【ニュース読解】4月12日日経ヴェリタス

こんばんは、フィナンシャルプランナーの黒猫文具店です。
春は桜の記事ですが、今年はちょっと開花の時期が早かったようです。暖冬だったのですね。昨年の消費増税、暖冬に伴う季節消費減、そしてコロナと、第4Qは日本株にとってあまり良い環境ではありませんでした。

■コロナ危機後はインフレがくる?
先週の記事では年度末の株価予想について日経ヴェリタスの記事をご紹介しましたが、今週のヴェリタスの異見達見にはコロナ後はインフレになるかもという記事が出ていました。

というのも、コロナの影響はモノやサービスが買えなくなるという供給サイドの問題があるからです。経済が回らなくなっているので不況には違いないですが、供給が絞られた上に各国の現金給付策によってカネ余りとなると急激なインフレになる可能性もあります。

そういう意味では不況で金融商品を一気に手じまいするという方法はあまり上策ではなく、リスク低減のための資産組み替え策が大事な局面かと思います。

■信用危機、薄氷の封じ込め
ヴェリタスの1面以降の特集記事は債券市場の下落とFRBの資金供給について報じています。

いま債券市場はリスクオフの流れで資金が抜けており、債券価格が大きく落ちています。一つの要因は格付低下。一般的に債券の格付はトップのAAAから順にAA、A、BBB、BB、B、CCC…と下がっていきますが、格付が低い銘柄ほどリスクを取って投資するため、リスクテイクに応じて金利が高くなる仕組みになっています。

今回のコロナ危機では、企業の先行き不透明感が強くなったため、格下された企業も出ました。格付はBBB以上が投資適格債券、BB以下はジャンク債とされていますが、例えば米自動車会社大手のフォードもBB格に転落しました。

格付が投資適格債で無くなった場合、年金基金等の大規模な運用主体が規定上投資出来なくなる等の影響が出るため、大きく売り込まれることもあります。

FRBの資金供給策は格付が投資適格でないBB格まで対象になるという点でこれまでにないリスクを取ったプログラムです。それほどFRBの景気安定策が本気ということでしょう。とはいえ、3月以降、米国の企業倒産への危機感は指数にも如実に出ており、しばらくは投資についても慎重姿勢が続きそうです(了)。