォーマットは「Jumpstart: Historic Horizons」実装から大きな大会がほとんど無かったヒストリックで、普段リミテッドばかり遊んでいる自分には馴染みの無い環境でした。
しかも、もともと参加する予定は無く、たまたま初日を抜けたから慌てて構築を考えた末の、まさしく「棚から牡丹餅」の成績だったと言えます。
そんな自分がArenaOpenで完走するまでにやったことをメモ書き程度に残しておこうと思います。
2. やったこと
やったこと、と言ってもあまり特別なことはしていないと思います。
[1] 配信の視聴 → ふんわり環境理解
[2] BO1でミシックまで遊んだ
[3] SCG等で結果を出したデッキを参考に調整
以上です。
2-1. 「配信の視聴 → ふんわり環境理解」
もともとSTX環境までのヒストリックは、
① ジェスカイ・ターンのようなコントロール
② 遅いデッキを咎めるクリーチャー軸の雑多なビートダウン
③ クリーチャーデッキを咎めるジャンド・サクリファイス
これらが3竦みとなって、メタが形成される環境だったと思います。
その後、「Jumpstart: Historic Horizons」(以下、J21)が実装されて、環境は大きく動きました。ざっくり以下のアーキタイプが強化されたり増えたりしたと思います。
◇ 部族
> 人間
> マーフォーク
> ゾンビ
> 吸血鬼
> ゴブリン
> シャーマン
> エルフ
> スリヴァー
◇ コンボ
> 《夕暮れヒバリ》
> 《不屈の独創力》
> 《ティボルトの計略》
> 《小走り樫》
◇ ビートダウン
> 《硬化した鱗》
> グルール・ストンピィ
> 版図
> 親和
◇ 墓地利用
> イゼット・フェニックス
> ラクドス・アルカニスト
> リアニメイト
◇ 青系コントロール
◇ ジャンド・サクリファイス
◇ エンチャントレス
J21実装当初、特に注目されていたのはアリーナ独自能力の「永久に/Perpetually」を悪用する《夕暮れヒバリ》コンボだったと思います。他にも、新規カードが大量に追加された部族や、スペル系のデッキもよく回されていた印象です。
ただ、《夕暮れヒバリ》デッキは弱点も多く、雑多な部族デッキも淘汰され、コントロール要素のある《不屈の独創力》コンボが一歩抜け出す形になりました。これは手掛かり・宝物トークンを《セラの使者》に変えて詰み盤面を作るデッキです。
そうすると、今度はコンボに強いコントロールデッキが流行り始めました。《マグマ・オパス》に《ミジックスの熟達》や《奔流の機械巨人》を採用したジェスカイ・オパスです。これもコンボ要素のあるデッキですが、各方面への対応力が高く、実質的なTier1デッキに躍り出ました。
――といったことを、BIG MAGIC所属プロの斉田さんの配信を拝見する中で学ばせていただきました。黒猫の六太くんがとても可愛い配信です。
J21実装からArenaOpenまでに大きな大会がほとんど無かったこともあり、9月上旬時点の自分の環境理解はおおよそ上記のような状態でした。
2-2. BO1でミシックまで遊んだ
スタンダードのカードをドラフトで集めるリミテッダーあるあるだと思うのですが、J21実装時点でワイルドカードがかなり余っていました。
こうなりません?
