鉄ちゃんと足りてる?
前回の記事で鉄の機能について書きました。
今回は鉄の摂取について書いていきたいと思います。
まずこの表を見て下さい!
厚生労働省の調べによると日本人の鉄の摂取量は2000年を境に急激に減ってきている傾向にあります。
ではどれくらい鉄を摂取すればいいのか
鉄の1日の摂取量の目標 10~20mg/日
とされています。
貧血の人20mg以上摂取してもいいくらいと言われています。
「じゃあ何食べたらいんだよ!」というところで話を嚙み砕いていきたいと思うのですが、先に言っておくと鉄には2種類の鉄がいます。
ヘム鉄か非ヘム鉄かです。
ヘム鉄と非ヘム鉄
まずは鉄の多い食べ物をザーッと書いていきます!
牛肉 羊肉 馬肉 カツオ マグロ レバー 白身魚 豆類 ごま 貝類 味噌 青のり ひじき 卵 etc...
こうしてみると割と意外と馴染みのあるものが多いですがここからヘム鉄と非ヘムの話に入っていきます。
先ほども書いた通り鉄には吸収のされやすいヘム鉄と吸収されにくい非ヘム鉄に分けることができ、どちらかが多いかを食品によって分けることが出来ます。
ヘム鉄
牛肉 羊肉 馬肉 カツオ マグロ
非ヘム鉄
レバー 白身魚 豆類 ごま 貝類 味噌 青のり ひじき 卵
ヘム鉄は動物性由来、非ヘム鉄は植物性由来に分かれている中レバーは動物性に関わらず非ヘムが多い食べ物でもあるのです。実際間違う人も多いのですがレバーはヘム鉄も非ヘムも含有量が多く、比率で言うと非ヘム鉄が多い食べ物に分類されます。
次に吸収率です!
ヘム鉄 10~25% 非ヘム鉄 2~5%
となっています。
なぜ非ヘム鉄は吸収されにくいのか?
非ヘム鉄が吸収されにくいのは植物性由来の食べ物には食物繊維が入っているということが原因としてあります。
もともと鉄や他のミネラルは消化管で吸収されにくく吸収される場所が十二指腸、空調であるのが特徴ですが、食物繊維は胃や十二指腸などの上部消化管では吸収されず大腸で消化されます。大腸にはそもそも鉄を吸収する機構がないので、食物繊維の多い物を摂取をすると鉄の吸収が間に合わなくなります。
つまり、胃で消化できるタンパク質、肉類から鉄を摂取することで十二指腸、空腸で吸収しやすくなるということになります。
人が極度の鉄欠乏状態になると非ヘム鉄の吸収率が50%ほど上昇することが報告されているようです。
これは生理学的な機序が絡んでいるので割愛させていただきますがレバーを食べると貧血にいいと言われるのはレバーが食物繊維が少なく非ヘム鉄の多い食べ物であるからなのです。
鉄の吸収を阻害するもの
鉄の多い食べ物を食べてても中々貧血が改善しない場合があります。それは食物繊維以外に一緒に摂取すると鉄の吸収を妨げてしまうものがあります。
いくつか挙げていきましょう!
フィチン酸・・・主に玄米や豆類に入ってる成分でわりと健康食品なイメージがありますが、鉄をはじめ様々なミネラルの吸収を妨げます。
リン酸・・・加工肉やコンビニのお弁当、インスタントラーメン等に入っている成分です。これは言わずと知れた体に悪い食品ですね!
卵白・・・非加熱の場合吸収を妨げるそうです。加熱すれば大丈夫です。
牛乳・・・牛乳のカルシウムが鉄の吸収を妨げます。ただ研究ではヤギのミルクには鉄の吸収を促進させるそうです。価格は高いですが…
タンニン・・・コーヒー、緑茶に多く含まれています。どうしてもお茶が飲みたい方は玄米茶、番茶、ほうじ茶ならタンニンが少なめなのでおすすめです。
以上に挙げたもの体に悪いというわけではないので誤解しないでください。貧血がある程度まで回復してきたら摂取していくといいです!
*具体的な数値はしっかり血液検査でヘモグロビン値を調べましょう!
鉄の吸収を促進するための方法
最後に鉄の吸収を促進させる方法を紹介します。
・ビタミンA、C、ベータカロテンを一緒に摂取する。
・タンパク質を一緒に摂取する。
・鉄なべの使用、煮物を煮込む時には鉄の器具を使うだけでも効果はあります。
・キレート型の非ヘム鉄のサプリを摂取する。貧血の方に病院で処方される鉄剤は消化がしにくいので胃の不快感を訴えて継続できないことが多いので、そんなときはキレート型の非ヘム鉄のサプリメントなら消化吸収しやすいのでお勧めです。
鉄のサプリは意外と安価なのでおすすめです!
以上で今回のテーマである鉄の摂取についてを終わりにしたと思います。
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