身の丈に合っていないチャンスの扱い

バンド活動において心がけていることの一つに「自分のタイミングで勝負しない」というものがある。

僕自身、すごいセールスを叩き出した経験があるわけではないが、「自分史上良かった時期・悪かった時期」というものがある。いわゆる『波』である。浮き沈みとも言える。

これは別にトップバンドにだって存在する。
バンプ、ワンオク、ミスチル、サザン、ビートルズ、レッチリでさえも良い時期・悪い時期がある。波があるのは軽音楽部からグラミー賞まで同じだ。

実体験から悪かった時期、チャンスを逃した時期を思い出すとやはり自分のタイミングで勝負しちゃっていたように感じる。逆に良い時期というのはやはりふってわいたチャンスに飛び込んだときだ。

たとえば
・コンテストで受かってROCK IN JAPANに出演
・くるりと対バン
・テレビ、ラジオ出演
・年間1000万円事務所に投下してもらってプロモーション

といったようなことがあった。
これらは当時の僕からすると、「身の丈、力量に合ってもいないもの」にあたる。

こういったものはガンガン飛び込んで身の丈に合っていない勝負をしていくほうがいい。タイミングなんて合わなくても振るのだ。合ってないぐらいガマンしてやるほうがいい。

なんでこんなことを書くのかと言うと、たまに辞退するひとがいるのだ。

「まだそんなレベルじゃないから」
「もうちょっと上手くなってから」
「もう少し人気がついてから」

と様々な自分が未熟だという理由をつけてやらない。

気持ちは分からないでもないが、この考え方をしていると二つのデメリットがある。

①未熟が解消されたとき、チャンスが来る確率は低い
②成長が遅い

チャンスはあまり来ないからチャンスなのであって、選べるほどはやってこない。そして来たときに自分が準備万端なことは少ない。
寝不足だろうが整っていなかろうが、むくんでいようが訪れたら乗っからないと二度と来ないと思っていたほうがいい。

何なら「一回そういうときに自分で勝負を選ばなかった人物」というプロフィールができあがってしまう。チャンスを与える側からしたら二度と候補にはいれてくれなかったりする。エモすぎるけど。

②はわりと気付かないのだが、無理難題に飛び込んだほうが結局成長する。

自力で成長するよりは、機会に育ててもらったほうが圧倒的に効率が良い。

ビッグウェーブが来たら飛び込まないと損だ。失うものもない。ちょっと失敗してヘコむぐらいだ。期待と不安が半々で混じっている感情になったときはやっちまうほうが良い。

一般的なお仕事でも、部活でも恋愛でも同じかと思う。飛んできたチャンスをスルーして、自分のタイミングで勝負するのは損だ。

チャンスというのは天から降って来るわけではなく、どっかしらの人間によってもたらされる。誰かが決めているのだ。自分以外の人間が「お前を選ぶわ。よろしくな」という社会からのサインだ。

これに対して「俺的にまだなんすよ」と自分で生意気に意思決定するのは傲慢じゃないだろうか。

「チャンスに乗っからないなんて謙虚ね!」と思いきや逆だ。
なぜなら「他者の判断より自分の判断のほうが正確で優れている」と決め込んでいる。無意識だろうけれど、単に自分が傷つきたくないから、損をしたくないからというだけだったりする。

何かが与えられたなら素直に取りにいって、そこで全力を尽くしたほうがいい。ビビりながら下手くそでも不慣れでも飛び込んだほうが後々エキサイティングなことになる。自戒を込めて。

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