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【令和5年度全事研セミナー:葛西先生講話の感想】

いつもありがとうございます。
AIやロボットに仕事を奪われるぞやばいぞー!ということが言われて10年くらい経ってますが、「遅えよ、早く奪ってくれよ。」とずっと思っている、学校事務職員のタクトです。 
#そしたら定例業務から解放されてもっと学校運営参画できるじゃんね

さて、今回も全事研セミナーの感想です。
愛知県立大学の葛西耕介先生の講話についてです。
よろしくお願いします。


講話の形が最高

講話と言っても、半分はディスカッションの時間を設けてくれてあって、近くの席の学校事務職員の方たちと話し合いをすることができました。

今までの(僕が知ってる中での)全事研セミナーではこんな形はなかったのでちょっとびっくりしたんですが、全く違う県の方のお話を聞けて(こちらも話せて)、参考になったし刺激にもなりました。

というか、個人的には、他県の方と少しでも交流したくて現地参加にしたのでめちゃくちゃありがたかったです。
#ただセミナー聞くだけならオンラインで良い
#あと単純に全事研セミナーに来るくらいモチベ高い方と話すの楽しい


ということで、流れ的には、講話とディスカッションを交互に行っていく形でした。

僕らのグループでは時間的に、自分たちの考えをまず話すみたいなとこで終わってしまって、話題提供いただいた情報を深堀りするところまでいけなかったので、今回の記事では、先生の講話を聞いて印象に残った言葉と自分が考えたことを書こうと思います。
例によって自分の記録です。

消える職業、10年先の働き方・労働

AIやロボット等で代替可能性が高い100種の職業「学校事務員」「行政事務員」がランクイン

ひと昔(いや、ふた昔)前の学校事務の仕事では代替可能だったかもなとも思いますし、事務作業をする仕事という意味ではランクインしちゃうだろうなと思います。今の学校事務職員の方たちは、ロボットでは代替不可能な「学校運営参画」に目を向ける意識はほとんど皆さんあると思いますし、僕自身も、自分がやってる仕事内容は代替不可能だとはっきり言えます。ただ、「学校事務職員」がそういった仕事だと認識されている事実には目を向けなきゃいけないなと思いました。

創造性、協調性が必要な業務や、非定例な業務は、将来においても人が担う。

ここの注釈で、「抽象的な概念を整理・創出するための知識が要求される職業」「他者との協調や、他者の理解、説得、ネゴシエーション、サービス志向性が求められる職業」は、人工知能等での代替は難しいとされてました。
個人的には、学校事務職員にもちゃんと当てはめられると思います。

「学校教育目標」という抽象的な概念の目標に向かうために、予算やルールを上手く活用して学校経営を補佐していくのが学校事務職員。
教員と協調しながら教育活動を理解して、仕事を進めるのが学校事務職員。
事務処理について教員へ説明・説得をすることもあるし、未納家庭の保護者に納付の説得をすることもあります。管理職と交渉して事務改善をすることもあれば、業者さんと交渉して予算を有効活用することもある。
各種手続きや事務処理に関しても、保護者へのサービス志向は必須ですし、その間にいる子供への配慮も意識します。
ただ文字どおり事務的な対応をしているだけでは、学校経営が成り立たない立場にいることが伝わっていくと・・・というか発信していかなきゃいけないなと感じました。

産業のあり方。かつて(~1980年代)と現在(1990年代~)

現場に裁量。現場判断。「唯一解」から「最適解」へ。

産業の在り方の比較で、かつては「ピラミッド型組織(指揮命令)が効率的。」で「唯一解」があった社会や会社が、現在では、「現場に裁量。現場が判断。」で「最適解」を求めるようになったと話がありました。

学校事務職員で考えると、事務センターや共同学校事務室ができて事務の集中処理や効率化が図られているのはとても良いことですが、各学校に学校事務職員がいて、現場(学校)で仕事しているということの意味を忘れちゃいけないなと改めて思いました。

いつも仕事をしていて感じるのは、日常的に学校にいて、その学校の教育活動や児童・保護者の様子や、先生たちの様子、校長先生の考えを知ってるから・・・というより肌で感じているからこそできる判断や提案がたくさんあるということ。
ここの感覚は学校事務職員として大切にしなきゃいけない部分だと思うし、そここそが“学校”事務職員の存在意義だと思うので、いつも頭おいて仕事をしたいと思います。

「チーム学校」の意義と機能させるための条件

異なることに意義がある。

教師中心で同質的な学校に対して、多様な職種からなる「チーム学校」。チーム学校においては、各職種の仕事の仕方、重視する価値・「正しさ」、学歴・職歴・国籍などバックグラウンド、雇用形態、目につくポイント等が異なることに意義がある、というお話をされました。
(良い悪いでなく)構造上、教員中心の考え方や動きになる学校という職場において、多様性のあるチーム学校として機能させるには、確かに“教員と異なる”他職種がたくさん関わってくるチームにすることが大切だと思います。学校事務職員のような一人職だけでなく、週数日勤務の支援員さん等も含めた学校で勤務する多くの職員が当たり前に関われる組織にしたいなと思います。

