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MOGANAー過去と未来の調和

「MOGANA」は2018年12月に建築家「山口隆」氏によって設計されたホテルです。


歴史的にはまだ新しいホテルですが、細部までこだわり抜いた空間は早くも話題になっています。


今回は「MOGANA」の魅力について語っていきます。

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ロビー

MOGANAは二条城から徒歩7分、小川通りの目立たない位置にあります。

エントランスは小さな坪庭になっており、ロビーから植栽を眺めることができます。

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ホテルに入ると、低い位置に受付デスクとチェアが置かれていて、壁に金箔のアート作品が飾られています。

不要にものを置かずに、空間の余白を楽しむというのがMOGANA流。

スタッフさんの制服もシンプルで、洗練されたスタイルでした。

受付が終わると、スタッフの方がお部屋まで案内してくれます。


通路

まず、エレベーターに乗って部屋へ移動するのですが、最初に驚いたのがこの通路。

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左右の間口は狭めで、奥行きの広さは何倍にも感じられるという京町屋の基本形「うなぎの寝床」をモチーフに作られているそうです。

38mという長さがありながらも、単調にならず一部の壁や天井が波のように起伏した作りになっているのが特徴的。

まるで本物のうなぎが泳いでいるような「生物感」があります。


通路はセンサー式になっており、人を感知すると、自動的に前方から電球が付いていきます。仕掛けも凝っていて、驚かされました。


読書スペース

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通路を歩いていくと、右手側に天井高く吹き抜けになった読書スペースが作られています。

読書スペースには巨大な壁面スクリーンがあり、日本の四季を感じさせる風景映像が映し出されます。

本棚には、日本の建築やファッション。美術についての本が目白押しです。

旅で疲れた腰を下ろして、読書に耽ることができますよ。

長い通路を歩き、エレベーターで部屋まで上がっていきます。


黒の部屋

カードキーを使ってお部屋に入室。
服や着物が入っているクローゼットに、大きなバスタブを抜けると、部屋を見ることができます。

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入室すると予想以上の広さでしたが、それ以上に驚いたのが圧倒的な空間の美しさです。

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墓石にも使われるという「黒御影石」を用いた「黒」の空間。

日本瓦を思い出させる天井。職人発注のもと手作りされた風合いのある茶器セットや盆栽。

デザイナーオリジナルのソファーとテーブル。うす暗い室内を柔らかく灯す間接照明など。


言い出すとキリがありません。なにより壁面に植えられた植栽がダイナミックに空間に彩りを与えます。


今まで色んなホテルを巡ってきましたが、ここまで独創的な空間はなかったかもしれません。

日本古来の陰影を感じさせる美しさと、近未来的な壮大さが入り混じった唯一無二の空間です。

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過去と未来が錯綜する空間のなかに現在の「私」が居る。そんな浮世離れした気持ちにしてくれます。


「黒の部屋」は最上階に位置しており、巨大なガラス窓からわずかに聞こえる「風の音」

散っていく「植栽の美しさ」をより雄大に感じることができます。

部屋にTVがないのも納得。このお部屋は静謐な情感を楽しむ類のものだと思います。


浴室

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浴室はジンバブエ石を用いたゴージャスなバスタブが特徴的。

浴室にも大きな窓が設置されていますが、わずかな陽光のみが空間を照らしてくれます。

この美しさはまさに「侘びさび」といって良いくらい絶妙な光加減です。

シャワータイム中はこの光加減と水が反射したせいか、天井に模様のような形の光が現れます。

これがなんとも幻想的なのです。


着物

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シャワーを済ませ、せっかくなのでクローゼットに用意されていた着物を着てみました。

これはmatohuと呼ばれるブランドで、シックなビジュアルがとても好みでした。

yohjiyamamotoなどが好きな人は、必ず気に入るデザインだと思います。

着心地も最高です。


BAR

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静かな時を満喫した後は、2階にある「Bar mogana」で軽く飲食。

宿泊者はドリンク一杯無料となります。

私はお酒にはあまり詳しくないのですが、カンヌ映画祭で供されているというワインをいただきました。


Barでありながら、アルコール類を一切並べず、美しく光る一枚板と金箔の張られた天井がグッド!


一切の無駄を排し、調和された空間は見事という他ありません。


マスターもおっとりとした方で、おすすめのお店などを教えてもらいました。


この日は誕生日の利用だったのですが、部屋に帰るとスタッフの皆さんから誕生日プレゼントが送られていました。

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お酒入りのチョコレートで、とっても美味しかったです。


BAR利用後は、部屋で本を読みながら大きなベッドで就寝。とても贅沢な時間を過ごせました。


朝食

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翌朝、朝食はルームサービスで部屋に運ばれてきます。

淡路島で取れた色鮮やかな食材に加え、様々なスパイスやソースで食べることができます。

結構ボリューミーですが、もっと食べたくなるくらい美味しかったです。

また、この味を楽しみたいですね。


今日は京都の「MOGANA」を紹介してきました。

単純に「和」だけでは済まされないほど、独創的なアイディアと美意識が散りばめられたホテルです。

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ホテル名の「MOGANA」は、日本語の古語で「~であったらいいなぁ」という意味を持つそうです。


私にとって正にMOGANAは、こんなホテルあったらいいなぁという願いを全て叶えてくれるホテルでした。
絶対に忘れることのない極上の時間を味わってください。



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