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実は構造計算していない住まいがほとんどという事実~計算はするが構造計算では無い

こんにちは。

建築コンサルタントのtakumiです。

今回は、間取り診断の際にお客様からよく聞かれる「構造計算」についてお話したいと思います。

すごく細かい計算で造られると思いきや、実は詳細な「構造計算」はしなくても合法に家が建つという事実があるんですね。

というか、多くの住まいが詳細な計算無しに建てられているということなんです!

ちょっと小難しい内容ですが、かなり大事なお話です!


◆実は簡単な計算で済む木造住宅

木造では一般的な規模(200㎡まで)の二階建てまでは、詳細な構造計算は不要で、「壁量計算」や「バランスチェック」といった比較的簡単な計算で済んでしまいます。

この計算は、建物の面積に応じて必要な耐力壁の数量をチェックするといった計算ですので、各柱や梁の耐力を計算する構造計算と比べると、かなり簡易なものではあります。

2階以下、200㎡までというよくある規模の住宅は、耐力壁の「チェック」的な計算をするだけで、精密な構造計算はしなくても確認申請(建築基準法)はOKなのです。

この方法で配置された耐震壁に対して、各柱の上端と下端に条件に見合った金物を配置して、接合部分で分断されないように設計ます。


◆構造計算はできるだけしておくべき!

このように、壁量計算やバランスチェックの計算は、あくまでも「壁」の割合を計算しているだけですから、柱や梁といった軸の部材が大きな地震で本当に大丈夫なのかどうかは不明なわけです。

実は、二階建てまでの木造戸建て住宅では、法的にも柱や梁の太さを詳しい「計算」で確かめる規定がありません。

なので、外形が複雑な形や、LDKなどで大きな空間の場合は、「壁量計算」や「バランスチェック」だけでは、実際の地震の力の流れに沿った計画をしていないので、大地震で壊れる可能性があるんです。

複雑な形は、必ず構造計算をしてもらうようにして欲しいというこです。

また、構造に精通していれば、間取りをパッと見て「危険かどうか」はある程度わかるものですが、あまり構造に精通できていない設計士が多いのも事実なのです。

◆構造計算が必須なので安心な家の形って?

このような、「通常の規模では構造計算が不要」となっている住宅ですが、三階建てでは構造計算か必須となります。

普通に考えても、背が高くなってしかも「三層」になるので、倒れやすそうに思いますよね。

三階建てならどんな小さな家でも、構造計算が必要になります。

構造計算には通常の設計にプラスして費用がかかりますから、設計費は割高にはなります。

(構造計算の費用は、設計業者や規模、階数によってプラス10万円~20万円程度の費用)

ただし、構造計算でも「ギリギリセーフ」を狙うのはちょっと危険なところはあります。

耐震等級の3等級ギリギリなら良いのですが、等級1(建築基準法の最低レベル)ギリギリでは、大地震では結構な損傷を受ける可能性がありますからね。

構造計算をしたから、必ず安心とは言えませんが、「壁量計算」「バランスチェック」より確実に安全性が確認できます。

◆まとめ

構造計算の費用は、前述の通り10万~20万程の費用がプラス必要になります。

もちろん、構造計算をしなくても結果的に安全な建物が出来上がる可能性もあることはあります。

ただ、「安全である」ということの証明は、構造計算をしない限り、大地震が来ないと分からないのです。

ですので、構造計算しない計画で進んでいた方はできる限り構造計算をして、安全性を確かめてから進めましょう。

特に、凸凹した外観、LDKが広い、インナーガレージの上に2階が乗っているといったバランスの悪い間取りの場合は、必ず構造計算を依頼して頂きたいと思います。


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