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R の読み方


僕の知人に、「とものり」さんという人がいます。
僕は子供のころ、鼓笛隊に入っていたのですが、とものりさんはその時の音楽の先生であり、責任者でした。

とてもかっこいい人で、さらにマーチングのドラムはホレボレするほど上手でした。


そのとものりさん、メキシコで二年間働いたことのある方で、スペイン語もしっかり学ばれてました。僕も高校生のころにスペイン語を少し教えてもらいました。

僕がとものりさんに鼓笛隊でお世話になっていたのは、小学校6年〜中学生のあいだだったので、当時の僕はまだイタリア語もスペイン語も学んでいませんが、授業で習った中学英語なら、ある程度はできました。

そんな中学生のある日、とものりさんの道具に貼ってあった名前のスペルのシールがとれていて 「Tomonor」になっていたことに気づいたんです。

「とものりさん、シールの i が取れていますよ」
「あっ、本当だ!」
という会話になりました。

僕は monitor(モニター)や、actor(アクター)のように Tomonorも発音できる!と思ったので、
「名前が 『トモノアー』になってますよ」
と冗談で言ったんです。
すると、
「いや、『トモノール』 だな!」
と笑って返されました。

僕は中学生ながら、
「そうかぁ。R は伸ばし棒だけではなくて、〔 ル 〕とも発音できるんだ!」と感心してしまいました。
このエピソード、かなり印象深く僕の記憶に残っています。

その後、僕がイタリア語やスペイン語を学ぶようになって数年してから、
「とものりさんが、『トモノール』と読んだのは、スペイン語を学んでいたから!?」
と気づきました。

イタリア語やスペイン語と英語の違いの一つに、語尾のR の発音の違いがあると思うんです。

英語は、例えば
father = ファーザー 
writer = ライター 

と「ザー」とか「ター」のように R が伸ばし棒の発音になりますよね?


スペイン語では、例えば
amor (愛)は アモル
comer (食べる)は コメル
por favor(どうぞ/どういたしまして)は ポル ファボール
と発音します。

イタリア語( R で終わる単語って少ないのですけど)でも、
例えば
EUR(町の名前)は エウル
doctor を ドクトル
super mercato (スーパーマーケット)を スペル メルカートと発音します。

スペイン語やイタリア語は母音を伴わない「単独の R」 も〔 ル 〕と発音します。

※英語もイタリア語もスペイン語も、実際の発音記号で説明をしたほうがいいのですが、「カタカナで表現できる範囲」で書かせてください。アクセントの表記もしてないですし、日本人の僕にどう聞こえるかで書いてます。


初めてイタリアを旅した時に、英語をイタリア語訛りで話すおじさんとの会話で、「ヨウル ファーザル」という単語がわからなくて、
「your father のことか!」 と気づくのに時間がかかったことがあります。

 Major は英語だと「メジャー」だけどスペイン語では「メホル」と発音します(スペイン語の意味は「より良い」)。


そして、今気づきましたけど、ドイツ語は英語と同じゲルマン系だからなのか、同じように「伸ばし棒」ですね。
sauer(酸っぱい)=ザオアー
Vater(お父さん)=ファーター
のように。

ということはドイツ語に似ているオランダ語やデンマーク語も「伸ばし棒」ですかね?

僕は少しだけロシア語を学びましたけど、ロシア語学習者は「 ル 」と読むでしょうね。


最後に話が少しそれましたが、学んだ言語によって
「読み方が変わる」、「読み方に特徴が出る」
ことがあるのかなと思います。

「R の読み方」は、わかりやすく簡単な例かと思います。このような例やエピソード、外国語学習をしている方で何かお持ちではないですか?

とものりさんが『トモノール』とすぐにスペイン語読みが出で来たのは、メキシコに住んでるころ、mejor とか por favor と言う機会が多かったのはもちろん、男前だったので amor と誰かに言う機会も多かったのでしょうね

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