環境がほとんど変わっていないスタンダードをやる気にもならず、AFRのレアも全て集め終わっていたので、せっかくだしBO1ヒストリックを遊んでみようと思い至りました。幸い、配信を視聴してなんとなく環境は把握していたので、前から組もうと思っていた人間デッキを組み上げるのにそれほど時間は掛かりませんでした。
BO1用に組んだ初期デッキ
各カードの役割は以下の通りです。
◇ コントロールやスペル連打デッキの対策
・《エスパーの歩哨》
・《スレイベンの守護者、サリア》
・《帆凧の掠め盗り》
◇ 墓地利用やコンボ、《集合した中隊》等への対策
・《ドラニスの判事》
・《封じ込める僧侶》
・《ドラニスのクードロ将軍》
・《魂の管理人》 ※《夕暮れヒバリ》コンボの遅延とアグロ対策を兼任
◇ 独創力等のフィニッシャー対策
・《巨人落とし》
・《不吉な戦術》
◇ 単純に強い
・《月皇ミケウス》
・《スレイベンの検査官》
・《サリアの副官》
・《精鋭呪文縛り》
・《イーオスのレインジャー長》
・《イーオスのレインジャー》
あとは、《スレイベンの守護者、サリア》を引き過ぎると困るから3枚にするか悩んだ末、80枚デッキで4枚採用することに思い至り、BO1用の《空を放浪するもの、ヨーリオン》型オルゾフ人間デッキが組み上がりました。
途中で部族デッキ相手がきつくて《激しい恐怖》をメインに採用するといった調整を加えましたが、プラチナ帯からミシック帯までのBO1勝率が66%で、地力のあるデッキが組めたと個人的に満足していました。
後手に課題あり
2-3. SCG等で結果を出したデッキを参考に調整
ArenaOpenが始まった当日はワクチンの副反応で寝込んでいて、もともとジョインする気はなかったのですが、残り3時間ぐらいのタイミングでだいぶ熱が下がっていたので1回だけ記念受験することにしました。
その際、MTGMeleeで確認できるSCGの上位デッキや、Twitterで話題にあがっていたデッキをざっと確認しました。
1. ジェスカイ・コントロール
> 《不屈の独創力》
> 《マグマ・オパス》
> 《サメ台風》
2. ジャンド・サクリファイス
3. 部族
> 人間(白単・アブザン)
> マーフォーク
> ゾンビ
> シャーマン
4. 《集合した中隊》(上記部族にも存在)
> グルール
> セレズニア
5. 墓地利用
> ラクドス・アルカニスト
> イゼット・フェニックス
6. その他
> オーラ
ジェスカイ・コントロールに強い人間(白単・アブザン)が勢力を拡げたようでしたが、BO1で遊んでいた頃と大きな違いは無さそうに思いました。もちろんBO3とBO1では環境が違うので妄信はできないのですが、記念受験なのでそれほど深く考えず手持ちのデッキでBO1に突撃しました。
【対戦成績】
R1 o 黒単吸血鬼
R2 x シミック・マーフォーク
R3 o ジャンド・サクリファイス (ジェガンサ)
R4 o ラクドス・アルカニスト (ルールス)
R5 o ジェスカイ・コントロール
R6 o セレズニア・ライフゲイン
R7 x セレズニア・ライフゲイン
R8 o オルゾフ・スタックス (ヨーリオン)
R9 o シミック・ミッドレンジ
すると思いがけず7-2で抜けました。記念受験のつもりだったのでサイドボードは用意しておらず、残り5時間で細部を詰めることになりました。
もともとメタ上のデッキにある程度フィットさせていたので、大枠は良かったのですが、以下の問題点が気になりました。
① コントロール相手に《激しい恐怖》が腐る。
② ラダーでも初日予選でもライフゲインに負けており、特に《太陽冠のヘリオッド》に触れないのは問題。
③ マーフォーク等に《激しい恐怖》が間に合わない場合もある。
④ 人間同型相手だと《激しい恐怖》が刺さりにくい。
⑤ SCG上位デッキのサイドボードの《赦免のアルコン》への対策が必要。
上記①~④への解答になったのが《スカイクレイブの亡霊》です。人間ではないですが、一応2/2で殴れるのでコントロール相手でも完全には腐らず、対クリーチャーデッキには《空を放浪するもの、ヨーリオン》のブリンク込みでゲームスピードを遅くすることができると考えました。
