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カリーはカリーかカレーか?

職場の周りには無数に飲食店があるので、今日はどこでランチを食べようかを休憩前に考えるのが一つの楽しみになっている。
発掘をして新たな発見を得ることも一つの目的なので、なるべくチェーン店には行かない。粗さがあることで、千里眼も磨かれるのでランチはトレーニングでもあるのだ。
今日はビル地下の鬱蒼としたうどん屋に行くと「拓郎」と声をかけられ、振り向くと学生時代の友人がいたので驚いた。そういった「何か起こるかもしれない」第六感をはたらかせるのもランチ奉行の一つだ。

さて、ランチではカレー屋によく行くのだが、カレー表記ではなく「〇〇カリー」という名前だった場合、どういう頼み方をすればいいのか迷う。僕は英語を少しかじっているので、英語でcurryと発するときはもちろんカリーという。Disney seaもシーではなくちゃんとスィーというが、日本向けにはちゃんとシーという。詳細を意味するディテールもそうだ。ディ!ティルと言うか、日本語っぽくディテールと言うか迷う。

だからカリーのような変化球が来た時は、一瞬だが迷う。カレーというカタカナ語はすでに市民権を得ているのに、わざわざカリー攻めで来るということは何かを試されているような気がしてならない。カリーでオーダーする!と決心したあともその発音は純粋カリーでいくのか、rで舌を巻いて英語っぽくいくのか問題もある。店側が英語発音に寄せてきているのだから英語っぽく言うのが礼儀だと思うのだが、理解されず聞き返されたら最悪だ。
「じゃあ、バターチキンcurryを」
「はい?」
「バターチキンcurry」
「すいません、もう一度」
「バターチキンカレー!」

という状況になろうものなら、その後のカレーの味はしないだろう。

気にしすぎだろうか。僕は堂々と「キーマカリーで!!」と声を張り上げる人種に憧れる。カリーと書いてあるので何の疑いもなくカリーと読む、そんな人生でありたかった。逆も然りで、カリーはカレーだからカレーと叫ぶあなたも好きだ。僕が何の疑いもなくカリーと言えるようになったその日、祝杯としてビァーで乾杯したいものだ。

サポートしていただいたお金を使って何かしら体験し、ここに書きたいと思います。