ジャパニーズ、デンマークのトレイルを走る
デンマークへ留学に来て一番の心配事、それは…「お山がない」こと。
最高標高172mの国にトレランレースはないか…と思いつつ一応調べてみると、留学先ほど近くで開催される大会を発見。
留学前に申し込み、先日参加してきました。果たして結果は如何に。
フラット・カントリー(平坦な国)
標高の低い平坦な国、と言われて想起する代表的な国の1つはオランダかなと思います。
その北東に位置するデンマークも中々に標高が低いのです。
この地域は過去に氷河により厚く土地を覆われ、その重量で大地が押しつぶされた時期があり、結果として平坦な台地と浅い海が形成されました。
国内最高標高地点も台地で「これが最高峰?」という景色のようです。
それゆえに自然形成の最高標高地点は(Møllehøj, 170.86m)は、なんと2005年にあらたに発見されました。
さらに実質的な最高標高地点(Yding Skovhøj, 172.54m)は、地質調査で人工的に形成されていることがわかり、国から最高標高地点と認定されなかったという話もあるほど。
フラットゆえの自転車・ランニング文化
そんなフラットな国では、自転車・ランニングが盛んです。
「今日は25km走った」「自転車で隣町までツーリングした」
大学寮のフロアメイトとの会話では、男女問わずこんな言葉が聞こえてきます。
自転車が普及している理由に、
①平坦な土地が広がっているので、車に頼らずとも移動できること。
②自転車専用道路が国内に広く整備されていること。
③公共交通機関に自転車を持ち込めること。
などがあるようです。
私も留学して自転車を利用するようになり、恥ずかしながら初めてパンク修理を経験しました😅
ランニングも例によって競技人口の多いスポーツのようで、街中郊外取らず、ランニングする現地人をよく見かけます。
公園や牧場など未舗装路も多く、日本に住んでいたころよりもトレイルランニング気分を身近に味わうことができています。
トレランレース「Cold Hawaii Ultra」
さて、今回参加したトレランレース「Cold Hawaii Ultra」は、デンマーク北部は西海岸に位置する National park Thy を走破する大会です。
カテゴリは 12km, 24km, 50km, 80km, 160km と分かれていて、私は 50km に申し込みました。国際トレイルランニング協会(ITRA)認定大会で、50kmのITRAポイントは「2」です。
同カテゴリの参加費用は早期申し込み割引価格で 400dkk (ざっくり8000円強)。安い!
50km カテゴリは土曜日の朝 9:00 に National Park Thy の北端 Hanstholm をスタート。南端側の Agger へ 23:59 までに着けば良いというルールです。
ゴール地点が全カテゴリ統一されているので、50km カテゴリでは関門時間がないに等しく、時間を気にせず走ることができます。
公園内は草原と海岸線を行き来できるトレイルが続いており、美しい景色に見惚れずにはいられません。Cold Hawaii という通称の所以を体感できました。ちなみにここは、ウィンドサーフィンの人気スポットとのこと。
草原側からの風景は、私の大好きなトレラン大会「伊豆トレイルジャーニー(ITJ)」の伊豆山稜線歩道を彷彿とさせます。
デンマークは曇りや雨が多い場所と言われている中、天候に恵まれた1日でした。
そして、走らされる
そして山のない国であるデンマークでのトレランはイメージの通り…めちゃくちゃ走らされます!
日本のトレランレースでは中々体験できないペースで、序盤20kmを約2時間で通過することとなり、無事に後半の足がなくなりました。
タイムは 7時間15分。昨年のITJの50km通過は9時間46分だったので、比較的ハイペースであったことがわかります。
波のリズムで走る
レース中盤は美しいビーチを走るのですが、それは途方もなく続き、さらに砂浜はランナーの足並みを乱してきます。
すると人々は波打ち際の固まった地面を、波に飲まれないように、波のリズムで走るようになります。
あまりの途方のなさに、なんでこんなことしてるんだっけ?という感情も同時に波打っていたのは、私だけではないはず。
ただ私にはデンマークの歩行者信号が切り替わるリズム(ものすごく速い)よりも、波のリズムのほうが好ましく感じた次第です。
世界はトレイルに溢れている
トレイルランニングは、お山だけではないのだな、ということを学んだレースとなりました。世界はトレイルに溢れている!
また、「Cold Hawaii Ultra」はその景観の美しさから、デンマークで最も美しいトレランレースと銘打っているようです。その名に値する美しい景色とトレイルがありました。
デンマークでランニングしている人/したい人にぜひおすすめしたい大会です😊
ちなみに今年の日本人参加者は私一人だけ。みんなも参加しよう!
小旅行を終えて、次のトレランレースを探しています。
いただきましたサポートは、のちの投稿内容となる、デンマークや欧州でのエネルギー工学の学びや体験に活用させていただきます。