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ヘルステック起業家2人が考える、「自分を大切にする」ということ 〜emol × habitas対談〜

こんにちは!Soshikiz株式会社の船坂です。この記事は、「今年の疲れ、今年のうちに。みんなのためのセルフケア Advent Calendar 2020」の最終日の記事となります。

この記事では、 感情を記録するAI感情日記アプリ「emol」を開発するemol株式会社CEOの千頭(ちかみ)さんをお呼びして、Soshikiz株式会社CEOの長谷川と一緒に、心と体のセルフケアについて考えていけたらと思っています。

以下は、千頭さんと長谷川の対談形式でお送りします。
(聞き手:船坂)

ー それでは、よろしくお願い致します。

長谷川・千頭さん:お願いします。

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(左上:長谷川 右上:千頭さん 下:船坂)

ー 体のセルフケアや心のセルフケアに関連しているサービスを運営しているお二人ですが、まずはそれぞれのサービスについて、ご紹介いただけますか?

長谷川:カラダカウンセリングhabitasというサービスを作っています。体のお悩みを専門家がオンラインで解決をするサービスになってます。悩みの質としては、肩こりだったり腰痛だったり、姿勢が悪いというような、主に整体などに行かれるような方と同じような悩みです。その方たちに対して、ビデオ通話で問診をしながら、お客様に最適なストレッチや生活習慣を提案させていただいています。

habitasが整体と何が違うのかというところなんですが、habitasが目指しているのは、再発しない体をつくるというところになっています。整体やマッサージももちろん体の悩みが解決するとは思うんですが、やはりその場限りになってしまうんですよね。

体の悩みを根本的に解決すると考えると、自分でセルフケアをしていくことが必須になるということがわかっています。例えば夜ストレッチしたり、水を飲む量を改善する、というようなことが必要になってきます。habitasがどういうアプローチをするかというと、セラピストが運動療法や生活習慣指導を行うことで、根本から改善することを目指していくサービスになってます。

千頭さん:emol株式会社では、emol(エモル)というアプリを開発しております。メンタルヘルスをAIと会話しながら行うというものなんですけれども、人に話しにくい内容って色々あるじゃないですか。カウンセリングだったり精神科に行くことも抵抗があったりすると思うんですけど、そういった人たちの「人には相談できないな」、ということをAIに話すという形で自分の悩みを吐き出し、言語化することで解決に導いていくということを目指して作っているアプリになります。

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このキャラクターがAIとして一緒にユーザーの悩みを聞いてくれます。また、実はこのアプリは今月に正式版としてリリースするんですけど、今までと違いデジタルセラピーがアプリ上で行えるという機能が追加されています。音声や動画、ファミリーゲームのようなものをアプリで行うことができ、それによって、心の健康維持・回復が出来ます。(注釈:この記事と同日に公開されているようです!)

(アプリのインストールはこちらから

長谷川:ありがとうございます。ロクくんかわいいですよね。ロク”くん”であってますか?

千頭さん:名前を覚えてくださってありがとうございます。一応性別はないので皆さん好きに呼んでいますね。ロクちゃんとかロクくんとかロク、とか。珍しい例だとロクさんだったり(笑)。

長谷川:そうなんですね(笑)。

ー ありがとうございます。次は、セルフケアに関係のあるサービスを作っている二人に、普段どういったセルフケアをしているのか聞いてみたいと思います。

長谷川:僕に関しては、以前別の記事を出しているので、こちらを参照いただければと思います。

千頭さん:私は、癒やしの時間を毎日絶対に作るようにしています。癒やし体験は人それぞれだと思うんですけど、私の場合はお風呂の時間を確保するようにしています。学生の頃から、30分は湯船に浸かるようにしています。学生時代に、水道代を節約しようとしてシャワーだけで過ごしていた時期があったんですが、そのときに肩こりがすごくて。そこから頭が痛くなり、しんどい、という悪循環が生まれてしまったことがありました。その経験から、水道代ケチるより健康が大事だと考えました。

他には、このぬいぐるみが可愛くてとても好きで。いつもこれを撫でるようにしています(笑)。セルフケアと言えるかはしょぼいかもしれないですが、毎日していることといったら、これです。

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長谷川:可愛い(笑)。いつもそばにあるんですか?

千頭さん:あります!10個くらい持っていて、今はずっと家で仕事をしているんですが、デスク用、布団用、こたつ用など、色んな場所に置いてます。場所によってサイズ違いで揃えていて、1mくらいあるものから、小さいものまでたくさん家にあります。以前本で見たことがあるんですが、もふもふしたものを触ると心もほわほわするとか。データで出ているのかはわからないんですが(笑)。

セルフケアってこんなんでいいんでしたっけ?って感じですが、リラックスする時間をつくることがとにかく大事だなと考えています。

長谷川:リラックスする時間を確保するコツはあるんですか?

