マウントシンドローム
マウントを取る連中がいる。
なるべく関わりたくないのだが、基本的には関わりのある人間から食らうものだ。初対面でマウントを取ってくる人間もいるが、これは関わってしまったからこそ発生する被害と言える。
関わらないというよりも、マウントは一種の「関わりの仕方」なのだ。
後輩が知見を述べていた。
「マウンティングって所詮繋がりを切る度胸のないビビリ特有の行為ですよね」と。ごもっともである。
マウンターは被害者と別れたいわけではないのだ。被害者を嫌いなわけでもない。とにかく「俺のほうが偉いんだぞ。尊敬してくれよ」と心中絶叫しているのだ。
マウンティングが少なからず険悪さを生み、離別の可能性を高める行為だと分かっていない。無知ゆえの鈍感さが生んだ悲劇だ。
彼らはむしろ付き合い続けたいのだろう。ただ、上の立場だけはキープしていたい利己性がある。
だからマウンターには「絶交するぞ」という態度、ニュアンス、発言がきくそうだ。
「私はこんなに高いマンションに暮らして良い暮らしをしてんのよ」と匂わされたら、「そうなんだ。俺はお前のこと嫌いなんだ。二度と話しかけんなよ」と脈絡なく言い放つといいのだろう。
もちろんそんな発言をすれば、空気がブッ壊れるだろう。でも破壊していい。空気ぐらい破壊しないと人間関係なんて壊せない。
人間誰だって「壊したい関係」を抱えている。いつまでも、繋がり続けたい人間関係しか持っていないひとなんていない。それでも離れられない。
離別はきっとするよりされるほうが楽なのだ。
「離れられるほうがつらいわよ!」と言われそうだが、どうだろうか。
少なからずこれまで関係のあった人間に「もう会いたくない」と言えるサイコさを持つひとはそれほど多くないと思う。
マウンターのマウントにさらされながら、息をするのはじつにつらい。
僕は比較的マウントポジションを取られないタイプだが、それでもたまに食らう。なるべく瞬発力を持って、関係を切っていきたい。
あちこちで体温を測られる。アル中の病院に行ったら35.2度だった。一個前に測っていたアル中に「俺は36.5度あるぞ!」とマウントを取られた。「へへ、すごいすね」とへりくだってしまぅた。自戒したい。
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