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共感覚(シネステジア) 色を感じる次元の謎

こんにちは! 本村です。

さて、今回は「共感覚(シネステジア) 色を感じる次元の謎」というテーマでお話ししたいと思います。

表題の通り、共感覚(シネステジア)とは、文字や色に色を感じる特異な感覚のことです。



Chapter1:共感覚(シネステジア)とは何か



冒頭で述べた共感覚をもう少し具体的に言うと、1つの刺激(音を聴く等)に対して、”他の種類の感覚が同時に引き起こされる現象”のことです。

例えば、「あ」という文字に「1」を感じたり、音楽を聴くと青色を感じたりするといったものです。

因みに、この共感覚を持っていた方で有名な人はリチャード・ファインマン(1918〜1988)さんが上げられます。1965年にノーベル物理学賞を受賞したアメリカの天才物理学者と称された方です。

ファインマンさんは、”方程式の文字や数字に色を感じていた”とおっしゃっていたみたいです。

因みに今回の参考書籍は下記の2冊になります。

2冊目がこちらです。


2冊とも共感覚の内容に事細かに書かれていると同時にそれ以外の知識についても述べられているので、サイエンスとしての知識の幅を広げるには最も適していると思います。

日本語での説明が非常に難しい共感覚というワードではありますが、次のChapterへ移りたいと思います。


Chapter2:様々な種類の共感覚



実は共感覚には様々なタイプがあるとされています。

よく知られているのは、文字に色が見える”色字共感覚”と、音を聴くと色を感じる”色聴共感覚”です。

上記以外の共感覚の数を含めると、およそ150種類以上が確認されています。

空間系列共感覚”や”ミラータッチ共感覚”なども約150種の中に含まれます。

空間系列共感覚とは、カレンダーや月日など順序性をもつ数や文字が曲がっていたり、輪っかの状態になりながら、3次元の空間に表示されるタイプの共感覚です。

また、ミラータッチ共感覚とは、目の前の人が他人から体の一部を触れられているのを見て、自分も体の同じ場所を触れられているように感じる共感覚の一種です。

このChapterの最初で述べた色聴共感覚については、俗に言う絶対音感のようなものを持っている人に多いとされているみたいです。

古くから知られている色聴については、実は1890年に「色聴」というタイトルで、フランスにて書籍が出版されていたりします。

この現象だと例えば、「ドレミファソラシド」の「ド」が白色、そして「ドレミファソラシド」の「レ」が黄色などという風に知覚されています。

この共感覚とは不思議なもので、社会的に認知度が低い割には、”20人に1人が共感覚の現象を体験している”という報告もあるとされています。

そして、今のところは共感覚の生物学的なメカニズムは、解明されていないようです。

一説によると、乳児期における過程の中で脳のあらゆる箇所の部位の結合が分かれずに残り続けていて、最終的にこの結合が保たれているので共感覚の現象が起きると言われています。

通常の場合は、成長すると同時にこういった結合そのものが失われていくとされています。

結合が失われるか、そうでないかの違いなのでは?というのが、現段階での見解です。

今回は、あまり聞き馴染みのない脳科学と医学のダブルジャンルに分類される共感覚(シネステジア)についてお話ししてきました。

それでは、また!




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