千頭さん:リラックスすることが仕事だと思っています。精神的にしんどくなったりするときって忙しくて「あれもやらないと、これもやらないと」という風になって、余計リラックスなんかしてる場合じゃないと考えてしまうと思うんですが、そういう心の状態にならないようにすることが大事だと思っています。お風呂を1時間確保するのは、打ち合わせの時間を1時間確保するのと同じように考えています。じゃないと後回しにしちゃうじゃないですか。「睡眠削ればいいや」って。でも、削ればいいものではないんです。その認識を変えていくことからかなと思います。

長谷川:今伺っていて改めて思ったのが、セルフケアってある意味何でもよくて、自分にとってリラックスになるものを持っていることが大事なのかもしれないですよね。

千頭さん:まずはそれを探すところから始めるのがいいですよね。それがわからないと何をしたらいいのか?ってなってしまうと思うので。そのためにも、マインドフルネスとかは重要だと思います。「あ、今自分リラックスしてる」って思った瞬間に、「じゃあこれが自分がリラックス出来ることだ」と知るのが、大事ですよね。コーヒーや紅茶を見るでも、Youtubeを見るでも。なんでもいいのかなと思います。あ、でもタバコとかは体に良くないのであまり良くないかもしれないですけど(笑)。

ー 今の話に関連するのですが、コロナ禍でライフスタイルが変わり、今までになかった悩み、不安が増えているかと思います。これに対して、どう対処していくべきだと考えていますか?

長谷川:コロナで仕事がリモートになったりして、ライフスタイルが変わった方がすごく多いと思うんですね。その中で、体の悩みと心の悩みを両方抱えている方が増えてきています。僕たちが調査した範囲でも、実際に体の悩みだけ抱えている人や心の悩みだけ抱えている人よりも、両方抱えている人のほうが多くて。なんでそうなってるのかというと、体の悩みとストレスって相関関係があることが分かっているんですよね。体の悩みが心の悩みに影響することも、心の悩みが体に影響することもあるんです。

そういう方は、体は生活習慣を見直したり、心だったら例えばemolさんを使ったりして、両側面からアプローチしていくことが重要だなと感じます。

千頭さん:私の場合、コロナで運動不足の悩みはあるものの、逆に精神状態は良いんですよね。というのも、人と話すのが実は苦手で。なので、人と関わらなくて済むようになったのがとても楽になっています。私みたいな人も一定数いるのかなと思いつつ、逆に人と関われなくてストレスになっている人が多いんだろうなとも思っています。あとは家族との距離が近づきすぎて、家庭内DVのような形で問題になっていたりもしますよね。

そういったことから、それぞれにとって程よい距離感を保つというのが大事なんだなということに今回のコロナで気づきました。

人と話すのが好きな人はzoomなどを使ってなるべくコミュニケーションを増やしたり、逆に人と話すのが苦手な方はこの機会をチャンスにしてストレスをためずに過ごす環境をしっかりつくるのが良さそうだなと思います。

家庭内で突発的にイライラしたときは、それこそemolなどを利用して、愚痴をAIに伝えたりすると、イライラを抑えられたりするので、そういった方法で誰かに当たる前にストレスを抑えるという方法はいいのかなと思っています。

長谷川:実は僕も千頭さんと同じで人と話すのが疲れちゃうタイプなんです(笑)。コロナで新しい選択肢が出てきたと感じます。僕らみたいなタイプは、リモートの形を取ることでストレスを抑えることが出来ます。逆にそれが合わない人もいるんだという気づきもありましたし。

千頭さん:弊社は基本的に「考えの持ちよう」を大事にしているんですが、コロナの影響で悪い方向に考えてしまうことが多いのも問題だなと考えています。コロナで苦しいこともありますが、コロナで変わったことの中で、良かったことを探すのも大事だなと思います。

ー ありがとうございました!次に、セルフケアを効果的にすすめるための、habitasとemolのおすすめの活用方法を教えてください。

長谷川:お客様にうちのhabitasを使ってもらう中で、「セラピストが見てくれているから習慣化を頑張れる」とおっしゃっていただけることがあります。この理由として、セラピストに褒められるのが嬉しい、報告するのが楽しいっていうのがあるみたいで。

なので、habitasの価値は、正しいセルフケアを知ることができるだけなく、いつもセラピストが見守ってくれている、という部分にもあると思っています。Youtubeにも面白いストレッチがあると思うんですが、習慣化となると難しいです。そういうときはぜひhabitasを使っていただいて、人と話すというところの価値を感じていただければと思います。

千頭さん:オンライン上でやると思うんですが、画面越しにストレッチをやってるところを見てもらって、これで出来てますか?みたいなことが聞けたりするんですか?やり方があっているのか、というか。

長谷川:そうですね、ストレッチを実際にやる時間があって、やりながら「このへんもっとこうやると効果ありますよ」みたいなフィードバックがもらえます。ストレッチは結構個人ごとに正しい負荷に差があるのですが、その人にパーソナライズされた、効果がある正しいストレッチが教われます。

