103.彼氏への依存がきついねん
A.まずはご自愛ください。
依存がつらいお気持ち、痛いほど分かります。
僕も医者から「脳がもうアルコールによる快楽を学習してしまって報酬系が壊れているから完全に治すの無理」と告げられました。何がつらいかと言われると、その「不治感」が恐いのです。
「なす術が無い」という無力のイバラで縛られる恐怖は耐え難いものがあります。
これは薬物における依存ですが、すべての依存の遠因は孤独感から逃げたいからです。
男女関係、他者への依存だってそうです。依存の源流を辿ると「孤独に戦慄している自分」が膝を抱えていませんか。
西洋医学でも孤独は、喫煙の害を上回るそうです。実際に孤独感にやられてしまうと、脳疾患、心臓病などの発症率が増すという臨床結果が出ています。
これは人間が社会動物であり、「孤独になると滅びるぞ」という古来から受け継がれてきた本能がもたらした自己防衛システムらしいです。
つまり「孤独にならないための動きができる者たち」が生き残ってきたわけです。生前確率が高い人は、「孤独への恐怖心が人一倍強い」とも言い換えられるでしょう。
そして孤独というシチュエーションが危険だと察知できない個体は早めに病気になり、死ぬようDNAにプログラミングされている。これは種の繁栄における生物としての知恵です。
こう考えると、「人間を欲する依存」ってあまり悪くない気がしませんか。
生きていたら「離れたいけど、離れられない」なんてこと満載じゃないですか。むしろ「離れたほうがいいな。よし、グッバイ!」なんてデジタルな生き様はカッコいいけれど、その人と話すことは何もない気がします。
依存って何なんでしょうね。いったい。
医者曰く、「何かに溺れて、自由を奪われているさま」だそうです。
紛れもなく後ろ暗く、痛々しいのですが、一種の快楽的な悲壮感があるのも事実です。その認知の歪みが僕たちをよりいっそう深みへと沈めていく気がするのです。
異性に沈んで身を崩していくさま、ギャンブルのためにすべてを失うさま、クスリにより才能と寿命を枯らしてしまうさま。
これらは人生における傾斜です。転がり落ちていく破滅への輝きが顔つきに深みと、こぼれる言葉に趣を含ませるのではないでしょうか。
「ブッ壊れていく自分を正当化しても何も始まらないよ」なんて聞きたくないじゃないですか。
自分でもそんなこと分かりすぎているほどに分かっているんだから。
依存しているならば、その人生の下り坂、坂道を転げ堕ち続けるしかありません。
堕落のコツは頭部や内臓など急所を守りながら転がり堕ちていくことです。後遺症ぐらいは負うかもしれませんが、致命傷さえ負わなければ、また這い上がれるかもしれない。そう信じています。
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