【ニュース読解】4/5日経ヴェリタス

こんばんは、フィナンシャルプランナーの黒猫文具店です。全国的に外出自粛の週末、いかがお過ごしでしょうか。暇に向き合うのは教養が試されるものですね。ちなみに私はゲームをしてます。怠惰。

■コロナ相場持久戦 20年度の日米株 プロはこう見る
ヴェリタスなので転載できませんが、年度替わりらしく株価予想の記事です。年末年始など、節目の次期になると各社のアナリストが日経平均の予想株価を出していますが、実はこの株価予想、意外にシンプルな構造になっています。

■株価予想はP・E・R
平常時の株価の割高・割安はPERをみるといいです。PERとは株価収益率。次の式をご覧下さい。

③株価収益率(倍)=①株価÷②一株あたり当期純利益

①は時価です。
②は直近決算期の純利益(儲け)÷発行済株式総数です。

たとえば前期100億円の純利益(儲け)を出して決算を終えた会社Aが1億株発行している会社だったとしたら一株あたり利益は100円です。(100億÷1億=100)
 ↓
この会社Aの株価が1500円だとすると、1500÷100=15なので、会社Aの株価収益率は15倍と計算出来ます。

株価収益率は一株あたりの儲けに対して株価が何倍まで買われているかを示すものです。というのも株価とは投資したら将来得られる収益期待値だからです。会社Aは会社Aの儲け15年分の価値ということです。ちょっと株価収益率の式を読み替えてみましょう。

①株価=③株価収益率×②一株あたり純利益

この式は項を入れ替えただけの同じ式です。会社Aの収益は当然決算ごとに変動しますね。たとえば今期は先期の2倍の純利益が見込める!となれば株価収益率15倍という期待値が変わらなければ、株価は理屈の上では2倍になります。

■日経平均のPER
ちなみに日経平均のPERは前日終値で計算した分がマーケット欄に載ってきます。直近だと4月3日終値が載っている土曜日の新聞が最新です。

PERは11.89倍。
また、同日の終値は17820円19銭ですから、日経平均株価の一株あたり純利益は1498.75円(切捨)となります。大体日経平均のPERは過去の平均が14〜16倍くらいです。いまのPERは11.89倍とかなりの割安といえそうです。

とはいえ、いまはコロナ危機で平常時ではありません。将来の②純利益も減りそうですし、その分を織り込んで株価が推移しているため、低PERとなっているものと思います。

■日経ヴェリタスの株価予想は割れた
持久戦派は株価は二番底をつけるし、株価低迷は長期化するという意見。対して早期収束派は3月安値は下回らないものの株価は再度調整しつつ夏までに収束するという見方です。

人間の心理として理論値まで一気に株価が収斂することはまずなく、上昇五回、下降三回の波で調整されるといわれます(信じるか信じないかはアナタ次第ですが…)。

日経ヴェリタスの論客の予想バンドを見ると一番安値の予想で1万3800円、一番高値の予想で2万5000円となっています。

1万3800円はPERの9.20倍(切捨)ですが、コロナの影響で将来の企業の利益が35%減ったとすると日経平均の一株あたり純利益は974.18円なのでその14倍程度という予想と思われます。ちなみにこの予想は早期収束派の方の4〜5月の予想です。

逆に2万5000円の予想は来年3月頃のもの。PERは16.68倍とやや割高の水準まで行く局面もあるだろうとの予想です。これは政策効果を織り込んでのもの。アメリカ初め世界各国が巨額の財政出動をして景気対策を行うので、当然株価へのプラスの影響がでるはずです。コロナ収束によって景気浮揚効果が株価を押し上げるという予想と見ました。

いずれにしても次の相場の転機はコロナのワクチン開発等で収束への道筋が見えることだと思います。それまでは不安定な相場観になりそうですが、長期投資スタンスで基本に立ち返った財産管理をしていきましょう(了)。