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彼らのほとんどが未成年のうちに経験している

『タバコは二十歳になってから』だが喫煙者のほとんどが未成年、中高生のうちに経験している。僕が知る限り、「成人してから味を覚えた」という知り合いは一人しかいない。

では飲酒はどうなのだろうか。統計はとっていないが「中高生でサラリーマン並に飲みまくっている」というケースは珍しいのではないだろうか。

アルコールはタバコより毒性が強いからかもしれない。酔うと時間の進み方が早くなるので、子どもは大人ほど「早く進め」と思っていないのかもしれない。大人はもちろん「早く進め」という願いしかない。大半の大人はこの日々が早く終業してほしいと思っている。

ちなみに僕は中学生から飲みまくっていた。まわりにいつも泥酔しているようなやつはいなかったので、これは珍しかったと言える。

思い返すと「早く進め」と思っている子どもだった気がする。さっさと大人になりたかったし、綺麗さっぱり消えたかった。

それにはデロデロに泥酔して潰れる感覚がちょうどよかった。死の擬似体験としては悪くない上に、酔いの快楽というオマケまで付いてくるのだからこんなに面白い遊びは無かった。

違反した体験などをこうやって楽しげに回想したりすると、まゆをひそめられることがある。

「教育上よろしくない」のは自分でもわかっている。ただ、考え方の違いなのかも知れないが、学生が大人ぶって酒を飲んだりするのは、ごくごく当たり前の行為だ。

飲み方を知らないから当然大失態になる。そして酒の手ごわさを知る。そういう体験はむしろ子供にとってはプラスではないだろうか(別に無理して飲む必要はないが)

四月、春先になると必ずといっていいほど、大学の新入生歓迎コンパで死ぬやつが出てくる。急性アル中毒によるものだ。今年も山ほど死ぬだろう。
「教育上よろしい」育て方をしてやっと大学にまで上げた子どもを、そんなことで死なせてしまった親の気持ちを考えると暗然とする。

もちろん先輩なりにそうした場数を踏んだ人間がいて、アホな飲み方を事前にやめさせたり、吐かせたり、温かくして寝かせるなりしていれば何割かは防げる。この先輩がそれなりに「よろしくない」と対策が打てない。

「教育上よろしくない」経験をしていないと救われないものもあるのだ。

こちらサイドには関係ないが、やはり完全にモラルの奴隷になるのは危険だと思う。滅殺して無菌していく教育を見ると、戦慄してしまう。「検査済み」のハンコをもらって出てくる人間というのもなんだか恐ろしい。話すことが何一つ無い気がする。



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