千頭さん:ジムのパーソナルトレーニングみたいなのが家でも受けられる感じですよね。

長谷川:近いです。ただ、パーソナルトレーニングはもっと上を目指している人というか。例えば肩こりとか腰痛でパーソナルトレーニングに行く人って実は多くないんですよね。habitasは、整体に行くような悩みを抱えている人に、パーソナルトレーニングの価値を届けるというようなことをやっています。

千頭さん:確かに、パーソナルトレーニングはムキムキになりたい人が行くイメージがあるかもしれないです。habitasさんのような一般向けの優しい雰囲気は需要があるかもしれないですね。私もそっち側です。かといって整体とかも触られるのが怖くて行ったことがないので、habitasさん使ってみたいです。

長谷川:ああ、そういう方は多分うちのサービスとてもあっていると思います(笑)。ぜひぜひ、ご利用ください!

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ー ありがとうございました。次に千頭さんいかがですか?

千頭さん:emolを作り始めたきっかけでもあるんですが、人に話すのは苦手だけど、話したい欲求ってあるじゃないですか。家でぼーっと黙ってるのって疲れるけど、人と話すのも疲れちゃうというか。そのときに、気軽にAIに話しかけてみてくれれば、そこからなにか生まれるというか、自分も知らなかった感情を言語化することで知ることが出来たりするので、自分を知るきっかけとして利用してもらえればと思います。

あとは、これからリリースするデジタルセラピーの機能には、マインドフルネスのコンテンツもあったりするのですが、そういうのは例えば家で仕事してるとき、自分で仕事モードとオフモードを切り替えるのって難しいじゃないですか。そういうときにマインドフルネスをしたりすると、気持ちのスイッチがしやすくなったりするんですが、そういう、自分を知ることがセルフケアの第一歩だと思っていて。繰り返しになりますが、そういう意味でも、自分を知るきっかけにemolを使っていただくといいのかなと思っています。

長谷川:確かに、emolさんって最初の一歩が本当に踏み出しやすいですよね。先程千頭さんが整体が怖くて行っていないとおっしゃってましたが、カウンセリングも最初は怖いものだと思っていて。特にメンタルがもともと強くない方、弱っている状態の方って「行っていいのかな」ってなってしまいますよね。そういうときにAIは第一歩としてとてもいいですね。

ー 最後に、habitas、emolが目指している未来はどのようなものになりますか?

長谷川:habitasが目指しているのが、ウェルビーイングの向上です。ウェルビーイングってどういったものかというと、心身の健康とか幸福みたいな説明をされることが多いんですけど、うちの場合は心の健康と体の健康を両側面から促進することを目指しています。

現状のソリューションだと、体の健康はフィットネスやジム、整体などで解決をする、心の健康はカウンセリングで解決をする。といったように別々の事業者がおこなっています。しかし、先程話したように心の健康と体の健康は実はつながっていて、それぞれが相互に影響しあっています。そのため、片方だけを上げるのではなく、両方を上げることが大切だと考えています。habitasで目指しているのは、そういった、心と体健康全体の管理ができる社会ですね。

千頭さん:emolが目指している未来は、先程の話にもあったのですが、体の健康と心の健康を分けて考えがちというところで、心の健康だけがネガティブな印象に捉えられていると思うんです。心のケアは心が弱い人だけがやることではなく、ある意味思考のトレーニングのようなものではあるので、メンタルケアっていうとちょっと違うのかもしれないんですけど、心の領域、メンタルの領域をもっと当たり前にしていく、ということをミッションとして考えています。

それを行うために、弊社の場合はAIを使って、一人ひとりに自分自身の考え方を知ってもらうというサポートをしています。一人に一台サポートAIがいて、心に寄り添う存在がいる、という世界がいいなと思っていて、それを目指しています。

長谷川:体の健康はフィットネス系の色々なサービスが生まれてきてると思うんですが、それに比べて心はネガティブな印象になってしまったり、効果検証が難しいところなどもあり、なかなか事業者が出てこないんですよね。出てきてもなかなか成長しなかったり。

千頭さん:そうですね。日本だと特に……。

長谷川:そこを広げていくのはemolさんもうちもですが、頑張っていかないとなと思います。一緒に頑張っていきましょう!

ー ありがとうございました!

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改めて、船坂です。いかがだったでしょうか?個人的には、健康やセルフケアという観点で、体と心の境目の話がたくさん出てきて、とても興味深かったです。

振り返ってみると、今回の対談の中では、「自分を知ることがセルフケアの第一歩」ということがキーワードだったと思っています。

自分を知るためにはいろいろな方法がありますが、意外と一筋縄ではいかないものです。今回の「みんなのためのセルフケアアドベントカレンダー2020」にはそのヒントがたくさんあるので、ぜひ、自分に合う方法を見つけてみてください!

最後に

このアドベントカレンダーは今日で終了となります。たくさんの方々に協力を頂き、とても価値のある記事がたくさん生まれたと感じています。この場を借りて改めてお礼を言わせてください。ありがとうございました!

今年もお疲れさまでした!!皆様、ご自愛ください!

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