知名度がなくてもクラウドファンディングを成功に導くコツ
「やりたいことがあるんだけど、お金がなくて。。。」
何か始めたいと考えたときに真っ先に浮かぶのはお金のことではないでしょうか。
基本的には初期投資が必要なくて、隙間時間でも出来ることが理想ではありますが、それがやりたいことと合致するかというとそういうわけでもない。
もちろん、やりたいことのためにまずはリスクの少ないことから始めるというのは正しい選択だと思います。
ただ、どうしてもやりたいことがはっきりしていて、それがしたいんだ!という強い気持ちがあるのであれば、資金調達の方法を模索してみるのも良いかもしれません。
その資金調達の方法の一つにクラウドファンディングがあり、私もチャレンジさせていただきました。
ありがたいことに本当に多くの方からのご支援をいただくことができ、無事成功しました。
今回は「知名度がなくてもクラウドファンディングを成功に導くコツ」と題して、私がクラウドファンディングで取り組んできたことを整理してみたいと思います。
※私が利用したプラットフォームは「READYFOR」なので、今回はREADYFORのことを中心に書いていきます。
1.そもそもクラウドファンディングとは?
最近ではよく耳にするようになったので、ご存じの方も多いかと思いますが、改めてクラウドファンディングとは何か?ということについて書いておきます。
クラウドファンディングとは、「群衆(Crowd)」と「資金調達(Funding)」という言葉を組み合わせた造語で、インターネットを通じて不特定多数の人に資金提供を呼びかけ、趣旨に賛同した人から資金を集める方法です。
クラウドファンディングにはいくつか種類があるのですが、一般的には「購入型」と呼ばれる形のものが多く、共感したプロジェクトに出資したら商品やサービスを見返りとして受け取ることができます。
私もこの「購入型」という形でクラウドファンディングを実施しました。
2.クラウドファンディングのプラットフォーム
クラウドファンディングを行うにあたって、個人で「これがやりたいので出資してください」と募ってもまずお金は集まらないでしょう。
知名度があるならまだしも、何者かも分からない人にお金を出す人はそうそういません。騙されてしまうこともあるかもしれません。
そこで、出資を募りたい人と出資者が安心して繋がれるための懸け橋になる大きな母体というのが「プラットフォーム」と呼ばれるところであり、私が利用したREADYFOR以外にも有名なところですとCAMPFIREというところがあります。
どこのプラットフォームを選ぶのが良いかというのは、正直私は分かりません。一応調べてみると「地方創生に関わるプロジェクトならこっちがおすすめ」みたいな記事があったりしますが、結局はプロジェクト開始時の周知が重要なので、ある程度有名なプラットフォームを選べば問題ないと考えます。
3.シンプルプランかフルサポートプランか
READYFORではプロジェクトを進めるにあたってプランを選べるようになっています。
シンプルプランとフルサポートプランの2つを選べるようになっていますが、大きな違いは「キュレーターと呼ばれる伴走者がつくかどうか」です。
プロジェクトページをつくっていくだけであれば、シンプルプランでも問題ないと思いますが、私はクラウドファンディングをするのが初めてだったこともあり、フルサポートプランを選択しました。
文章の書き方や写真の入れ方、リターンの設定内容やプロジェクト中にやるべきことなどについて電話やチャットで密にアドバイスをいただくことができて本当に助かりました。
2021/7/20現在、シンプルプランは手数料12%、フルサポートプランは手数料17%となっています。
初めてチャレンジする方は、フルサポートプランをおすすめします。
4.目標金額をいくらで設定するか
ポイントとしては、初めての場合は「何人くらいの人に声掛けするか」「大口資金を出してくれそうな方がいるか」「声をかけた人たちのうち、実際にどれくらいの人が支援してくれそうか」を予測するという話になってきます。
クラウドファンディングを初めてやる場合、家族や友人、知り合いの方への声掛け無しに成功させることはかなり難しいと思います。
いくら有名なプラットフォーム上で資金提供をお願いするといっても、赤の他人の心をつかむことは簡単ではありません。
「なんだか昔よく聞いた保険の営業みたいで嫌だな」と感じるかもしれませんが、本当に自分のやりたいことであれば絶対に声をかけてみるべきです。
もちろん相手に無理にお願いする必要はなく、「こんなプロジェクトにチャレンジしたくて、よかったら応援してね」程度で大丈夫です。とにかく必ず声はかけましょう。
私の場合はそこから50万円という数字を目標に決めました。
実際に農業を行うにあたっては1000万以上の資金が必要な状況だったのですが、私はこの50万を自己資金に加えて融資をもらい、自己資金分はぶどうの苗木購入に充てました。
また、クラウドファンディングは共感してくれた出資者の方がその後お客様になっていただける可能性もあるので、その部分がむしろ金額以上に魅力です。
商売はお客様を捕まえることが一番大変です。
なお余談ですが、自分のやりたいプロジェクトに必要な金額すべてをクラウドファンディングで集めようとするのは、金額にもよりますが結構難しいと思います。