教師以外の他職種の役割は、学校文化・教師文化を理解しつつ、距離をとること

多様な職種からなるチーム学校を機能させるためには、教員側も他職種側も、おたがいに(自分と違う文化や考えの)相手を受け入れる意識が必要です。

他職種側は、自分の専門性をもって、教員と関わりますが、(教員が大半を占める)チーム学校という場では、学校文化や教師文化を理解し踏まえた上で立ち振る舞うことが必要だと思います。
「自分は教員ではないから」と言って合わせることをしなければチームとして成り立たなくなる(教員から認められない)と思いますし、かと言ってすべてを教員に合わせていたら、そもそも専門職の自分たちがいる意味が薄まってしまいます。

僕たち学校事務職員は一人職なので、専門職として何かをやりたくても、まず教員に受け入れてもらわないと、学校全体を巻き込むような仕事はできません。なので、葛西先生の「理解しつつ、距離をとること」という言葉は自分の中でとてもしっくりきました。

お話を聞く中で、「教員とは異なる意見を言える人」であり、かつ、「異なる意見を言ってもチーム(教員)に受け入れてもらえる人」になる必要があるなと感じました。

教員に寄り添いつつも、堂々と異なる意見を言える存在を目指していきたいです。

学校事務職員の仕事はどう変わる/どう変える?

学校づくり・条件整備の「答え」は多様に存在する。

心の中で「いや、ホントそうなんだよ。」と100回つぶやきました。

僕は、今の自分の学校にとって日本中で一番の学校事務(運営参画)ができるのは自分しかいないと思って仕事してますが、たぶんコレ、ホントはみんなそうなはずで、上の役職だから全然知らない学校の最高の学校事務ができるかと言ったらそんなことないと思うんです。

やっぱりその学校にいて現場のことを理解してる自分っていうのはめちゃくちゃ強みで、「学校現場にいる自分(現場理解)×学校事務職員としての自分の能力(個性)」を上手く掛け合わせるのが“今の自分の学校”にとっての最高な学校事務になるはず。

となってくると、学校づくりの「答え」は、そのときの学校現場の状況や、そこで仕事する学校事務職員の個性によって全然変わってくるので多様に存在すると言えます。

以前、僕の大好きな学校事務の先輩が同じようなことを言っていて、地区内各校の集金計画の情報を集約して共有してくれたメールの最後に、「自校のベストな方法は、自分の学校にしかありません。」と書いてくれていたことを思い出しました。

改めて自分の学校の自分なりのベストな「答え」を追求してけばいいんだなと感じました。

校長と学校事務職員は、組織のパフォーマンスを上げるべく、多様性のある組織づくりを

学校事務職員って、組織づくりをする上でちょうど良い立場にいると思ってます。
まず、学校全体の予算や情報を扱うという立場なので、校長や教頭を始め、一般教員や非常勤職員、保護者や地域住民、PTAや自治会、学校に出入りする業者さんたちなど、学校内外の様々な人たちと接点があります。
教員に対してもそうで、学年集団ほどのつながりはないですが、逆に、各学年主任や分掌主任、各学級担任など、ほぼまんべんなく全ての教員との接点がつくれます。また、接点はありつつ教員ではないという立場なので、違う立場同士だからこそ繋がりをもてたりすることもあります。

そんなちょうどよい立場にいる学校事務職員は、色々な垣根を越えて人と繋がれる、人と人を繋げられる存在を目指すことも可能だと思いました

学校事務職員 どんな職能(専門性)を高める?

職能を経営・運営に設定する

「職能(専門性)を“スキル”のレベルに設定しない。職能を、経営・運営に設定し、マネジメント・リーダーシップを担う。」というお話がありました。
僕は元々、正確さとか正しさみたいなものが目的化しちゃってる仕事が好きじゃなくて、自分の仕事の軸を、「教育活動への影響」や「教職員との関わり」に振っちゃった人間なので、自然とこっちよりの方向になってましたが、葛西先生のお話を聞いて絶対この方向だなと思いました。
だって、仕事のレベルを正確な処理とかスキルだけで測るようになったら、AIやロボットに僕らが勝てるわけですもんね。
それよりも、人の思いを汲んだり人との関わりの中で進めてたりしていかないといけない、経営や運営の質を上げることに拘りたいです。

処理でなく、創造に意識をもっていく

「ヒト・モノ・カネ、情報について、既存のものの使用・執行・処理ではなく、それらの創造・開発・増殖に意識をもっていく」というお話もありました。

「予算の執行ではなく、新たなカネの獲得・編成」ということも言われていて、個人的には結構衝撃的でした。
#確かにお金ひっぱってこれる学校事務職員めっちゃ強い
こういったことを学校事務職員みんなが当たり前にできるようになるのは中々大変だとは思いますが、「新たな仕組みの創造・提案」、「指示を受けるのでなくアイデアを出す」といったスモールステップでできそうなことも提示いただいたので、各学校で取り組みを積み重ねていくことが大事だと思います。

思いつくままに書いたら長くなってしまいました。最後まで読んでいただきありがとうございます。
学校現場からは以上でーす。



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