そして⑤の《赦免のアルコン》については、《致命的な一押し》をサイドに用意することにしました。もともとBO1ラダー成績で後手番55%であったことからも除去の追加はマストで、《巨人落とし》との組み合わせで環境のほとんどの相手に対処可能なことを考えると、《致命的な一押し》がベストカードであろうという結論に達しました。手掛かりトークンや《空を放浪するもの、ヨーリオン》で紛争もできますし。
あとは《ドラニスの判事》や《封じ込める僧侶》等のかさ増しをしつつ、ジェスカイ・コントロール用のサイドボードとして《黒き剣のギデオン》を用意しました。点数火力に頼っているジェスカイ・コントロールがこのギデオンを一発で落とすのは難しいはず、と予想したからです。
SCGで若干増えていた《恋煩いの野獣》等を採用したセレズニア・カンパニー対策に《巨人落とし》を増やし、以下のリストが完成しました。
サイドボードは実戦で試す時間も無く決めきれなかったので、ざっくり以下のように考えました。
対ジェスカイ・オパス
- 《スカイクレイブの亡霊》
+ 《黒き剣のギデオン》
+ 《安らかなる眠り》
対クリーチャーデッキ
- 《エスパーの歩哨》
- 《帆凧の掠め盗り》
+ 《致命的な一押し》
+ 《不吉な戦術》
+ 《激しい恐怖》
対人間
- 《エスパーの歩哨》
- 《スレイベンの守護者、サリア》
+ 《致命的な一押し》
+ 《不吉な戦術》
+ 《激しい恐怖》 ※後手
その他
+- 適当に
サイドに《赦免のアルコン》がありそうな白相手は《帆凧の掠め盗り》を残すことと、こちらが後手で除去スペルを撃っていく展開が予想される際には《スレイベンの守護者、サリア》を抜くことを予め考えておきました。
以上の机上デバッグ状態で臨んだ結果は以下の通りです。
【対戦成績】
R1 xoo 黒単吸血鬼
R2 oo- 《ティボルトの計略》
R3 xoo 赤単シャーマン?
R4 oxo ジェスカイ・オパス
R5 oo- セレズニア・カンパニー
R6 oxo セレズニア・カンパニー
R7 oxo ラクドス・アルカニスト(ルールス)
序盤3マッチの黒単吸血鬼、《ティボルトの計略》、赤単シャーマンは意表を突かれましたが、イベント開始後さっさと始めたので、こういったローグと当たりやすい状態だったのかなと思います。イベント後半になるほどロングゲームを制してきた強豪のジェスカイ・コントロールと当たりやすくなる感じだったのではないでしょうか。
3. まとめ
以上、長々と書きましたが、結局やったことは非常に単純で、
[1] 日常的に配信を観ていて
[2] なんとなくBO1で遊んでみて
[3] SCGの結果を参考に慌てて調整した
となります。BO1で遊ぼうと思ったデッキが運良く環境的に強くて、そのまま完走することができたという幸運なパターンだったんじゃないかと個人的には思います。
あと思いつくこととして、環境のデッキの数は多いのですが、実は構造的に似通ったものが多く、ヒストリック初心者だからこそ抽象度の高い状態で環境を捉えて、全方位に戦えるデッキを用意できたことが良かったのではないでしょうか。トッププロの洗練されたメタゲームではなく、ArenaOpenという雑多なデッキが飛び交うイベントだからこそ、噛み合いが発生したということもあるように思います。もっと環境が進むと、ふわっとした考え方では通用しなくなりそうな気がしますね。
余談ですが、実はKHMのシールドArenaOpenでも6-2していて、次は7勝を目標にするぞ、と意気込んでいたらまさか構築フォーマットで完走するとは思いませんでした。なんだかんだ、リミテッドは地力向上に効果があるのかもしれません。次の予選ウィークエンドはMID環境のシールドだったはずですし、リミテッドのラダーバグが直っていればまた走り込もうと思います。
以上、ここまでお読みいただきありがとうございました。
@takuwan_takusan
あと、これを読んだ将来の自分は運で勝てたことで慢心していないか再確認するように。
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