自己資金や他の出資、融資や補助金など様々な調達方法のうちの一つとしてクラウドファンディングを考えておかないと、クラウドファンディングが失敗してしまったときにすべてが止まってしまいます。
リスクヘッジは重要です。
5.プロジェクトページの作り方
プロジェクトページの作り方は、ある程度どういった内容を記載するかについては題目だけすでにプロジェクト作成ページに用意されています。
「プロジェクトの内容」とか「なぜ挑戦するのか」などですね。
ただ、雛形に従うよりも様々な成功事例を見て良いとこ取りをするのが良いかと思います。できれば自分のやろうとしている業種業態のプロジェクトを見てみるのがおすすめです。
私も農業関連でプロジェクトを成功させているものをたくさん研究しました。
あと、写真や動画は視覚効果抜群なので必ず差し込んだ方がよいと思います。
特にプロジェクト目標金額が100万を超えるようなものの場合は動画を挿入しているケースが成功している印象です。
6.リターンをどうするか
リターンの内容については、金額は様々ではあるものの基本的に一番低価格の支援のリターンは感謝の手紙やメールのケースが多いです。
これは支援のハードルを下げる効果もあるので有効かと思います。
また、支援者が遠方に多そうなのか、近隣に多そうなのかという視点でリターン内容を考慮しておく必要があります。
遠方の方であれば手に入りにくいものを送るとか、近隣の方であれば例えばお手伝い券などでしょうか。
リターンの種類については、なるべくバリエーションを豊富にしておいた方がより支援を受けやすくなる印象です。
私の場合は、7パターン程用意しました。
支援金額の設定については、当初500円とか1000円を一番低い設定にしようと考えたのですが、あまりに単価の低い支援が集まってしまうと、目標金額を達成するために必要な人数が多く必要となってしまうため、3000円くらいにした方がよいとアドバイスをいただき、そのようにしました。
あと、リターンの品については都度プラットフォームと確認をした方がよいです。内容によってはプラットフォーム側の規約に触れたり、法律に触れる恐れがあるからです。
例えば私の場合、「3年後に収獲予定のぶどうを届ける」というリターンは「収獲ができないリスクがある」「そもそも一年以内にどんな商品やサービスもリターンを完了しなければならないルールがある」ということで当初難しいと言われました。
結果的に条件付きでOKをいただくことができたのですが、キュレーターがいないシンプルプランの場合はリターンの商品やサービスは都度プラットフォーム側に相談した方がよいと思います。
7.プロジェクト期間をどうするか
プロジェクト期間は最大で59日まで設定することができます。
私は「1か月くらいが一番成功しやすい」というアドバイスをもらったので、1か月で設定して成功しました。
しかし、最近のプロジェクトを見ていると割と59日を使って成功させているケースがかなり多いように感じます。
59日で設定したときの懸念点としては「中だるみする」ということが考えられますが、毎日しっかり運営していればそんなこともなさそうです。
データをきちんととれているわけではないですが、個人的には59日間で設定して、少しでも支援者を募ることができる期間を増やした方が良いかなと思います。
8.事前準備がとても重要
「4.目標金額をいくらで設定するか」でも書きましたが、とにかくプロジェクト開始前にいかに声掛けできるかがとても重要です。
これでプロジェクトの9割が決まるといっても過言ではありません。
声掛けをして、ある程度支援金額の達成確度が見えてこれば多少は安心してプロジェクト本番を迎えることができます。
近隣の方々の支援を多く募りたいのであれば、事前にチラシを作成してポスティングするなども効果的かと思います。
9.プロジェクトが始まったら
プロジェクトが始まったら、毎日新着情報を更新して自分でプロジェクトページを盛り上げていきます。
写真などもなるべく入れると良いです。
支援してくださった方からきたメッセージにも必ず返事をしましょう。
1日でも無言の日が出来てしまうと、新規でページを見にきてくれた人が「あれ、このまま終了かな」と勘違いして支援をやめてしまう可能性もあります。
とにかく毎日更新を忘れずに粘り強くやっていきましょう。
初動で20%が目標です。30日の期間であれば開始後5日間で目標金額の20%ということになります。
10.プロジェクト完了後
完了後は順次商品やサービスの発送を行い、発送終了まで定期的に新着情報を更新することが望ましいと思います。
私は来年にいよいよぶどうをお届けするのでまだ道半ばです。毎週日曜日にぶどうの状況を支援者の方々へお届けしています。
11.最後に
通常、新しいことを始めるときに資金調達をしようと思うと銀行などが一般的かと思いますがまず融資は受けられません。実績が問われます。
基本的には自己資金を貯めたうえで、さらに出資してくれそうな人を探したり、金融公庫等へ相談するパターンになるかと思います。しかし、ここでも実績は問われなかったとしても、経験が問われたりします。
その点、クラウドファンディングは不確実な事業でも「おもしろい」「応援したい」と思ってくれる方がいれば出資してもらえる可能性が高く、やりたかったビジネスをスタートさせられるかもしれません。
失敗してもマイナスにはならないので、本気でやりたいことがあるのであればクラウドファンディングにチャレンジしましょう!
そしてともに切磋琢磨していきましょう!