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この三つのうち一つも無いなら辞めるべし

月に3通は「今の仕事辞めたいんすよね!」といった節のメッセージが届く。

「そうなんだ!辞めればいいじゃん」というのは簡単だが少々芸がない。これは「うんこもれそう」と苦しんでいるひとに「そうなんだ!もらせばいいじゃん」と言っているのと同じだ。

ちなみに日本という国は「仕事辞めたいひと」が諸外国と比較しても多いそうだ。理由のほとんどが人間関係らしいが、「どこかに行きたい。行けないけどね」というのはじつに島国という感じがする。

「辞めたい!」というのはどういう状態なのだろう。「辞めたいけど実際にやるかと言われると微妙」みたいなバランスだろうか。「あのムカつく野郎を殺したい!」とあまり変わらないのかもしれない。「水飲みたい」はすぐに飲むが、仕事はそう簡単に辞めるわけにはいかないし、殺人に手を染めるわけにもいかないのとそう遠くない気がする。

「なぜ辞められないか」の理由は山盛りだ。

新しい仕事が見つかるか分からない。
その仕事が今より待遇が悪いかもしれない。
新しい人間関係を構築するのもダルい。
職場も遠かったりするかもしんない。
またイチから仕事覚えるの嫌だ。

諸々ある。そして辞めるか辞めないかという心のせめぎ合いになってくる。

このとき、一定の指標があればいいんじゃないかと思って用意してみた。月に2,3人の知らない人間と職業進退に付き合っていたら自然と完成した。

多くのケースから判明したのは

1.自分より凄い人間がいる
2.ほしいだけの金がもらえる
3.挑戦の裁量を任せてもらえる

の3点どれかが満たせてるなら続けるのがベターということだ。逆に言うと一つも満たせていなければ、辞めても大したリスクではない。新しい仕事を探したとしても、どれか一つならば当てはまる可能性は高い。

1つ目はジム・ローンの「5人の法則」に基づいたものだ。

アメリカの偉いひとが提唱している「あなたは最も多くの時間をともに過ごす5人の平均になる」という理屈がある。

これは実際に体感としても分かる。いつもつるんでいる5人の年収が1000万円ならば自分もそうなるし、周りが肥満ならば自分もまた肥満になる。

「友達は選びなさい」と教育ママが言ってそうな言葉だが、「クールなやつらと付き合えよ」というのは古今東西言われ続けていることだ。

上記に書いている『凄い人間』の定義は難しいが、自分がそう感じるならばそれでいいのだと思う。「俺の職場ってアホばっかなんよね」と思うならば退職を検討してもいいだろう。

2つ目の「満足な報酬」は「まぁそりゃそうだろ」と言われてしまいそうだが案外うまくいかないし、「今、ほしいだけの給料もらってるの?」と聞いて即答でYESと返ってきた記憶がない。「ほしいだけの給料」というのは個人差があるが「どれだけがんばっても報酬がアップする道筋が無い」というケースは多い。

3つ目の「仕事の裁量」だがこれはじつは人間のストレスに大いに関わっている。

仕事の裁量度とは、その仕事を行うひとが、どれだけ自分の考えを反映させたり、自分で判断して行えるか、その度合いを指す。この裁量度が適切に確保されていると、本人のモチベーションを上げることができる。

マクドでバイトしていた頃の僕は「とにかくここでケチャップとマスタード打ってろよ!」と言われていたのでよく分かるが、裁量権は人間性の確保に大きく関わっている。あの頃の自分は人間ではなく、ケチャップそのものだった。

この三つの条件が揃っている仕事なんてレアすぎるので一つでも当てはまっているのならば、その職場で粘る価値はある。辞めちまうにせよ、次の仕事を探すときの指標としても有効だ。

仕事というのは人生の大半の時間を費やす場所だ。「どう生きるか」なんて言葉と等しいとも言える。

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